婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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サロンにて 2

「領地への旅は少し掛かるが、その間は必ず数カ所野宿となる。どの街道を使っても、それは変わらない。我が領に近付けば近付く程、魔物の数が増える。我が国きっての、魔物出現率最多領だよ。」

キャスバルったら、本当の事をさらりと言ったわ。

「そんなにですか………」

あら?ルーク殿下は思いの外落ち着いていらっしゃるわ。
お立場から言えば、少し位は動揺するかと思ったのに。

「我が領や寄子の領地は魔物が多い為、村や町の居住区に強めの魔物除けの魔道具が使われ柵や塀がある。その柵や塀の外側にぐるりと畑等の農地が広がっているのだが、その農地を囲むように普通の魔物除けの魔道具が使われ柵や塀で囲っている。金は掛かるが、民が居なくなる方が問題だ。その為村や町の有り様が他の領地と違い距離が随分と開いている。」

「人命優先で守備力強化をさせてるのか……バラけさせてない分、纏まったは良いがその分点在距離が広がったのか……」

あら……すぐさま理解なさったわ。
旦那様もキャスバルやトールまで、ルーク殿下を意外そうに見はじめましたわよ。

「その通りだ。しかも村や町に住む人間は、戦う術が殆ど無い為に領兵や冒険者が常駐していて彼等が外側まで出て魔物を僅かだが狩っている。つまり農地外にうろつく人間は少数で、その殆どが領兵か冒険者だ。それ以外に街道等で出会うであろう者達は、行商人か討伐隊のどちらかだと思ってほしい。」

キャスバルの説明を頷きながら、聞いているルーク殿下は中々に好感度が持てる。

「なる程、旅をしている者達は大抵が腕に自信のある者や魔物を倒せる者が殆どで馬車を使っているのは馬車に魔物除けの魔道具を使用している者達と言う事か………討伐隊はそのまま、魔物を討伐するための隊だから魔物除け無しで集団で、移動しているのか……ん?キャスバル殿、討伐隊はかなりの数が領地内で討伐しているのだろうか?」

本当、見所あるわ。
エリーゼと本当に婚姻してほしい位だわ。
キャスバルの目が真剣味を帯びてきているわ。

「それは私の方から説明しよう。我が領の討伐隊は討伐専門の戦闘集団だ。領主隊が1番から10番まであり、この領主隊は大型を相手に動く所謂精鋭部隊だ。この他に領地隊が1番から30番まである。こちらは主に中型から小型を相手にしている。その他に若年隊が居るが、こちらは20才未満の若者で構成されている。小型のみを対象とし、討伐のイロハを学んで貰うための部隊だ。無論、指導者は領主隊から特に指導力のある者を回している。」

旦那様がきちんと説明したわ。
もぅ、これは決まりのような物ね。

「旦那様、私とてもルーク殿下が気に入りましたわ。仮初めでも殿下にエリーゼの婚約者になって頂きたいわ。」

あら?皆黙り込んでしまいましたわ………
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