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蜜水⑭ BL風味注意
キャスバルは父の執務室に向かい、ノックをして扉を開けようとしたが扉は開かなかった。
鍵をかけられた扉は、単純に人払いの最中を指す。
キャスバルは迷った、自室に戻るか待つか。
一瞬迷ったが待つことにした。
僅かな時間で扉が開き、父の側近であるアレクが出てきた。
いつもと変わらない笑顔で出てきた彼に何か違和感を感じたが、それが何かなど考える事は出来なかった。
キャスバルは執務室へと進んで父の傍へと向かった。
「父上、この蜜水を我が領の特産品にしたいと思います。父上もそう考えていると私は推察しております。」
何の気なしに先程開けた蜜水の瓶を見た。
自分が呪文を唱えた時、あの量だっただろうか?瓶の中身はもう少し多かったはずだ。
ソファの前にあった筈なのに、今は執務机に乗っている。
蜜水の瓶が入った箱は机の中央あたりに置いていたが、今は端に置いてある。
僅かな違い、微かな違和感……開けられてはいなかった窓……
なぜ?なぜも無い、父も試したのだアレクで。
キャスバルは自分の顔が僅かに強張るのを感じた。
ーふぅー
と父がため息を漏らしたのを聞き、思わず父の顔を見た。
「お前の考えてる事は分かる、私も試したかった。どんな物なのかな。」
キャスバルは頭では分かっていた。
自分がレイを抱くように、父もアレクを抱いてきている事を。
だが、心では父は母を愛する男で家族を守り愛してくれている男なのだと思っていた。
「キャスバル、そっちに座れ。」
父に声を掛けられ、呆然とソファに座り込んだ。
父ハインリッヒは対面に座り、慌てる顔でもなく只静かにキャスバルを見つめていた。
「意外か?私が愛する女性はフェリシアただ1人だ、フェリシア以外の女性と人生を共に歩む事は無理だ。だがなアレクは違う。アレクは私が15才の時から、フェリシアと会う前から繋がっていた大切な存在だ。命のやり取りをするような場所でも、絶えず側にいた。手放す事など出来ない存在だ。……フェリシアにあの侍女がいるように、私にはアレクが要る。キャスバル、お前にも分かる時が来るだろう。」
父にアレクがいるように、母には侍女エミリがいる。
母の家は特殊だと聞いた、そこに男が踏み込む事はしてはいけないと。
「キャスバル、私とフェリシアはどこか似た者同士なのだよ。だが恋し求め合った、それは本当の事だ。私はフェリシアを愛し、子供も愛している。フェリシアもそうだろう、だからそんな顔をするな。」
キャスバルの自分の顔が今どんな風になっているのか分からなかった。
ただ目の前にいた父が立ち上がり、ゆっくりと自分に近づいて来る姿をボンヤリと見ていた。
父の男らしい大きな手で優しく自分の頭を撫でられ、訳も分からず見上げて見た父の顔は優しく微笑んでいた。
「キャスバル、私の愛しい息子。必ずお前にも分かる日が来る、恋しい女が愛しい妻になっても離せない者がいる事を。」
鍵をかけられた扉は、単純に人払いの最中を指す。
キャスバルは迷った、自室に戻るか待つか。
一瞬迷ったが待つことにした。
僅かな時間で扉が開き、父の側近であるアレクが出てきた。
いつもと変わらない笑顔で出てきた彼に何か違和感を感じたが、それが何かなど考える事は出来なかった。
キャスバルは執務室へと進んで父の傍へと向かった。
「父上、この蜜水を我が領の特産品にしたいと思います。父上もそう考えていると私は推察しております。」
何の気なしに先程開けた蜜水の瓶を見た。
自分が呪文を唱えた時、あの量だっただろうか?瓶の中身はもう少し多かったはずだ。
ソファの前にあった筈なのに、今は執務机に乗っている。
蜜水の瓶が入った箱は机の中央あたりに置いていたが、今は端に置いてある。
僅かな違い、微かな違和感……開けられてはいなかった窓……
なぜ?なぜも無い、父も試したのだアレクで。
キャスバルは自分の顔が僅かに強張るのを感じた。
ーふぅー
と父がため息を漏らしたのを聞き、思わず父の顔を見た。
「お前の考えてる事は分かる、私も試したかった。どんな物なのかな。」
キャスバルは頭では分かっていた。
自分がレイを抱くように、父もアレクを抱いてきている事を。
だが、心では父は母を愛する男で家族を守り愛してくれている男なのだと思っていた。
「キャスバル、そっちに座れ。」
父に声を掛けられ、呆然とソファに座り込んだ。
父ハインリッヒは対面に座り、慌てる顔でもなく只静かにキャスバルを見つめていた。
「意外か?私が愛する女性はフェリシアただ1人だ、フェリシア以外の女性と人生を共に歩む事は無理だ。だがなアレクは違う。アレクは私が15才の時から、フェリシアと会う前から繋がっていた大切な存在だ。命のやり取りをするような場所でも、絶えず側にいた。手放す事など出来ない存在だ。……フェリシアにあの侍女がいるように、私にはアレクが要る。キャスバル、お前にも分かる時が来るだろう。」
父にアレクがいるように、母には侍女エミリがいる。
母の家は特殊だと聞いた、そこに男が踏み込む事はしてはいけないと。
「キャスバル、私とフェリシアはどこか似た者同士なのだよ。だが恋し求め合った、それは本当の事だ。私はフェリシアを愛し、子供も愛している。フェリシアもそうだろう、だからそんな顔をするな。」
キャスバルの自分の顔が今どんな風になっているのか分からなかった。
ただ目の前にいた父が立ち上がり、ゆっくりと自分に近づいて来る姿をボンヤリと見ていた。
父の男らしい大きな手で優しく自分の頭を撫でられ、訳も分からず見上げて見た父の顔は優しく微笑んでいた。
「キャスバル、私の愛しい息子。必ずお前にも分かる日が来る、恋しい女が愛しい妻になっても離せない者がいる事を。」
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