君とティッシュを食べたい。

幸猫

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第1章 高校時代

3話:ティッシュを嫁にしたい

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「できた!完成した!」
ある休日の午後、ティッシュを全身に巻き付けた奇怪な男、幸一は何かを完成させたようだ。
「ティッシュ製佑美ちゃん人形!まじ萌え~!」
やっぱりこの男は救いようがない。

──ピンポーン
佑美ちゃん人形を眺めて悦に浸っていた幸一を、現実世界に引き戻すかのように、チャイムの音がなった。
「なんだよこんな時に...。」
めんどくさそうに扉を開けるとそこには...
「はぁい!こんにち壁ぺろぺろ!」
「おいやめろ!俺の家の壁があああ!」
地獄絵図が広がっていた...

──家の中に案内された舐流は、舐めるようにしてドアを開けて、部屋の中へ入った。
「どうしてまた俺の家に?」
と幸一が聞く。
「いやぁ、幸一くんの壁を舐めに来たのじゃ。」
「消えろ。」
幸一の胸の部分を指して言う舐流に、幸一はあからさまに嫌悪を抱いたと同時に、身の危険を感じた(溶ける意味で)。

「あれ、この人形何かのう?」
「だぁぁあああ!触んな!」
しまった。片付けておくのを忘れてた!
まずい...ティッシュ好きと佑美ちゃん好きがバレちまう...。
「かわいいのぅ...。ティッシュで作った佑美ちゃん人形。」
「なんでわかるの!?」
はたから見たらただのティッシュ人形にしか見えないのに、舐流は1発で誰なのかを当ててしまった。
「いやだって、佑美ちゃん大好きだからじゃ。」
「...」
嫌なライバルが増えた。佑美の唯一の弱点は、胸が小さい事だ。
その弱点も、こいつ...舐流にとっては利点なのだ。そう、壁のような胸を舐めたいとこいつは思ってるだろう。まあそんなことしたら佑美の体が溶けてしまうが。
「貴様に佑美は渡さん...」
「ちょ、ティッシュがとがって固くなってきてるんじゃが...」
突然殺気立ってきた幸一に驚く舐流。
「喰らえ!ティッシュスラッシュクラッシャー!」
「ぐあああああああ!」
「俺にしてはずいぶんと語呂のいい名前を付けられたもんだ。我ながら惚れるぜ。」
舐流の遺体を庭に埋めながら、ニヤケ顔でそう言った。


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舐流君がついに死にました(多分)
ここまで読んでいただきありがとうございました。次回もよろしくお願いします。
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