148 / 756
真夜中の闖入者。
それは人々が寝静まる頃でした。
白い豪奢な馬車は、時折ギッギッと軋んだ音を出していました。
中では実に際どい恰好の女性が四人、思い切り汗をかきながらスクワットをしていました。
そんな音がしたとしても、家族の馬車は離れており隣は馬たちばかり。
馬車の中の音は遮音魔法で聞こえません。天幕も領主隊の馬車も遮音魔法で静かなものです。
そんな事を知らない若い男は自分の天幕からソロソロと出て来て、白い豪奢な馬車が軋んでいる事にゲスな想像をしていました。
フラフラと近付いても馬車の中からは物音一つしません、聞こえるのは馬車が軋む音だけ。
とうとう若い男は、己のゲスな想像で暴走してしまいました。
若い男は白い豪奢な馬車の扉を乱暴に掴み、開けようとガタガタと揺さぶります。が開くわけもなく、若い男は苛ついてドンドンと叩きました。
「エリーゼ!居るんだろう!あいつにもう、体を開いているのか!エリーゼ!」
叫んだ言葉に馬車の軋みは収まり……ガチンと内鍵が外れる音がしたと思った瞬間でした。
扉は勢い良く開かれ、若い男は馬車の階段の手前に尻もちを着いてしまいました。
「あいつとは、誰の事を指してらっしゃいますの?ジークフリート殿下。」
出てきたのはシュバルツバルト侯爵夫人でした。
上気した頬に紅い唇、コルセットなぞしなくても素晴らしい曲線が分かる恰好に若いジークフリート殿下は思わず見とれました。
馬車から出て来た侯爵夫人はジークフリート殿下の目の前まで来ると、その黒光りする長いブーツの先でジークフリート殿下のジークフリート殿下をキュッと踏みました。軽く痛むが絶妙な力の為、動く事も出来ず不格好なまま侯爵夫人を見上げてました。
「ねぇ、どなたの方の事ですの?」
クイと踏みにじられ、小さく呻きましたがジークフリート殿下のジークフリートはカチカチになってしまって誤魔化す事も出来ませんでした。
「あ……あの……申し訳ない…………その……勘違いで…………」
「ええ、そうでしょうね。私の馬車に向かってエリーゼの名を仰いましたものね。」
「フェリシア様、旦那様を呼ぶようにアレクに伝えました。」
「そう、後の事はハインリッヒに任せましょう。殿下もその方が宜しいでしょう?」
グリグリと踏みにじられ続け、辛抱溜まらん状態に追い込まれたジークフリート殿下はコクコクと無言で頷きました。
慌てて走ってきた侯爵は厳しい目でジークフリート殿下を見つめると、首根っこを掴んで何処かへと引き摺って行きました。
勿論、侯爵夫人は侯爵が首根っこを掴んだ瞬間に踏むのを止めました。
その後ジークフリート殿下がどうなったのかは、殿下と侯爵だけが知ってます。
ですが誰も見てなかった訳ではありません。
見張りの為に起きていた、領主隊の隊員がしっかり見ていました。
翌朝には報告され、ほぼ全員の隊員が知る所となりました。
白い豪奢な馬車は、時折ギッギッと軋んだ音を出していました。
中では実に際どい恰好の女性が四人、思い切り汗をかきながらスクワットをしていました。
そんな音がしたとしても、家族の馬車は離れており隣は馬たちばかり。
馬車の中の音は遮音魔法で聞こえません。天幕も領主隊の馬車も遮音魔法で静かなものです。
そんな事を知らない若い男は自分の天幕からソロソロと出て来て、白い豪奢な馬車が軋んでいる事にゲスな想像をしていました。
フラフラと近付いても馬車の中からは物音一つしません、聞こえるのは馬車が軋む音だけ。
とうとう若い男は、己のゲスな想像で暴走してしまいました。
若い男は白い豪奢な馬車の扉を乱暴に掴み、開けようとガタガタと揺さぶります。が開くわけもなく、若い男は苛ついてドンドンと叩きました。
「エリーゼ!居るんだろう!あいつにもう、体を開いているのか!エリーゼ!」
叫んだ言葉に馬車の軋みは収まり……ガチンと内鍵が外れる音がしたと思った瞬間でした。
扉は勢い良く開かれ、若い男は馬車の階段の手前に尻もちを着いてしまいました。
「あいつとは、誰の事を指してらっしゃいますの?ジークフリート殿下。」
出てきたのはシュバルツバルト侯爵夫人でした。
上気した頬に紅い唇、コルセットなぞしなくても素晴らしい曲線が分かる恰好に若いジークフリート殿下は思わず見とれました。
馬車から出て来た侯爵夫人はジークフリート殿下の目の前まで来ると、その黒光りする長いブーツの先でジークフリート殿下のジークフリート殿下をキュッと踏みました。軽く痛むが絶妙な力の為、動く事も出来ず不格好なまま侯爵夫人を見上げてました。
「ねぇ、どなたの方の事ですの?」
クイと踏みにじられ、小さく呻きましたがジークフリート殿下のジークフリートはカチカチになってしまって誤魔化す事も出来ませんでした。
「あ……あの……申し訳ない…………その……勘違いで…………」
「ええ、そうでしょうね。私の馬車に向かってエリーゼの名を仰いましたものね。」
「フェリシア様、旦那様を呼ぶようにアレクに伝えました。」
「そう、後の事はハインリッヒに任せましょう。殿下もその方が宜しいでしょう?」
グリグリと踏みにじられ続け、辛抱溜まらん状態に追い込まれたジークフリート殿下はコクコクと無言で頷きました。
慌てて走ってきた侯爵は厳しい目でジークフリート殿下を見つめると、首根っこを掴んで何処かへと引き摺って行きました。
勿論、侯爵夫人は侯爵が首根っこを掴んだ瞬間に踏むのを止めました。
その後ジークフリート殿下がどうなったのかは、殿下と侯爵だけが知ってます。
ですが誰も見てなかった訳ではありません。
見張りの為に起きていた、領主隊の隊員がしっかり見ていました。
翌朝には報告され、ほぼ全員の隊員が知る所となりました。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私に姉など居ませんが?
山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」
「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」
「ありがとう」
私は婚約者スティーブと結婚破棄した。
書類にサインをし、慰謝料も請求した。
「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」
「身分が違う」って言ったのはそっちでしょ?今さら泣いても遅いです
ほーみ
恋愛
「お前のような平民と、未来を共にできるわけがない」
その言葉を最後に、彼は私を冷たく突き放した。
──王都の学園で、私は彼と出会った。
彼の名はレオン・ハイゼル。王国の名門貴族家の嫡男であり、次期宰相候補とまで呼ばれる才子。
貧しい出自ながら奨学生として入学した私・リリアは、最初こそ彼に軽んじられていた。けれど成績で彼を追い抜き、共に課題をこなすうちに、いつしか惹かれ合うようになったのだ。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
巻き込まれ召喚のモブの私だけが還れなかった件について
みん
恋愛
【モブ】シリーズ①(本編)
異世界を救うために聖女として、3人の女性が召喚された。しかし、召喚された先に4人の女性が顕れた。そう、私はその召喚に巻き込まれたのだ。巻き込まれなので、特に何かを持っていると言う事は無く…と思っていたが、この世界ではレアな魔法使いらしい。でも、日本に還りたいから秘密にしておく。ただただ、目立ちたくないのでひっそりと過ごす事を心掛けていた。
それなのに、周りはおまけのくせにと悪意を向けてくる。それでも、聖女3人のお姉さん達が私を可愛がって守ってくれるお陰でやり過ごす事ができました。
そして、3年後、聖女の仕事が終わり、皆で日本に還れる事に。いざ、魔法陣展開で日本へ!となったところで…!?
R4.6.5
なろうでの投稿を始めました。