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吸血鬼、ヴァンピール ①

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【バンパイアハンター Ωオメガ

 殺せ !
 吸血鬼を抹殺せよ !
 奴らは人間の姿をした悪魔だ !!

 我々の教団
 我々の支配にとって危険な存在は全て排除するのだ !

 大衆は無知だ !
 だからこそ、我々が教え導かなければ成らぬのだ !

 ようしゃするな !
 邪魔をするなら、相手が誰であろうと排除するのだ !

 これは、我々の教団の為の神聖な行為だ !



 我々、バンパイアハンターは日本に逃げ込んだ、バンパイアを処分する為に日本に入国した。

 オトリのチームは見事に役目を果たし、大衆の目は向こうに釘付けに成っている間に、本命の俺達が日本に密入国することに成功したわけだ。

 この俺、バンパイアハンター・オメガバースが必ず吸血鬼どもを血祭りにあげてやる !

 その際、多少の東洋のサルどもが死んでも神は、お許ししてくださるだろう。
 無神論者が多く異教徒どもに慈悲は要らぬのだ !

「たとえ、何処に姿を隠しても徐々にアミを狭めイブシ出すのだ !
 人の姿をしていても吸血鬼は人の姿をした悪魔だ !
 我々が必ず吸血鬼どもを根絶やしにするのだ ! 
 殺せ、吸血鬼どもを殺せ ! 」

 チームリーダーのシグマクシスが激を飛ばしている。
 
「オイ、銃火器をさっさと配れ !
 この国では、俺達 異邦人は目立ち過ぎる。
 全員、キャソック司祭服から庶民が着ている服に気がえるのだ !
 この日本では、我々の宗派は少数派だ。
 キャソックなどを着ていたら目立ち過ぎる !」

 クッ、異教徒どもめ !
 出来ることなら異教徒どもも吸血鬼と一緒に葬りたいが、流石に今の時代では それは叶わない願いだ。
 我々の先祖、テンプル騎士団の頃が羨ましい。

 あぁ、我らが主よ。
 正義を行う我らを守りたまえ !

!  視線を感じる、敵か……
 気がつくと、沢山の野良猫が我々を見ている。
 その中に尻尾が二股に別れている黒猫が居た。

 奇形した猫かな、気持ち悪い猫だな。

 クソゥ、俺達は猫がキライだ !
 流石に昔の頃みたいに、猫が魔女の使い魔だなんて言いがかりを付けるつもりは無いが、先祖が魔女と一緒に猫狩りをしたせいか、我々の信者は何故か、猫どもに嫌われている。

「たっ 大変です !
 保管していた銃火器類、全てがドロで埋め尽くされています !
 このままでは、暴発の危険があるために使用が不可能です。
 弾薬も何故か腐食して使い物に成りません ! 」

 同士の言葉に全員がショックを受けている。
 この日本での弾薬の補給は難しい。
 米軍から横流しして貰うにしても時間がかかり過ぎる。
 銃火器も使えるようにするには、1度は分解して専用の溶液で洗浄しないと使えないだろう。
 刀剣類もあるが長物などは、この国のポリス警察に検挙されてしまう。

 本来の武器である、聖書や十字架、聖水などは物語などでは、吸血鬼や悪魔に効果覿面こうかてきめんなのだが、現実は甘く無い。

 いったい、誰の仕業なのだ !
 我々に気付かれることも無く、妨害工作をした奴らは !
 異教徒の戦士の仕業か?

 確か、陰陽師とか云う組織が在るとは報告書には有ったが、奴らの仕業なのだろうか。

 おのれ、異教徒どもめ !

「たっ 大変です ! 金庫から活動資金まで無くなっています ! 」

 チームリーダーのシグマクシスが、

「銃火器に弾薬は無理だが、資金なら この国の神社とやらの賽銭箱と云うものから調達するのだ !
 神は我々の主しからぬのだ !
 偽りの神を信仰している奴らから徴収しても、神は お許ししてくださる ! 」

 オイオイ、神は許してくださるかも知れないが、この国のポリスは許してくれる訳が無いだろう。
 頭に血が上り過ぎているのか、リーダーや仲間は俺の言うことに耳は貸さないだろう。
 下手をすると、吸血鬼を抹殺するメンバーは俺しか残らないかも知れないな。

 日本のグルメに興味があった俺は、活動資金とは別にグルメ巡りをするために多めにドルを円に替えて持参したのだ。
 バレると活動資金に取り上げられるから黙っておくことにしよう。
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