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第26話 埋蔵金 ①
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【左近side】
「やっぱり、処刑人は一人では無かったのね 」
主水さん達の取り調べで判明したのだけど……
「なかなか口を割らなかった上に撃たれたご禁制の拳銃の弾が体内に残っていたらしく、鉛中毒で亡くなったと報告を受けています 」
う~ん、たぶん嘘ね。
この時代は人権なんて意識は無いから、拷問をやり過ぎて死なせてしまったんだわ。
「それで、処刑人と云うのは何人くらいの組織なの ?」
「それが、よくわからないらしいのです。
処刑人同士は面識が無く、胴元になる者が仕事を割り振ると云うことでした 」
ますます必殺シリーズに似ているわ。
もしかしたら、昔から似たような話しは有ったのかも知れないわね。
後手後手になるけど仕方ないわね。
「半兵衛さん。 引き続き警戒してちょうだいね 」
「はっ。 それが最近、奇妙な死体が川から打ち上げられておるのです。
それも三人。 いずれも四肢の骨を折られた上で川に生きたまま投げ捨てられたらしく、腹一杯に水を飲み込んでいたとのこと。
調べでは、三人とも八丈島から帰ってきた、元・島流しに成った者だと判りもうした 」
島帰り ?
悪い人たちで、再び悪巧みを考えて仲間割れでもしたのかしら ?
◇◇◇◇◇
川沿いにある町並みを、一人の旅の僧侶が歩いていた。
ただ、僧侶と云うわりには大きな身体をしているので、町人たちは『僧兵か ?』と思い、遠巻きに見ていた。
長屋の内の一部屋から男が飛び出し僧侶を見るなり、
「おっと、いいとこへ来てくれた !
今、おっ母さんが死んじまったんだ。
すまないが、お経をあげてもらえないだろうか !」
しかし僧侶は……
「ことわる !
経など、とうの昔に忘れてしまったわ !」
そう言い残して、立ち去ってしまった。
── とある木賃宿 ──
木賃宿の奥座敷で昼間から酒を呑んでいる、怪しげな男たちを見ながら、木賃宿の常連客の二人が店主に愚痴を言っていた。
この木賃宿は、酒や食事も提供していた。
「おやじ、なんだよ
アイツら、薄気味悪くっていけねえや !」
「ああ、なんとかしてくれよ、おやじ !」
しかし店主は……
「そんなことを言っても……」
実は店主も困っていたのだが、相手が怖くて注意出来なかったのだ。
常連客の二人も、それ以上は店主を責めることを、ためらい話題を変えた。
「いつから居るんだい、アイツら ?」
「二、三日前から……一人、また一人と……」
「知り合いなのかい、あの四人 ?」
「さあ、どうなんですかね ?
ああして、四人とも知らない顔で座ったままなんですよ 」
ガラッ !
入り口の扉を開いて入って来たのは、先ほどの僧侶だった。
一瞬、五人は顔を見合せる。
常連客の二人は相手に聞こえないような小さな声で、
「ま、またまた、薄気味悪いのが現れたぜ……」
「しっ ! 聞かれたらどうする 」
戸惑いながらも店主は、
「い、いらっしゃい……」
僧侶が常連客を睨むと常連客はお勘定を済ませて、すごすごと出て行ってしまった。
常連客が出て行くのを確認した僧侶は、
「世話になる。
すぐに飯にしてくれ、腹が減っているんだ 」
言葉を発した後、怪しげな男たちを気にする僧侶。
訝しげに僧侶を見ていた店主に、
「早く飯にしてくれ !
儂は腹が減るとイライラするんだ !」
僧侶の剣幕に店主は震えながら、
「へ、へい、少々お待ちください 」
店の奥に行き、急いで飯の用意をする店主は明日にでも知人に相談しようと考えていた。
── いったい、この怪しげな男たちは、何の為に集まっているのだろうか ?
謎は深まるばかりだった ──
「やっぱり、処刑人は一人では無かったのね 」
主水さん達の取り調べで判明したのだけど……
「なかなか口を割らなかった上に撃たれたご禁制の拳銃の弾が体内に残っていたらしく、鉛中毒で亡くなったと報告を受けています 」
う~ん、たぶん嘘ね。
この時代は人権なんて意識は無いから、拷問をやり過ぎて死なせてしまったんだわ。
「それで、処刑人と云うのは何人くらいの組織なの ?」
「それが、よくわからないらしいのです。
処刑人同士は面識が無く、胴元になる者が仕事を割り振ると云うことでした 」
ますます必殺シリーズに似ているわ。
もしかしたら、昔から似たような話しは有ったのかも知れないわね。
後手後手になるけど仕方ないわね。
「半兵衛さん。 引き続き警戒してちょうだいね 」
「はっ。 それが最近、奇妙な死体が川から打ち上げられておるのです。
それも三人。 いずれも四肢の骨を折られた上で川に生きたまま投げ捨てられたらしく、腹一杯に水を飲み込んでいたとのこと。
調べでは、三人とも八丈島から帰ってきた、元・島流しに成った者だと判りもうした 」
島帰り ?
悪い人たちで、再び悪巧みを考えて仲間割れでもしたのかしら ?
◇◇◇◇◇
川沿いにある町並みを、一人の旅の僧侶が歩いていた。
ただ、僧侶と云うわりには大きな身体をしているので、町人たちは『僧兵か ?』と思い、遠巻きに見ていた。
長屋の内の一部屋から男が飛び出し僧侶を見るなり、
「おっと、いいとこへ来てくれた !
今、おっ母さんが死んじまったんだ。
すまないが、お経をあげてもらえないだろうか !」
しかし僧侶は……
「ことわる !
経など、とうの昔に忘れてしまったわ !」
そう言い残して、立ち去ってしまった。
── とある木賃宿 ──
木賃宿の奥座敷で昼間から酒を呑んでいる、怪しげな男たちを見ながら、木賃宿の常連客の二人が店主に愚痴を言っていた。
この木賃宿は、酒や食事も提供していた。
「おやじ、なんだよ
アイツら、薄気味悪くっていけねえや !」
「ああ、なんとかしてくれよ、おやじ !」
しかし店主は……
「そんなことを言っても……」
実は店主も困っていたのだが、相手が怖くて注意出来なかったのだ。
常連客の二人も、それ以上は店主を責めることを、ためらい話題を変えた。
「いつから居るんだい、アイツら ?」
「二、三日前から……一人、また一人と……」
「知り合いなのかい、あの四人 ?」
「さあ、どうなんですかね ?
ああして、四人とも知らない顔で座ったままなんですよ 」
ガラッ !
入り口の扉を開いて入って来たのは、先ほどの僧侶だった。
一瞬、五人は顔を見合せる。
常連客の二人は相手に聞こえないような小さな声で、
「ま、またまた、薄気味悪いのが現れたぜ……」
「しっ ! 聞かれたらどうする 」
戸惑いながらも店主は、
「い、いらっしゃい……」
僧侶が常連客を睨むと常連客はお勘定を済ませて、すごすごと出て行ってしまった。
常連客が出て行くのを確認した僧侶は、
「世話になる。
すぐに飯にしてくれ、腹が減っているんだ 」
言葉を発した後、怪しげな男たちを気にする僧侶。
訝しげに僧侶を見ていた店主に、
「早く飯にしてくれ !
儂は腹が減るとイライラするんだ !」
僧侶の剣幕に店主は震えながら、
「へ、へい、少々お待ちください 」
店の奥に行き、急いで飯の用意をする店主は明日にでも知人に相談しようと考えていた。
── いったい、この怪しげな男たちは、何の為に集まっているのだろうか ?
謎は深まるばかりだった ──
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