婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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お留守番

「タマにゃもトラにゃもヒニャもピカ太郎もいないにゃ……」

ノエルはルークがクワイの手入れをしている姿を、しょんぼりしながら見ていた。いつもエリーゼが近くに居たから、タマもトラジもヒナもピカ太郎も近くに居た。だが、エリーゼはアニスと共に領都で買い物をするために領主館から出かけてしまった。そんなノエルを見て、ルチルもしょんぼりしてしまう。

「ボクがいるピカ……ボクじゃダメピカ?」

ルチルの小さな呟きはノエルの大きな耳にはちゃんと届きました。ノエルはクルンと振り返るとルチルのモフモフの体をムキュッと抱き締めます。金毛の丸っこいモフモフのルチルを白黒の体毛のモフモフのノエルがムキュッと抱き締めてる姿を見守り隊が見逃すような事はありません。

「ゴメンにゃ!おなじご主人だからずっといっしょにゃ!ルチルはだいじななかまにゃ!」

「よかったピカ!ノエルはボクのにいにピカ!ずっといっしょピカ!」

……どうやらルチルは、ピカ太郎よりも優しいノエルを兄と思うようにしたみたいです。ノエルも満更じゃあないようです。
そんな時です。ガッガッとクワイが片脚で地面を強めに蹴って、ノエルとルチルの注意を引きます。

「なんにゃ?」

「ど……どうしたピカ?」

ノエルは特に気にはしてませんが、ルチルは一度叱られたのでクワイの事が少し苦手で少し怖く思ってます。
普段は無口なクワイがノエルとルチルに話し掛けました。

ヒンッヒヒーン!ヒーンヒヒン!ヒンッ!(主の一番は俺だ!だから俺がお前達の兄だ!良いな!)

「わかったにゃ!」

「もちろんピカ!クワイがいちばんのアニキピカ!」

ヒヒーン!ヒンヒヒーン!(アニキか!可愛いヤツめ!)

クワイのたてがみをブラシでツヤが出るように丁寧にブラッシングしていたルークは、クスクスと笑いながら三匹の様子を見ている。

「クワイはアニキにゃ!」

「クワイアニキピカ!」

クワイは嬉しそうに顔をクンッと上に上げて、実に嬉しそうです。尻尾も左右に揺れてます。

「仲良しだな。」

お留守番をしている者達、三匹。
どうやら、クワイとノエルとルチルは仲良くなったようです。
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