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逃亡の果て 注意!このお話は少し未来のお話です!
ミリアーヌとマリウスの二人は、マキナ達三人と挨拶する事なく別れティナとノンナと一緒にカオの街を目指す旅に出た。
宿屋に来たばかりの時は痩せっぽっちで顔色の悪い子供でしかなかった二人だったが、長逗留で栄養たっぷりの食事とゆっくりした時間のおかげで僅かだが肉がついてきた。(それでも痩せてはいるが)
宿屋の女将と旦那は、別れる時には大泣きしたがそれでも二人が明るい未来に向かって旅立つのだからと引き止める事無く快く送り出した。
四人の旅は比較的早く、一週間程でカオの街へと着いた。
カオの街は大きな街道を抱えているだけあって、人の行き来が多く様々な店が軒を連ねている。
「大っきな街だね。」
「はい……私達、こんな大きな街でやっていけるんでしょうか?」
「仕事は沢山あるから、生活出来ると思うって言われたんだけどね……とにかく、言われた場所に行かないとね。」
「あの……僕と姉さんはどこに行くんですか?」
「あ~とりあえず、連絡貰った所にだね……」
「どんなのモノなのか見ないと心配だって言われてね……」
二人乗りした馬はカオの街の中をどんどん進んで行く。
やがて辿り着いた場所は、この街の長……街長の屋敷だった。
二人からすれば、広く大きな屋敷だった。
四人が街長の屋敷に入り、やがて二人だけが屋敷から出て行った。
ミリアーヌとマリウスの二人は、街長の屋敷の離れで勉強を教わりながら屋敷の手伝いを行う事に決まったからだった。
街長には領主夫人からの手紙が届けられだ。
カオ街長へ
そう、遠くない内に私の知人が二人の若者を連れて貴殿の屋敷に訪れます。
二人の名前だけを伝えます。
ミリアーヌ
マリウス
庶出の子供ですが、不遇であった故教育やマナーはありません。
二人の身柄の保証は私、フェリシア・フォン・シュバルツバルトが行います。
貴殿の目の届く場所に住まわせ、教育を施し最低限のマナーを教えて頂きたい。
ただし、手厳しい方を付ける事はしないように。
生活等少々お金も掛かるでしょう。
必要経費は私宛に回すよう、お願いします。
フェリシア・フォン・シュバルツバルト
この手紙を読んだ街長は、すぐさま離れを掃除し年はいっているが気の良い女を世話係として雇い入れた。
家具や布類等生活用品をあっという間に買い入れ、世話係に任せると今度は若い料理人を雇い入れた。
そして最後に雇ったのが教育係になる女だが、この女は元は貴族の子供達の教育係をしていた女なのだが寄る年波で子供達の相手は難しいと引退した教育係だった。
こうしてドゥルテ領から逃げて来た二人は、この街長の屋敷の離れでゆっくりと教育とマナーを学び時折屋敷の手伝いを行い日々をゆっくりと過ごしていく。
苦労を知る二人は必死に努力し学び、それぞれが生きる道を模索した結果二人は小さな宿屋をやりたいと街長に告げる。
街長はその希望を聞いて、二人の保証人である領主夫人に連絡すると夫人は領都へ来させるようにと連絡をする。
街長は二人の事を可愛がっていたし、二人も優しい街長を慕っていたが領都に行くように言われ二人は領都へと旅立った。
二人は領都の片隅で小さな宿屋を始める事になるが、それは領都に行ってから実に二年後の事だった。
領都の外れに、料理自慢の宿屋がある。
宿屋は小さいが小綺麗な部屋と美味い料理、優しい宿屋の女将とその弟はこの辺りでも人気の二人となっていた。
やがて姉の女将には優しい旦那さんが、料理上手な弟には可愛らしい妻が……
いつしか小さな宿屋の隣には、食事処ができ繁盛店となった。
いつでも宿屋には多くの客と可愛らしい子供達が、客が途絶える事のない店にも可愛らしい子供達が……
いつしか宿屋は代が替わり、食事処も代が替わった。
老いた二人はある冬の日、夜が明ける頃に眠るように息絶えた。不思議な事に二人は同じ日、同じ時間に亡くなった。
それはあの逃げ出し、マキナ達に会う頃の時刻だった。
二人は多くの人達に見送られた、多くの涙と嗚咽に包まれたが二人を慕う者達は二人の穏やかな顔に良い人生を送ったのだと信じ葬儀を行った。
「どうやら、あの不遇な姉弟が旅立ったようじゃな……」
「はい……」
「小姫よ……あの二人だけでも怨念に囚われる事無く過ごせたかや?」
「はい。」
「大婆様がかけた術は恐ろしいものじゃな、いまだ怨念は晴れる事なくあの者達は死する事すら赦されぬ。」
「お久、二人共年とっても綺麗ねー。あの姉弟は幸せな人生を送れたようね。アリスティアもフェリシアもありがとね。」
「いえ、里長様のお褒め……有難い事です。」
「里長様……あの……」
「めでたしめでたしだったね。さて、私はあの人が待ってるから行くね。」
「はい。」
「………はい。」
ミリアーヌとマリウスは若い内は不遇だったが、その人生は決して不幸では無かった。
多くの子供達、それを上回る孫達。
多くの人達に囲まれた人生は振り返れば、苦労はあったものの幸せだったのだと思う。
多くの者達は二人の過去を知らない。
だが、領主の元にある領民帳にはこう記された。
ミリアーヌ パウル・フォン・ドゥルテ男爵家庶出
70才 病死
マリウス パウル・フォン・ドゥルテ男爵家庶出
65才 病死
宿屋に来たばかりの時は痩せっぽっちで顔色の悪い子供でしかなかった二人だったが、長逗留で栄養たっぷりの食事とゆっくりした時間のおかげで僅かだが肉がついてきた。(それでも痩せてはいるが)
宿屋の女将と旦那は、別れる時には大泣きしたがそれでも二人が明るい未来に向かって旅立つのだからと引き止める事無く快く送り出した。
四人の旅は比較的早く、一週間程でカオの街へと着いた。
カオの街は大きな街道を抱えているだけあって、人の行き来が多く様々な店が軒を連ねている。
「大っきな街だね。」
「はい……私達、こんな大きな街でやっていけるんでしょうか?」
「仕事は沢山あるから、生活出来ると思うって言われたんだけどね……とにかく、言われた場所に行かないとね。」
「あの……僕と姉さんはどこに行くんですか?」
「あ~とりあえず、連絡貰った所にだね……」
「どんなのモノなのか見ないと心配だって言われてね……」
二人乗りした馬はカオの街の中をどんどん進んで行く。
やがて辿り着いた場所は、この街の長……街長の屋敷だった。
二人からすれば、広く大きな屋敷だった。
四人が街長の屋敷に入り、やがて二人だけが屋敷から出て行った。
ミリアーヌとマリウスの二人は、街長の屋敷の離れで勉強を教わりながら屋敷の手伝いを行う事に決まったからだった。
街長には領主夫人からの手紙が届けられだ。
カオ街長へ
そう、遠くない内に私の知人が二人の若者を連れて貴殿の屋敷に訪れます。
二人の名前だけを伝えます。
ミリアーヌ
マリウス
庶出の子供ですが、不遇であった故教育やマナーはありません。
二人の身柄の保証は私、フェリシア・フォン・シュバルツバルトが行います。
貴殿の目の届く場所に住まわせ、教育を施し最低限のマナーを教えて頂きたい。
ただし、手厳しい方を付ける事はしないように。
生活等少々お金も掛かるでしょう。
必要経費は私宛に回すよう、お願いします。
フェリシア・フォン・シュバルツバルト
この手紙を読んだ街長は、すぐさま離れを掃除し年はいっているが気の良い女を世話係として雇い入れた。
家具や布類等生活用品をあっという間に買い入れ、世話係に任せると今度は若い料理人を雇い入れた。
そして最後に雇ったのが教育係になる女だが、この女は元は貴族の子供達の教育係をしていた女なのだが寄る年波で子供達の相手は難しいと引退した教育係だった。
こうしてドゥルテ領から逃げて来た二人は、この街長の屋敷の離れでゆっくりと教育とマナーを学び時折屋敷の手伝いを行い日々をゆっくりと過ごしていく。
苦労を知る二人は必死に努力し学び、それぞれが生きる道を模索した結果二人は小さな宿屋をやりたいと街長に告げる。
街長はその希望を聞いて、二人の保証人である領主夫人に連絡すると夫人は領都へ来させるようにと連絡をする。
街長は二人の事を可愛がっていたし、二人も優しい街長を慕っていたが領都に行くように言われ二人は領都へと旅立った。
二人は領都の片隅で小さな宿屋を始める事になるが、それは領都に行ってから実に二年後の事だった。
領都の外れに、料理自慢の宿屋がある。
宿屋は小さいが小綺麗な部屋と美味い料理、優しい宿屋の女将とその弟はこの辺りでも人気の二人となっていた。
やがて姉の女将には優しい旦那さんが、料理上手な弟には可愛らしい妻が……
いつしか小さな宿屋の隣には、食事処ができ繁盛店となった。
いつでも宿屋には多くの客と可愛らしい子供達が、客が途絶える事のない店にも可愛らしい子供達が……
いつしか宿屋は代が替わり、食事処も代が替わった。
老いた二人はある冬の日、夜が明ける頃に眠るように息絶えた。不思議な事に二人は同じ日、同じ時間に亡くなった。
それはあの逃げ出し、マキナ達に会う頃の時刻だった。
二人は多くの人達に見送られた、多くの涙と嗚咽に包まれたが二人を慕う者達は二人の穏やかな顔に良い人生を送ったのだと信じ葬儀を行った。
「どうやら、あの不遇な姉弟が旅立ったようじゃな……」
「はい……」
「小姫よ……あの二人だけでも怨念に囚われる事無く過ごせたかや?」
「はい。」
「大婆様がかけた術は恐ろしいものじゃな、いまだ怨念は晴れる事なくあの者達は死する事すら赦されぬ。」
「お久、二人共年とっても綺麗ねー。あの姉弟は幸せな人生を送れたようね。アリスティアもフェリシアもありがとね。」
「いえ、里長様のお褒め……有難い事です。」
「里長様……あの……」
「めでたしめでたしだったね。さて、私はあの人が待ってるから行くね。」
「はい。」
「………はい。」
ミリアーヌとマリウスは若い内は不遇だったが、その人生は決して不幸では無かった。
多くの子供達、それを上回る孫達。
多くの人達に囲まれた人生は振り返れば、苦労はあったものの幸せだったのだと思う。
多くの者達は二人の過去を知らない。
だが、領主の元にある領民帳にはこう記された。
ミリアーヌ パウル・フォン・ドゥルテ男爵家庶出
70才 病死
マリウス パウル・フォン・ドゥルテ男爵家庶出
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