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刀聖軍
意外なメンツ
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起伏が豊かな、翼域の殺伐とした街道を、数騎の騎馬が駆けている。
「――そろそろっスか?、ショウゾウさん」
その中の一騎――テンに跨っているソウタは、並走している鹿毛の馬を駆っているショウゾウに、含みのある問いをした。
ここは、東砦から早馬を用いて、一晩中駆けさせる程度離れた場所にある、獣の狩場にピッタリと言った体の、鬱蒼とした林の入り口。
そんな場所を、キョロキョロと見回している、ソウタの問いにショウゾウは――
「――ああ、この先の、廃棄された狩人小屋の中に潜んで、北方砦まで逃げ延びる期を窺がっているという事だ」
――と、彼は辺りを警戒した素振りを見せながら答えた。
「やれやれ……なかなか行動力のある弟君だよね。
一回生の立場で、大学と学組を向こうに回し、数十人の学生を率いて、北コク支持の表明に反論して見せる――これも、聡明な姉の影響なのかな?」
ソウタに替わって、ショウゾウの返答に応じたのは、芦毛の馬を駆って同行しているヒロシである。
「ヒロシさん、俺らに付いて来てて良いんスか?
東砦を放棄して、六番隊と北方砦で集結してから、樹海を通ってツツキへ――って、手筈を組んだのに、その隊長の貴方が、別働に回ってて良かったの?」
「はは、心配は要らないよ。
ウチの副官は優秀でね……参勤で、稀ぁ~に帰って来るだけの隊長よりも、用兵は手慣れているだろうしね」
訝しげに尋ねるソウタに対し、ヒロシは飄々とそう答え――
「――僕は、偉そうに指揮なんかをしているより、刀で働く方が、性に合ってるからね。
弟君の救出と護衛の方が、適役かと思ったんだよ」
――と、腰の鞘を持ち上げ、不敵に笑って見せた。
「それに、面白そうな顔触れになっているから、武人としての興味もあるかな♪」
ヒロシがそう、楽しげな微笑を見せながら、振り向いた先には――後続の二騎を駆る、リュウジとサスケの顔をがあった。
「へっ!、本当に酔狂な物言いの隊長さんだな♪」
「武人を志した者からすれば、大武会に名を轟かせた方にそう仰って頂けるのは、光栄にございますよ、ヒロシ殿」
リュウジは、呆れた様でニヤッと笑い、サスケは軽く会釈をしてヒロシの言葉に応じた。
「――で、付いて来ると手を挙げたのも、意外な気がする二人だからね。
何だか、調子狂うぜ」
ソウタは、同行して来た三人の顔を見渡し、ポリポリと頭を掻く。
「私とリュウジさんは、オウクでの騒動には、加われていませんからね。
意気込んで同行を申し出たのに、戦闘をしていない有様ですから、ココで手を挙げるのは、武人としての性でございましょう」
「へっ!、何時も女に囲まれてっから、白粉のニオイが恋しいのかぁ?
たまには、男臭ぇ中で働く事も必要だぜ?」
二人はまた対照的に、サスケは生真面目に、リュウジはからかう様な返答をする。
「僕としては――コレに、カオリちゃんが加わってくれてたら、更に楽しい戦闘になりそうだったんだけどね♪、怪我じゃあしょうがないよ」
ヒロシは残念そうに、アキトを救援する顔触れを選定した時の事を思い出す。
「はっはっはっ!、あのあしらい方には笑ったぜ!、
ソウタ……おめぇも、凄ぇ女に手を出したモンだな♪」
リュウジも話の流れで、カオリが強制的に同行不可となった経緯を思い出し、声を挙げて笑った。
「親分――誰から聞いたんスか?、俺とヒカリの事」
ソウタは渋い顔をして、リュウジにそう尋ねた。
「おっ!、なんでぇ図星か?
カマを掛けたつもりだったが、大当たりだったとはなぁ♪、はっはっはっ!」
リュウジはそう茶を濁し、また高らかに笑う。
「……いくら刀聖様とはいえ、どうして、どうしてレンは、こんな軽薄に写る者に惹かれて……」
サスケは小声で、そんな愚痴を溢して、澱んだ目線をソウタに送る。
「――聞こえてるぞ?、サスケ」
ソウタはまた、渋い顔をして、サスケに対して眉を顰めた。
「!?、失礼致したっ!」
「いや、良い――同い年なのに、敬語でばかり話してくるから、正直困ってたけど、そういう風にも話せると解ったから、むしろ嬉しい」
ソウタは、微笑浮かべてそう言うと、続けて――
「――それに、レンが俺に惚れてるなんてのは、きっとお門違いだ。
仮に、彼女が自ら、そう言ってたとしても……きっとそれは、命を助けた事への感謝の感情を、恋愛感情と錯覚してるだけだろうさ」
――と、もの哀しげにそう言い、ゆっくりと目を閉じる。
(俺は――誰かに、特にあんな良い子に惚れてもらえる程、清いな生き方はしてねぇんだからな)
心中では――そんな自虐的な呟きもして。
「とにかく、様付けや敬語はもう止めてくれ。
サスケ――俺も、アンタとは腹を割って、仲間として、接して行きてぇからさ?」
ソウタは、サスケの顔を見詰め、グッと真剣な眼差しを向けて答えを待つ。
「解りま――いや、解った。
私……ではなく、俺もキミの事を、刀聖様とは思わずに接する事を努力しよう」
サスケは小さく頷き、ソウタの申し出に快く応じた。
(ふっ……少し、キミが女性陣を惹きつけている理由が解った気がするよ。
キミには――男である俺だって、人間的な魅力を感じるものな……いや、だから光刃も、キミを持ち手に選んだのかもしれない)
心中では――納得気にそんな言葉を呟きながら。
「――そろそろっスか?、ショウゾウさん」
その中の一騎――テンに跨っているソウタは、並走している鹿毛の馬を駆っているショウゾウに、含みのある問いをした。
ここは、東砦から早馬を用いて、一晩中駆けさせる程度離れた場所にある、獣の狩場にピッタリと言った体の、鬱蒼とした林の入り口。
そんな場所を、キョロキョロと見回している、ソウタの問いにショウゾウは――
「――ああ、この先の、廃棄された狩人小屋の中に潜んで、北方砦まで逃げ延びる期を窺がっているという事だ」
――と、彼は辺りを警戒した素振りを見せながら答えた。
「やれやれ……なかなか行動力のある弟君だよね。
一回生の立場で、大学と学組を向こうに回し、数十人の学生を率いて、北コク支持の表明に反論して見せる――これも、聡明な姉の影響なのかな?」
ソウタに替わって、ショウゾウの返答に応じたのは、芦毛の馬を駆って同行しているヒロシである。
「ヒロシさん、俺らに付いて来てて良いんスか?
東砦を放棄して、六番隊と北方砦で集結してから、樹海を通ってツツキへ――って、手筈を組んだのに、その隊長の貴方が、別働に回ってて良かったの?」
「はは、心配は要らないよ。
ウチの副官は優秀でね……参勤で、稀ぁ~に帰って来るだけの隊長よりも、用兵は手慣れているだろうしね」
訝しげに尋ねるソウタに対し、ヒロシは飄々とそう答え――
「――僕は、偉そうに指揮なんかをしているより、刀で働く方が、性に合ってるからね。
弟君の救出と護衛の方が、適役かと思ったんだよ」
――と、腰の鞘を持ち上げ、不敵に笑って見せた。
「それに、面白そうな顔触れになっているから、武人としての興味もあるかな♪」
ヒロシがそう、楽しげな微笑を見せながら、振り向いた先には――後続の二騎を駆る、リュウジとサスケの顔をがあった。
「へっ!、本当に酔狂な物言いの隊長さんだな♪」
「武人を志した者からすれば、大武会に名を轟かせた方にそう仰って頂けるのは、光栄にございますよ、ヒロシ殿」
リュウジは、呆れた様でニヤッと笑い、サスケは軽く会釈をしてヒロシの言葉に応じた。
「――で、付いて来ると手を挙げたのも、意外な気がする二人だからね。
何だか、調子狂うぜ」
ソウタは、同行して来た三人の顔を見渡し、ポリポリと頭を掻く。
「私とリュウジさんは、オウクでの騒動には、加われていませんからね。
意気込んで同行を申し出たのに、戦闘をしていない有様ですから、ココで手を挙げるのは、武人としての性でございましょう」
「へっ!、何時も女に囲まれてっから、白粉のニオイが恋しいのかぁ?
たまには、男臭ぇ中で働く事も必要だぜ?」
二人はまた対照的に、サスケは生真面目に、リュウジはからかう様な返答をする。
「僕としては――コレに、カオリちゃんが加わってくれてたら、更に楽しい戦闘になりそうだったんだけどね♪、怪我じゃあしょうがないよ」
ヒロシは残念そうに、アキトを救援する顔触れを選定した時の事を思い出す。
「はっはっはっ!、あのあしらい方には笑ったぜ!、
ソウタ……おめぇも、凄ぇ女に手を出したモンだな♪」
リュウジも話の流れで、カオリが強制的に同行不可となった経緯を思い出し、声を挙げて笑った。
「親分――誰から聞いたんスか?、俺とヒカリの事」
ソウタは渋い顔をして、リュウジにそう尋ねた。
「おっ!、なんでぇ図星か?
カマを掛けたつもりだったが、大当たりだったとはなぁ♪、はっはっはっ!」
リュウジはそう茶を濁し、また高らかに笑う。
「……いくら刀聖様とはいえ、どうして、どうしてレンは、こんな軽薄に写る者に惹かれて……」
サスケは小声で、そんな愚痴を溢して、澱んだ目線をソウタに送る。
「――聞こえてるぞ?、サスケ」
ソウタはまた、渋い顔をして、サスケに対して眉を顰めた。
「!?、失礼致したっ!」
「いや、良い――同い年なのに、敬語でばかり話してくるから、正直困ってたけど、そういう風にも話せると解ったから、むしろ嬉しい」
ソウタは、微笑浮かべてそう言うと、続けて――
「――それに、レンが俺に惚れてるなんてのは、きっとお門違いだ。
仮に、彼女が自ら、そう言ってたとしても……きっとそれは、命を助けた事への感謝の感情を、恋愛感情と錯覚してるだけだろうさ」
――と、もの哀しげにそう言い、ゆっくりと目を閉じる。
(俺は――誰かに、特にあんな良い子に惚れてもらえる程、清いな生き方はしてねぇんだからな)
心中では――そんな自虐的な呟きもして。
「とにかく、様付けや敬語はもう止めてくれ。
サスケ――俺も、アンタとは腹を割って、仲間として、接して行きてぇからさ?」
ソウタは、サスケの顔を見詰め、グッと真剣な眼差しを向けて答えを待つ。
「解りま――いや、解った。
私……ではなく、俺もキミの事を、刀聖様とは思わずに接する事を努力しよう」
サスケは小さく頷き、ソウタの申し出に快く応じた。
(ふっ……少し、キミが女性陣を惹きつけている理由が解った気がするよ。
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心中では――納得気にそんな言葉を呟きながら。
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