もの知りオミくんと、もの知らないモル。

岡田拓也

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プロローグ

 とある日の夜の中、森の奥深くにある洞窟の中でひっそりと本を読んでいるオオカミさんがいました。
 オオカミさんが座っている周辺にはたくさんの本や資料がちらかっています。
 オオカミさんは指先でペラペラと本のページをめくっていきます。
 時に笑みを浮かべながら、時に険しい表情を浮かべながら読んでいます。
 このオオカミさんは本を読むことが大好きなようですね。

 ……あら、こちらの視線に気付いてしまったようです。
 オオカミさんは素早く洞窟から抜け出し、ぴょーんとどこかに行っちゃいました。
 それと同時に、森の所々から生えている草木をかき分けて現れた小さな男の子が洞窟のほうへと歩いていきます。

「ありゃりゃ、いない! せっかく来たのにーっ!」

 男の子はがっかりとした表情を浮かべながら、町のほうへとおぼつかない足どりでトボトボと帰っていきました。

 ――これは、もの知りオオカミともの知らない少年のちょっぴり変わった物語。
 それでは、はじまりはじまり。
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