35 / 82
第35話 品羽屋 竹蔵 ①
しおりを挟む
【半兵衛side】
「地震でもあったのですか !?
土肥金山が埋まってしまうなんて想定外ですよ !」
屋根裏で品羽屋 竹蔵の様子を伺っていると、部下に八つ当たりしている竹蔵を見た。
「それで、こちらから口入した島帰りの奴らは、どうなりましたか ?」
「はい。 幸い、メシを食べに外に出ていたので、全員無事でございます 」
「 ……いっそ、埋まってしまえば、北条から見舞金をせしめたものを、惜しいことをしましたね !」
「…………」
この男、クズだな。
「島帰りの奴らに使ったクスリも安くはないのですよ !
他に利用出来る大名家は無いのですか ?
戦の無い世は迷惑ですよ、私達 商人には !
まったく、今川義元も余計なことをしてくれたものですね !」
クスリ……どうやら、左近さまが心配していた阿片では無いようだ。
あの阿片とやらは独特な臭いがあると、堺の商人から教えてもらった。
「ええーっい ! 南蛮商人に、これ以上の銀をくれてやるのは、癪に触りますね。
また、貧乏な農民や町人の元にクスリ漬けにした島帰りを使って子供や女房を拐いなさい !
南蛮商人は、奴隷の売り買いもしているから、元手がかからないから、良い儲けに成るでしょう 」
!! コイツらだったのか。
左近さまが言っていた奴らは !
竹蔵の元に、数人の男たちが連れられて来たが、どいつもこいつも目が虚ろで意思を感じられない。
「まずは、ネズミを片付けてもらいましょうか」
ギクッ ! まさか、見つかったと云うのか……
店の奥から一人の男が引きずられてきた。
アレは、西町奉行所の隠密同心か !?
連れられて来た隠密同心に虚ろなまま島帰りの男たちが、素手で襲った !
バキッ ベキッ !
隠密同心は口が塞がれている為に叫び声が出せないでいるが…………
化け物か !!
素手で、隠密同心の四肢を無理やりに、あらぬ方向に曲げていく。
アノ川に浮かんだ水死体の原因も……
「たのも~う !」
左近さま~ぁ、何故きたのですかぁ~ !
◇◇◇◇◇
【左近side】
昔の『ごめんください』は、これで良いのよね。
隣に居る十兵衛さんが驚いた顔をして、わたしを見ているのは気のせいよね。
しばらくすると、番頭らしき人が出てきた。
「これは、お武家様。 今日は、どういった御用向きで ?」
「ちょっと、店の名簿……口入帳を見せてくれる。
それと、店の主人を呼んでね 」
何故か、番頭さんの顔が引きつっている。
「申し訳ありません。 信用問題に成りますので、むやみやたらとお見せすることはできません !」
仕方ないわね。
水戸の御老公じゃないけど、吉良家の家紋入りの守り刀を……見せようとしたら、十兵衛さんに静止されたわ。
「まあ、固いことを言わずに、ちょっことだけ見せてくれぬか ?」
そう言いながら、番頭さんの懐にお金の入った小袋を入れてしまった。
「さあ、どうぞ、どうぞ。 お勤めご苦労様です、お役人さま !」
どうやら、わたし達をお役人扱いして、見せてくれるのかしら ?
それにしても、十兵衛さん。
強引なだけではなかったのね。
番頭さんに案内された わたし達は店の中へと向かった……
その様子を観察している長い槍を持った僧侶が居たことに気がついたのは、かなり後だった。
「地震でもあったのですか !?
土肥金山が埋まってしまうなんて想定外ですよ !」
屋根裏で品羽屋 竹蔵の様子を伺っていると、部下に八つ当たりしている竹蔵を見た。
「それで、こちらから口入した島帰りの奴らは、どうなりましたか ?」
「はい。 幸い、メシを食べに外に出ていたので、全員無事でございます 」
「 ……いっそ、埋まってしまえば、北条から見舞金をせしめたものを、惜しいことをしましたね !」
「…………」
この男、クズだな。
「島帰りの奴らに使ったクスリも安くはないのですよ !
他に利用出来る大名家は無いのですか ?
戦の無い世は迷惑ですよ、私達 商人には !
まったく、今川義元も余計なことをしてくれたものですね !」
クスリ……どうやら、左近さまが心配していた阿片では無いようだ。
あの阿片とやらは独特な臭いがあると、堺の商人から教えてもらった。
「ええーっい ! 南蛮商人に、これ以上の銀をくれてやるのは、癪に触りますね。
また、貧乏な農民や町人の元にクスリ漬けにした島帰りを使って子供や女房を拐いなさい !
南蛮商人は、奴隷の売り買いもしているから、元手がかからないから、良い儲けに成るでしょう 」
!! コイツらだったのか。
左近さまが言っていた奴らは !
竹蔵の元に、数人の男たちが連れられて来たが、どいつもこいつも目が虚ろで意思を感じられない。
「まずは、ネズミを片付けてもらいましょうか」
ギクッ ! まさか、見つかったと云うのか……
店の奥から一人の男が引きずられてきた。
アレは、西町奉行所の隠密同心か !?
連れられて来た隠密同心に虚ろなまま島帰りの男たちが、素手で襲った !
バキッ ベキッ !
隠密同心は口が塞がれている為に叫び声が出せないでいるが…………
化け物か !!
素手で、隠密同心の四肢を無理やりに、あらぬ方向に曲げていく。
アノ川に浮かんだ水死体の原因も……
「たのも~う !」
左近さま~ぁ、何故きたのですかぁ~ !
◇◇◇◇◇
【左近side】
昔の『ごめんください』は、これで良いのよね。
隣に居る十兵衛さんが驚いた顔をして、わたしを見ているのは気のせいよね。
しばらくすると、番頭らしき人が出てきた。
「これは、お武家様。 今日は、どういった御用向きで ?」
「ちょっと、店の名簿……口入帳を見せてくれる。
それと、店の主人を呼んでね 」
何故か、番頭さんの顔が引きつっている。
「申し訳ありません。 信用問題に成りますので、むやみやたらとお見せすることはできません !」
仕方ないわね。
水戸の御老公じゃないけど、吉良家の家紋入りの守り刀を……見せようとしたら、十兵衛さんに静止されたわ。
「まあ、固いことを言わずに、ちょっことだけ見せてくれぬか ?」
そう言いながら、番頭さんの懐にお金の入った小袋を入れてしまった。
「さあ、どうぞ、どうぞ。 お勤めご苦労様です、お役人さま !」
どうやら、わたし達をお役人扱いして、見せてくれるのかしら ?
それにしても、十兵衛さん。
強引なだけではなかったのね。
番頭さんに案内された わたし達は店の中へと向かった……
その様子を観察している長い槍を持った僧侶が居たことに気がついたのは、かなり後だった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
社会の底辺に落ちたオレが、国王に転生した異世界で、経済の知識を活かして富国強兵する、冒険コメディ
のらねこま(駒田 朗)
ファンタジー
リーマンショックで会社が倒産し、コンビニのバイトでなんとか今まで生きながらえてきた俺。いつものように眠りについた俺が目覚めた場所は異世界だった。俺は中世時代の若き国王アルフレッドとして目が覚めたのだ。ここは斜陽国家のアルカナ王国。産業は衰退し、国家財政は火の車。国外では敵対国家による侵略の危機にさらされ、国内では政権転覆を企む貴族から命を狙われる。
目覚めてすぐに俺の目の前に現れたのは、金髪美少女の妹姫キャサリン。天使のような姿に反して、実はとんでもなく騒がしいS属性の妹だった。やがて脳筋女戦士のレイラ、エルフ、すけべなドワーフも登場。そんな連中とバカ騒ぎしつつも、俺は魔法を習得し、内政を立て直し、徐々に無双国家への道を突き進むのだった。
『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』
チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。
その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。
「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」
そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!?
のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる