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婚姻式の日 ~王子妃後宮~
キャロライン妃は大きく目を見開き、私を凝視した。
「一の宮に入宮する者達と同じ支度ですって?」
知らされてなかったか……
ふむ、知っておく方が先々の為にも良いか。
「一の宮に入宮する際、必ずシルヴァニア家縁の侍女が特別なお仕度を致します。」
「それは……お母様に伺った事があるわ。とても特別で到底二の宮の者達が受けれないお仕度なのだって………」
おや?何か誤解があるのかしら?
まぁ、良いわ。説明を聞けば誤解も解けるでしょう。
「左様で御座います。一の宮に入宮される方は初夜を迎える前に、必ずシルヴァニア家縁の侍女により湯浴みを行われます。この湯浴みにより血の巡りを良くしておきます。湯浴みの後シルヴァニア家秘蔵の秘薬、孕めずの秘薬を溶かしこんだ上等なワインを飲んで頂きます。このワインは火照った体により飲みやすくするために、良く冷やしておきます。また、より飲みやすくするため蜂蜜等を混ぜ甘くし口当たり良く致します。孕めずの秘薬は一つまみ分飲めば、必ず効きます……一生。ワインボトルには一掴み分溶かす事となっているので、例え一口でも飲み込めば効果覿面で御座います。また、血の巡りが良くなっている事で僅かな時間で孕めない体になります。………そうですね、髪を乾かす程度の時間で十分効果が出ます。更に孕まずの秘薬を溶かしこんだ蜜水を御用意することで、どれ程貞淑な者も大層乱れ悦ぶようになります。」
理解出来たかしら?
「………じゃあ………あの新しい義妹は子供を孕まないの………?」
怯えたようなお顔をなさって………可愛らしい方………
「ホホホ………あの娘は決して孕む事など、出来ませぬ。どれ程胎に子種を注がれても、赤子は出来ませぬ。」
キャロライン妃は力無く、ソファに沈み込み目を閉じた。
「そう………あの義妹は子を孕まないのね………一の宮の者達と同じように………」
「はい。どれ程、あの娘が望んでも子を得る事はありませぬ。」
何杯も孕めずの秘薬を溶かしこんだワインを飲んだのだ、最早あの体は誰の種も受け付けぬ。
「ふ……ふふふ…………ホホホホホ!確かに特別な支度よ。何故、シルヴァニア家を敵に回してはならぬ!と教えられたか良く分かったわ。ねぇ、それはシルヴァニア家が勝手に行っている事なの?」
笑ったかと思ったら、眦を吊り上げて詰問とは中々に性根がすわってらっしゃる。
「いいえ、その昔に当時の皇帝陛下と我が宰相家とが取り決めた事で御座います。その取り決めを陛下は取り下げる事無く続け、皇太子殿下も取り決め通りに為さる事を良しとしただけで御座いましょう。」
「お父様も………」
「無用な争いも、不要な子供も避けただけで御座いましょう。………かつて、つまらぬ権力闘争で幼い子供が大勢亡くなったと……その事を大層嘆いた皇帝陛下が、無用な権力闘争を避ける為に出来た取り決めだと伝えられております。」
本当はもっと悲しく悲惨な歴史だが、詳しく知る必要もあるまい……
「そんな事があったのね……私は愛されて無い訳ではないのね……」
「勿論で御座います。でなければ、シルヴァニア家縁の侍女を付ける事などありません。」
キャロライン妃はコクリと頷くと、そっと微笑んだ。
少しだけ幼い子供のような微笑みに、私も頷き微笑んだ。
「一の宮に入宮する者達と同じ支度ですって?」
知らされてなかったか……
ふむ、知っておく方が先々の為にも良いか。
「一の宮に入宮する際、必ずシルヴァニア家縁の侍女が特別なお仕度を致します。」
「それは……お母様に伺った事があるわ。とても特別で到底二の宮の者達が受けれないお仕度なのだって………」
おや?何か誤解があるのかしら?
まぁ、良いわ。説明を聞けば誤解も解けるでしょう。
「左様で御座います。一の宮に入宮される方は初夜を迎える前に、必ずシルヴァニア家縁の侍女により湯浴みを行われます。この湯浴みにより血の巡りを良くしておきます。湯浴みの後シルヴァニア家秘蔵の秘薬、孕めずの秘薬を溶かしこんだ上等なワインを飲んで頂きます。このワインは火照った体により飲みやすくするために、良く冷やしておきます。また、より飲みやすくするため蜂蜜等を混ぜ甘くし口当たり良く致します。孕めずの秘薬は一つまみ分飲めば、必ず効きます……一生。ワインボトルには一掴み分溶かす事となっているので、例え一口でも飲み込めば効果覿面で御座います。また、血の巡りが良くなっている事で僅かな時間で孕めない体になります。………そうですね、髪を乾かす程度の時間で十分効果が出ます。更に孕まずの秘薬を溶かしこんだ蜜水を御用意することで、どれ程貞淑な者も大層乱れ悦ぶようになります。」
理解出来たかしら?
「………じゃあ………あの新しい義妹は子供を孕まないの………?」
怯えたようなお顔をなさって………可愛らしい方………
「ホホホ………あの娘は決して孕む事など、出来ませぬ。どれ程胎に子種を注がれても、赤子は出来ませぬ。」
キャロライン妃は力無く、ソファに沈み込み目を閉じた。
「そう………あの義妹は子を孕まないのね………一の宮の者達と同じように………」
「はい。どれ程、あの娘が望んでも子を得る事はありませぬ。」
何杯も孕めずの秘薬を溶かしこんだワインを飲んだのだ、最早あの体は誰の種も受け付けぬ。
「ふ……ふふふ…………ホホホホホ!確かに特別な支度よ。何故、シルヴァニア家を敵に回してはならぬ!と教えられたか良く分かったわ。ねぇ、それはシルヴァニア家が勝手に行っている事なの?」
笑ったかと思ったら、眦を吊り上げて詰問とは中々に性根がすわってらっしゃる。
「いいえ、その昔に当時の皇帝陛下と我が宰相家とが取り決めた事で御座います。その取り決めを陛下は取り下げる事無く続け、皇太子殿下も取り決め通りに為さる事を良しとしただけで御座いましょう。」
「お父様も………」
「無用な争いも、不要な子供も避けただけで御座いましょう。………かつて、つまらぬ権力闘争で幼い子供が大勢亡くなったと……その事を大層嘆いた皇帝陛下が、無用な権力闘争を避ける為に出来た取り決めだと伝えられております。」
本当はもっと悲しく悲惨な歴史だが、詳しく知る必要もあるまい……
「そんな事があったのね……私は愛されて無い訳ではないのね……」
「勿論で御座います。でなければ、シルヴァニア家縁の侍女を付ける事などありません。」
キャロライン妃はコクリと頷くと、そっと微笑んだ。
少しだけ幼い子供のような微笑みに、私も頷き微笑んだ。
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