婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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初詣! 妄想!お年玉閑話!

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キラキラと輝く朝日を浴びて、鳥居をくぐる。
隣には好きな男性……ルークが羽織袴で一緒に歩いてる。
自分も絢爛豪華なお振り袖を着付けていた、ご丁寧にミンクの襟巻きで首元を温めている。
不思議と他に人がいない参道を二人っきりで歩く?二人っきりかしら?ふと見た足元には3匹が色違いの羽織袴でトコトコ並んで歩いてました。

「私、こんな風に誰かと初詣に行きたかったの。」

不意に指が絡むように手を繋がれ、びっくりして見上げた顔は蕩けるような笑顔でドキドキと胸が弾んだ。

「俺も大好きな彼女と初詣に行きたかった、一緒の気持ちで嬉しいよ。」

「なかよしにゃ!」

「ご主人、うれしそうにゃ!」

「ご主人がしあわせそうでボクもしあわせにゃ!うれしいにゃあ!」

私達は歩き進め、手水舎について作法通りに清める。
私もルークもニャンコ達も、みんな清めてからドライで乾かして拝殿に向かいお詣りです。
二礼二拍一礼し、感謝し願いを心の中で呟く。

『今年も良き事の多い一年でありますように。』

願い事をした後、顔を上げてルークを見る。
差し出された手を掴んで、一緒に拝殿の階段を降りる。
階段を降りきった所でルークはクスクスと笑いながら手を離す。

「ノエル、おいで。」

そう言うと、ノエルを抱き上げるルーク。
フニフニと私の両手に当たる柔らかい感触、見下ろせばタマとトラジが私の手と繋ぎたそうにポムポムしてきていた。
私も笑いながらタマとトラジと手を繋ぐ。

「屋台が出てるみたいだし、何か買っていこう。」

歩き出すルークの後をついて歩く。

「あれ、なんにゃ?」

「ん?ああ、あれはイカ焼きだな。食べるか?」

「たべたいにゃ!」

「じゃあ、みんなの分も買おうな。すいません、イカ焼き五つ下さい。」

「まいどあり!」

ホカホカと湯気の上がる、赤紫のイカがパックに入れられてから袋に入れられ渡される。
たこ焼き、焼きそば、リンゴ飴に焼きトウモロコシ……どうやって持つんだろう?



「……様……エリーゼ様。」

「え……?」

どうやら、夢だったようです。良い夢だったなぁ……体を起こすこと無く見上げた先には、心配そうな顔のアニスがいました。

「なんか、今うなされてましたよ。持てない……持てない……って。大丈夫ですか?」

持てないって悩んでたのか……そうか……うん、沢山買いまくっていたものね。

「大丈夫よ。心配させたわね、まだ朝まで時間はあるし寝なおしましょう。」

ポンポンと私の隣を叩いて、アニスを呼ぶ。
かつて毎年見た景色、好きな人と過ごすお正月とかリアルにやりたかったわ……
夢の続き見れるかな?見たいな……
……フフッ…………ニャンコ達が子供みたいで可愛かったなぁ……………
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