【完結】 にゃん太郎の憂鬱 (2022年2月22日 スーパー猫の日記念物語 )

月影 流詩亜

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振り向けば奴がいる !

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【 😿ガンモside 】

   また、フラれてしまった  !

   おいらが、落ち込んで歩いていると

「 なんだ、ガンモ  !  またフラれたのか。
これで何回目だよ、もう50回は越えたのか ? 」

   茂手内もてないさんの『コロッケ』が、おいらを見て笑っていやがる。

「 まだ、35回目だよ !  そういうコロッケこそ、この前に大阪さんの『アンとダイアナ』にフラれたのを知っているんだぞ !
   おまえコロッケこそ、50回はフラれたんじゃないか ?」


「 五月蝿うるさいなぁ~、 まだ俺は34回目だよ !
お前ガンモと一緒にするなよ  !  」

 
   そう、このコロッケこそがオイラのライバルなんだ !
コイツにだけは、絶対に負けたく無い !


♔♕♖♗♘♙♚♛♜♝♞♔♕♖♗♘♙♚♛♜♝♞

   それから、しばらく立った時にまたしてもコロッケに会った。
   オイラは知っている !  奴がフラれた事を情報通の喫茶店の看板猫である『 弥七やしち』から聞いたのだから間違いない !
   情報料金代わりにオイラの『焼き鳥ごはん』は痛かったけど奴には負けられないから仕方がないんだよな。


「 やい  やい  やい  オイラは知っているんだぜ  !
お前コロッケが駄菓子屋の『キャンディ』と お茶屋さんの『パティ』とダンス教室の『イライザ』にフラれた事をな !
   これで 37回もフラれたんだから、オイラの勝ちだよな  !」

   そうしたら、コロッケが反撃してきやがった !

「 ガンモこそ、俺が知らないとでも思っているのか !
お前ガンモも、京都さんの『バジル』と『タイム』にフラれた事を知っているんだぜ !
   情報屋の『弥七』から聞いたんだから間違いは無いはずだよな ! 」


  …………弥七の奴、コロッケにも情報を売っていたのか  !
猫の風上にも置けない奴だよな !


   オイラとコロッケが言い争いをしていた時に、にゃん太郎親分が現れた。

「 メンマから聞いて急いで来てみれば、何を不毛ふもうな争いをしているんだよ !  せっかくのデートだったのによぉ !」

   そこにはリア充のにゃん太郎親分が花屋のカスミちゃん と たこ焼き屋のマユキちゃんをハベラせていた。

「 マユキちゃん、 こういうのって何て言うのかしら ? 」

「 カスミちゃん、『 ドングリの背比べ』と云う人間のことわざがあるわよ 」

   親分の彼女達の言葉がキツいのは、デートの邪魔をしたからなのか ?
   別に、オイラは嫌われてないよね !
悪いのはコロッケで、オイラは悪く無いよね。

「 おい おい  お前達カスミとマユキ、 ガンモもコロッケも『 いい奴』なんだから許してやってくれよ。
デートなら、また一緒にするからさ 」

   そんな男前な発言をする親分をカスミちゃん や マユキちゃん が毛繕けづくろいし始めた。

   まっ  まぶしい !
これが、モテるおとこだと云うのか !

   オイラもコロッケもしばし見惚れていたが、親分を見て思い出した  !

   そうだ !   おっちゃんのところに『 ウッシー』が居るじゃないか !
   オイラが駆け出すと同じ事を考えたのか、コロッケまで追ってきた。

   おっちゃんの勤めている店の縁側で昼寝をしている ウッシーを見つけたオイラはコロッケに先駆けてプロポーズをした。

「 オイラの彼女に成って頂戴な ! 少々くたびれているのは我慢するからさ」

「 俺の方が良い男だぜ ! オバサンでも我慢してやるから俺と付き合ってくれよ ! 」

   オイラ達のプロポーズを聞いた ウッシーが突然 怒りだした !

「 もー ! もー ! もー ! アンタ達なんて、こっちからお断りよ !  本当にデリカシーが無いんだから、アンタ達は一生モテないわよーー ! 」


   あまりの剣幕けんまくにオイラ達はにげだした。
お互いに 38回目をフラれてしまったけど、奴よりオイラの方が早く彼女を見つけてやるからな !

   コロッケだけには負けない !
そう、オイラは誓ったのだ。


 
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