3 / 41
にゃん太郎の憂鬱《ゆううつ》 ①
しおりを挟む
誰が名付けたか
俺の名前は『 にゃん太郎 』
この地域の縄張りの『ボス猫』だ !
猫によっては『 にゃん太郎親分』と呼ばれている。
親分の仕事は、大変なんだぜ !
縄張りのパトロールから野良猫同士の喧嘩の仲裁、その他にも『 エサを貰える家』の斡旋 まで 多岐に渡るんだよ。
なのに若い奴らは
「 にゃん太郎親分は、気楽で良いなぁ~ 」
なんて、言うんだぜ !
まったく、親分の苦労を知って欲しいもんだよな~
そんな事を考えていたら、半野良猫の『メンマ』が あわててやってきた。
半野良猫と云うのは、御飯だけ貰って外飼いされている『猫』の事を云うんだぜ、勉強になっただろう。
ラーメン屋の『 メンマ 』が言うには
「 にゃん太郎親分、大変なんだニャ !
親からハグレタ子猫が、米屋の屋根から降りれなくて助けを呼んでいるんだニャ !
親分、頼むから助けて欲しいんだニャ ! 」
本当は『 メンマ 』が助ければ、早いんだが…………
コイツは、ラーメン屋から貰う『 チャーシューの切り落とし』などを食べているから太り過ぎているんだ。
知らない人間が見たら絶対に『野良猫』だなんて思わないだろうな !
普段から鍛えている俺が助けなければ成らないから、メンマに案内させた。
米屋に来てみると………うん、メンマには無理だな。
屋根は屋根でも、半分腐蝕した車庫の屋根だった。
メンマが乗れば、確実に屋根が抜けるな。
「 ニャア ニャア ニャア ニャア(ママ ママ ママ 何処にいるのぉ~ 怖いよ~ 高いよ~ お腹が減ったよ~ )」
商店街の人間達も気付き始めたから、俺は直ぐに助けに行った。
華麗に子猫を咥えて降りてきた俺を人間達が褒め称えている。
「 流石、ボス猫だねぇ~ 」
「 にゃん太郎、偉いぞ ! 」
「 にゃん太郎、カッコいい ! 」
褒めろ 褒めろ いつの間にか『にゃん太郎』と云う名前が浸透しているが、全部 おっちゃんのせいだ !
俺を見かける度に
「 にゃん太郎、元気か ?」
「 にゃん太郎、最近 店に来ないけど腹は減っていないのか ?」
「 にゃん太郎」「にゃん太郎」「にゃん太郎」「にゃん太郎」
他の人間も聞いていたせいか、今では すっかり『にゃん太郎』で定着してしまった。
とりあえず、腹を空かしているようだし おっちゃんの所にでも行くか !
「『 ウッシー』から母乳を分けて貰うように頼むから
それまで我慢してくれよ、坊っちゃん……嬢ちゃん ? 」
ママ ママ ママ と泣いている子猫を おっちゃんの居る店に連れて行った。
「 ニャオ~ン ニャオ~ン ニャオ~ン ニャオ~ン
( おっちゃん、助けてくれ ! とりあえず子猫に(ウッシーの)ミルクをやってくれ )」
おっちゃんが、気付いて直ぐに出て来てくれた。
「なんだ なんだ にゃん太郎 !
今度は、子猫か ?………ほどほどにしてくれよ~ 」
「 ニャオ~ン ニャオ~ン ニャオ~ン ニャオ~ン
( それより、おっちゃん ! 子猫にミルクをやってくれよ)
ウッシーの奴も気が付いて出て来てくれた。
「 にゃん太郎親分、その子猫は どうしたんだニャ ?」
「 訳は後で話すから、子猫にミルクをやってくれよ !」
「はい はい にゃん太郎親分には、世話になったから それくらい御安い御用だよ 」
そう言って、ウッシーが子猫にミルクを与えてくれた。
腹が減っていたからか、一生懸命にミルクを飲んでいる。
「 おお ! ウッシーも にゃん太郎も偉いぞ ………
この子猫の毛並みは、薄い茶色だなぁ~ ……
よし ! この子猫の名前は『 ココア 』だな ! 」
おっちゃんにしては、意外とマトモな名前だな………と思っていたら……………
「 ニャア ニャア ニャア ニャア ニャア ニャア ニャア
( もー ! もー ! もー ! 私が『ウッシー』で、この子猫が『 ココア 』だなんて 差別だわ !」
抗議している ウッシーに対して、おっちゃんは
「 ハハハハ、 ウッシーも賛成してくれているのかな
俺は名前を付けるのは、得意なんだよ 」
「 ニャア ニャア ニャア ニャア ニャア ニャア !
( もー ! もー ! もー ! どうして、そんなに都合良く解釈出来るのよぉー ! )
どうやら、ウッシーも大変みたいだなぁ~
任務を完了した俺は、日向ぼっこをする為に移動するのであった。
俺の名前は『 にゃん太郎 』
この地域の縄張りの『ボス猫』だ !
猫によっては『 にゃん太郎親分』と呼ばれている。
親分の仕事は、大変なんだぜ !
縄張りのパトロールから野良猫同士の喧嘩の仲裁、その他にも『 エサを貰える家』の斡旋 まで 多岐に渡るんだよ。
なのに若い奴らは
「 にゃん太郎親分は、気楽で良いなぁ~ 」
なんて、言うんだぜ !
まったく、親分の苦労を知って欲しいもんだよな~
そんな事を考えていたら、半野良猫の『メンマ』が あわててやってきた。
半野良猫と云うのは、御飯だけ貰って外飼いされている『猫』の事を云うんだぜ、勉強になっただろう。
ラーメン屋の『 メンマ 』が言うには
「 にゃん太郎親分、大変なんだニャ !
親からハグレタ子猫が、米屋の屋根から降りれなくて助けを呼んでいるんだニャ !
親分、頼むから助けて欲しいんだニャ ! 」
本当は『 メンマ 』が助ければ、早いんだが…………
コイツは、ラーメン屋から貰う『 チャーシューの切り落とし』などを食べているから太り過ぎているんだ。
知らない人間が見たら絶対に『野良猫』だなんて思わないだろうな !
普段から鍛えている俺が助けなければ成らないから、メンマに案内させた。
米屋に来てみると………うん、メンマには無理だな。
屋根は屋根でも、半分腐蝕した車庫の屋根だった。
メンマが乗れば、確実に屋根が抜けるな。
「 ニャア ニャア ニャア ニャア(ママ ママ ママ 何処にいるのぉ~ 怖いよ~ 高いよ~ お腹が減ったよ~ )」
商店街の人間達も気付き始めたから、俺は直ぐに助けに行った。
華麗に子猫を咥えて降りてきた俺を人間達が褒め称えている。
「 流石、ボス猫だねぇ~ 」
「 にゃん太郎、偉いぞ ! 」
「 にゃん太郎、カッコいい ! 」
褒めろ 褒めろ いつの間にか『にゃん太郎』と云う名前が浸透しているが、全部 おっちゃんのせいだ !
俺を見かける度に
「 にゃん太郎、元気か ?」
「 にゃん太郎、最近 店に来ないけど腹は減っていないのか ?」
「 にゃん太郎」「にゃん太郎」「にゃん太郎」「にゃん太郎」
他の人間も聞いていたせいか、今では すっかり『にゃん太郎』で定着してしまった。
とりあえず、腹を空かしているようだし おっちゃんの所にでも行くか !
「『 ウッシー』から母乳を分けて貰うように頼むから
それまで我慢してくれよ、坊っちゃん……嬢ちゃん ? 」
ママ ママ ママ と泣いている子猫を おっちゃんの居る店に連れて行った。
「 ニャオ~ン ニャオ~ン ニャオ~ン ニャオ~ン
( おっちゃん、助けてくれ ! とりあえず子猫に(ウッシーの)ミルクをやってくれ )」
おっちゃんが、気付いて直ぐに出て来てくれた。
「なんだ なんだ にゃん太郎 !
今度は、子猫か ?………ほどほどにしてくれよ~ 」
「 ニャオ~ン ニャオ~ン ニャオ~ン ニャオ~ン
( それより、おっちゃん ! 子猫にミルクをやってくれよ)
ウッシーの奴も気が付いて出て来てくれた。
「 にゃん太郎親分、その子猫は どうしたんだニャ ?」
「 訳は後で話すから、子猫にミルクをやってくれよ !」
「はい はい にゃん太郎親分には、世話になったから それくらい御安い御用だよ 」
そう言って、ウッシーが子猫にミルクを与えてくれた。
腹が減っていたからか、一生懸命にミルクを飲んでいる。
「 おお ! ウッシーも にゃん太郎も偉いぞ ………
この子猫の毛並みは、薄い茶色だなぁ~ ……
よし ! この子猫の名前は『 ココア 』だな ! 」
おっちゃんにしては、意外とマトモな名前だな………と思っていたら……………
「 ニャア ニャア ニャア ニャア ニャア ニャア ニャア
( もー ! もー ! もー ! 私が『ウッシー』で、この子猫が『 ココア 』だなんて 差別だわ !」
抗議している ウッシーに対して、おっちゃんは
「 ハハハハ、 ウッシーも賛成してくれているのかな
俺は名前を付けるのは、得意なんだよ 」
「 ニャア ニャア ニャア ニャア ニャア ニャア !
( もー ! もー ! もー ! どうして、そんなに都合良く解釈出来るのよぉー ! )
どうやら、ウッシーも大変みたいだなぁ~
任務を完了した俺は、日向ぼっこをする為に移動するのであった。
0
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームの正しい進め方
みおな
恋愛
乙女ゲームの世界に転生しました。
目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。
私はこの乙女ゲームが大好きでした。
心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。
だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。
彼らには幸せになってもらいたいですから。
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
俺と結婚してくれ〜若き御曹司の真実の愛
ラヴ KAZU
恋愛
村藤潤一郎
潤一郎は村藤コーポレーションの社長を就任したばかりの二十五歳。
大学卒業後、海外に留学した。
過去の恋愛にトラウマを抱えていた。
そんな時、気になる女性社員と巡り会う。
八神あやか
村藤コーポレーション社員の四十歳。
過去の恋愛にトラウマを抱えて、男性の言葉を信じられない。
恋人に騙されて借金を払う生活を送っていた。
そんな時、バッグを取られ、怪我をして潤一郎のマンションでお世話になる羽目に......
八神あやかは元恋人に騙されて借金を払う生活を送っていた。そんな矢先あやかの勤める村藤コーポレーション社長村藤潤一郎と巡り会う。ある日あやかはバッグを取られ、怪我をする。あやかを放っておけない潤一郎は自分のマンションへ誘った。あやかは優しい潤一郎に惹かれて行くが、会社が倒産の危機にあり、合併先のお嬢さんと婚約すると知る。潤一郎はあやかへの愛を貫こうとするが、あやかは潤一郎の前から姿を消すのであった。
🥕おしどり夫婦として12年間の結婚生活を過ごしてきたが一波乱あり、妻は夫を誰かに譲りたくなるのだった。
設楽理沙
ライト文芸
☘ 累計ポイント/ 180万pt 超えました。ありがとうございます。
―― 備忘録 ――
第8回ライト文芸大賞では大賞2位ではじまり2位で終了。 最高 57,392 pt
〃 24h/pt-1位ではじまり2位で終了。 最高 89,034 pt
◇ ◇ ◇ ◇
紳士的でいつだって私や私の両親にやさしくしてくれる
素敵な旦那さま・・だと思ってきたのに。
隠された夫の一面を知った日から、眞奈の苦悩が
始まる。
苦しくて、悲しくてもののすごく惨めで・・
消えてしまいたいと思う眞奈は小さな子供のように
大きな声で泣いた。
泣きながらも、よろけながらも、気がつけば
大地をしっかりと踏みしめていた。
そう、立ち止まってなんていられない。
☆-★-☆-★+☆-★-☆-★+☆-★-☆-★
2025.4.19☑~
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる