婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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蜜水⑱ BL風味注意

キャスバルは父の執務室から出て、自室に帰った。
レイと蜜水の事で、この先の事を相談しなければならない。
蜜水の良い上物は父が指揮し、アレコレ安価な物で価格を抑えた物を自分が指揮をする事。
2人は様々な事を話し合い、その計画書を纏めるのに1日半掛かってしまった。
この1日半の中には、2人が蜜水の安価品の中身を試験的に製作した時間も含まれている。
余談だが、父ハインリッヒも上物の製作品にトライしている。
材料の関係もあり、3人で厨房に詰めて製作していた。
無事3人共作れた為、これをどのように広めていくか等父とその側近・キャスバルとその側近の4人でハインリッヒの執務室で細かく計画が練られていく。
その翌日の家族全員揃っての晩餐の時だった、母フェリシアから帝国からの返事が来たことを告げた。

「お父様から返事が来ましたわ。是非とも購入したいと。皇帝陛下が大変喜ばれたとの事で定期的に買い入れて下さるって。良かったわ。」

帝国皇帝が購入するなら、高くても構わないということでハインリッヒもキャスバルも喜ばしいと食が進む。
エリーゼも父と兄が喜んでいる事で、嬉しくなったようで機嫌良く上品に食べている。
フェリシアは更に続けた。

「後、お父様からの打診でキャスバルに帝国貴族のディモス辺境侯爵家令嬢を進められましたわ。キャスバルが望む方が居ないようなら、お受けしたいと思いますわ。どうかしら?」

シルヴァニア家当主からの打診とは言っているが、フェリシアの父は帝国宰相である。
現在同盟国であるが、フェリシアのシュヴァルツヴァルト家への輿入れでその繋がりは強くなった。
だが、帝国貴族からすれば宰相の娘を人質よろしく王国に盗られたと思っている者が未だに居るのも現実だった。
最もそんな事を思っているのは下位貴族の者達が殆どだったのだが、高位貴族は逆だった。
帝国の影に属する令嬢が王国に入り込んだと解釈していた為、更なる繋がりを求める公・侯爵が宰相に申し込んでいたのだ。

「確か……ディモス辺境侯爵ゴル谷を挟んだ帝国貴族じゃ、なかったか?だが、あそこの令嬢は既に嫁いで久しいだろう?」

ハインリッヒの疑問は最もだった。
彼の中では、ディモス辺境侯爵は自分より年上の男性だったからだ。

「えぇ、前ディモス辺境侯爵令嬢なら嫁いで久しいですわ。ですが、先日ご病気で突然亡くなられて子息だったドレイク様が継がれたのですって。そのドレイク様のご令嬢との婚約者にとの事よ。」

フェリシアの説明を受け、納得したハインリッヒだった。
が、その令嬢が幾つなのか?シュヴァルツヴァルト家に嫁いで来るのに相応しいか?等である。

「その令嬢は……その、キャスバルとの婚約に相応しいのだろうか?」

その疑問にフェリシアは軽く頷き、笑顔で答えた。

「問題ありませんわ。かのご令嬢はエリーゼの1つ下ですわ。キャスバル、どうかしら?」

キャスバルは驚いていた。
婚約者の打診はいつかどこかから来るだろうと思っていたが、まさか帝国貴族令嬢で妹より年下だとは……
だが恋慕が募る相手も居ない、王国のご令嬢方に期待できるほどの者も居なかった。
だが、帝国貴族なら?まだ年若く自分好みに育てれるなら?
只の令嬢としてではなく、シュヴァルツヴァルト家当主夫人に相応しい令嬢として自分が導けれるなら良い相手だ。
キャスバルの胸の内は決まった、打算的と言われても構わなかった。
キャスバルは悠然と微笑んだ。

「母上、そのお話是非とも受けたいと思います。父上、宜しいですか?」

「ふむ、悪い話では無い。キャスバルが良いなら受けよう。」

「では、そのようにお話を進めますね。」

父も母も即決だった。
こうして、シュヴァルツヴァルト家の跡取り息子キャスバルの婚約者が決まった。
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