婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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婚姻式の日  ~後宮にて~

今回は特別にちっとも嬉しく無い副音声が入ります。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


暫く王妃付きの侍女達から持て成されていたフェリシアだが、紅茶が冷める頃に軽いノックの音と共に自分の侍女2人の姿が現れた。

「2人ともお疲れさま。」

フェリシアの気さくな挨拶に侍女2人は疲れた顔で一礼した。
フェリシアは思いの外、疲れ切った態の2人に話を聞かなければならない。

「フェリシア様、少々話を聞いて下さいますか?」

「勿論よ。」

フェリシアは快く頷き、自分の前に座るよう手で指し示した。

「離宮の花園(男爵令嬢)の事なんですけど。」

離宮に出向いていた侍女シンシアが切り出す。
立場から言えば、シンシアの方が上であるため妥当といえる。

「花園(男爵令嬢)の事ね。私も気になっていたの。小さい(爵位が低い)ながらも立派(王族の婚約者)に咲いてる(なってる)もの。」

フェリシアはかつてのファミリーでの言い回しで話していく。

「はい。花園(男爵令嬢)の花(価値)は姿(見た目)ばかりで香り等(付加価値等)感じる事が無く、残念至極でございました。」

「まぁ!いくら可愛らしい花(男爵令嬢)でも香り等(付加価値等)が無いと飾る(人前にだす)のも考えてしまうわね。そう思わなくて?」

フェリシアはニコニコと笑顔を振りまきながら、王妃付きの侍女達に聞いてみる。
香りも無い花を飾る事は、王宮ではあり得ない事ゆえ侍女達は口々に肯定していく。

「やはり香り(付加価値)も無いと種(子供)も欲しいとは思わないし、飾る(人前に出す)にも目に付かない所かいっそ飾らない(人前に出さない)事にするか迷うわよねぇ。」

シンシアは主であるフェリシアの事を良く理解している。

「フェリシア様、私でしたら花(男爵令嬢)は飾らず(人前に出さず)におきます。香り(付加価値)が無ければ枯れ朽ちても(病になっても)気が付きません(誰も気にしません)。」

「そうね、花(男爵令嬢)の盛り(若さ)が過ぎたら(無くなれば)枯れ朽ちる前に(病になる前に)引き抜いて(息の根を止めて)しまいましょう。」

「そうですね。」

フェリシアとシンシアは、茶飲み話のような気軽さで会話を続けていた。

「花(男爵令嬢)は早々に手折って(処分して)しまいましょう。種(子供)も要らないでしょう。」

フェリシアは1ヶ月前に決めていた事をシンシアに告げた。
シンシアはゆっくりとまばたきをした。
それは頷くかわりに行われる合図であった。

「フェリシア様、離宮の花を勝手に手折るなど許されませんよ。」

シンシアのまばたきを見ていたエミリは軽くフェリシアを諭すような物言いをし、ソニアを見ればソニアはエミリに分かるようにゆっくりとまばたきをした。
フェリシアをはじめ侍女3人は、男爵令嬢に手を下す為に動き出す。
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