251 / 756
青氷の薔薇 8 注意!このお話は過去のお話です!
秋に咲く薔薇は色が美しく見える。そう紅茶を頂きながら思っていた。
王国の紅茶は色が濃く、香りも強いのにあっさりとした味わいだった。紅茶の茶葉は地域で色も香りも変わる、嫌いでは無いわ。
「フェリシア様、こちらの紅茶は飲みやすいですね。色が濃いので、さぞや味も濃いのかと思ったら見た目と違って驚きました。」
エミリも驚いたようだ。王国に来たけれど、これから馬車で王都まで長旅なのかと思うと少し辛いわね。
それにこの街を散策してみたいのだけど、時間は取れるのかしら?
そんな楽しい時間は、妙に甲高い中年男性の声と男らしい若者の声で中断された。部屋の前まで続き、扉が開いた。
余りの騒がしさに扉を注視していた。入って来たのは街長だと言われた男と始めても見る若い男だった。
「おくつろぎの所、失礼する。私はこのシュバルツバルト領領主シュバルツバルト侯爵の息子でハインリッヒと言う。年はあなた方帝国の方と同じ十五になる。学園までの道中、私とシュバルツバルト領の領兵が護衛しながら王都へと向かう。明日一日この街でゆっくり過ごして頂き、明後日王都に向け出発しようと思う。もし、何かあるようなら言って欲しい。」
部屋に入るなり、大声でそう告げたハインリッヒと名乗る男は私と同い年だった。しかもシュバルツバルト侯爵の息子ですって?では、先程の大きな鳥に立ち向かって行った者達と共に行ったと言う?
カタリと立ち上がり、良く顔を見てやろうと近付く。
「ん?ご令嬢がいると聞いていたが、先程は恐ろしい思いをさせたようで申し訳なかった。」
文句をつけようと思った。そんな私の目の前の男は帝国の男とは違う男だった。
帝国の名ばかりの貴族令息や鍛錬の足りない兵士なんて目じゃない。高い身長にスラリと伸びた手足。でも、それよりも目を引くのは青銀の髪と深い青の瞳だった。
声も耳障りが良い……私はいったいどうしたと言うの?
ジッと見つめてくる瞳に早鐘のように鳴り響く自分の胸の音に何故?と思う。
「どうかなされましたか?」
しまった。ああ、でも文句なんて言えないわ。
「私はフェリシア・ド・シルヴァニア公爵家の娘です。この度、王国の学園に交換留学の為に来ました。明日一日こちらで過ごせるのは、とても嬉しいですわ。ハインリッヒ様とお呼びしても?」
ニカッと笑った顔に更に胸が早くなる。
「勿論。シルヴァニア嬢、王都まで宜しく頼む。」
私……どうしたというのかしら……ハインリッヒ様に名前を呼ばれたいと思ってる。
「ハインリッヒ様、私の事はどうか名前で呼んで下さいませ。」
フッと真顔になられたかと思ったら、視線が絡んで……図々しいと思われたかしら?
「ではフェリシア様と呼んでも?」
嬉しくて笑みが溢れる。
「ええ、ハインリッヒ様。これから宜しくお願い致しますわ。」
今まで心が揺れる事無く過ごして来たのに、王国に来て愚かしいと思った男に心が揺れ好意を抱いた。
王国の紅茶は色が濃く、香りも強いのにあっさりとした味わいだった。紅茶の茶葉は地域で色も香りも変わる、嫌いでは無いわ。
「フェリシア様、こちらの紅茶は飲みやすいですね。色が濃いので、さぞや味も濃いのかと思ったら見た目と違って驚きました。」
エミリも驚いたようだ。王国に来たけれど、これから馬車で王都まで長旅なのかと思うと少し辛いわね。
それにこの街を散策してみたいのだけど、時間は取れるのかしら?
そんな楽しい時間は、妙に甲高い中年男性の声と男らしい若者の声で中断された。部屋の前まで続き、扉が開いた。
余りの騒がしさに扉を注視していた。入って来たのは街長だと言われた男と始めても見る若い男だった。
「おくつろぎの所、失礼する。私はこのシュバルツバルト領領主シュバルツバルト侯爵の息子でハインリッヒと言う。年はあなた方帝国の方と同じ十五になる。学園までの道中、私とシュバルツバルト領の領兵が護衛しながら王都へと向かう。明日一日この街でゆっくり過ごして頂き、明後日王都に向け出発しようと思う。もし、何かあるようなら言って欲しい。」
部屋に入るなり、大声でそう告げたハインリッヒと名乗る男は私と同い年だった。しかもシュバルツバルト侯爵の息子ですって?では、先程の大きな鳥に立ち向かって行った者達と共に行ったと言う?
カタリと立ち上がり、良く顔を見てやろうと近付く。
「ん?ご令嬢がいると聞いていたが、先程は恐ろしい思いをさせたようで申し訳なかった。」
文句をつけようと思った。そんな私の目の前の男は帝国の男とは違う男だった。
帝国の名ばかりの貴族令息や鍛錬の足りない兵士なんて目じゃない。高い身長にスラリと伸びた手足。でも、それよりも目を引くのは青銀の髪と深い青の瞳だった。
声も耳障りが良い……私はいったいどうしたと言うの?
ジッと見つめてくる瞳に早鐘のように鳴り響く自分の胸の音に何故?と思う。
「どうかなされましたか?」
しまった。ああ、でも文句なんて言えないわ。
「私はフェリシア・ド・シルヴァニア公爵家の娘です。この度、王国の学園に交換留学の為に来ました。明日一日こちらで過ごせるのは、とても嬉しいですわ。ハインリッヒ様とお呼びしても?」
ニカッと笑った顔に更に胸が早くなる。
「勿論。シルヴァニア嬢、王都まで宜しく頼む。」
私……どうしたというのかしら……ハインリッヒ様に名前を呼ばれたいと思ってる。
「ハインリッヒ様、私の事はどうか名前で呼んで下さいませ。」
フッと真顔になられたかと思ったら、視線が絡んで……図々しいと思われたかしら?
「ではフェリシア様と呼んでも?」
嬉しくて笑みが溢れる。
「ええ、ハインリッヒ様。これから宜しくお願い致しますわ。」
今まで心が揺れる事無く過ごして来たのに、王国に来て愚かしいと思った男に心が揺れ好意を抱いた。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私に姉など居ませんが?
山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」
「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」
「ありがとう」
私は婚約者スティーブと結婚破棄した。
書類にサインをし、慰謝料も請求した。
「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」
「身分が違う」って言ったのはそっちでしょ?今さら泣いても遅いです
ほーみ
恋愛
「お前のような平民と、未来を共にできるわけがない」
その言葉を最後に、彼は私を冷たく突き放した。
──王都の学園で、私は彼と出会った。
彼の名はレオン・ハイゼル。王国の名門貴族家の嫡男であり、次期宰相候補とまで呼ばれる才子。
貧しい出自ながら奨学生として入学した私・リリアは、最初こそ彼に軽んじられていた。けれど成績で彼を追い抜き、共に課題をこなすうちに、いつしか惹かれ合うようになったのだ。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
巻き込まれ召喚のモブの私だけが還れなかった件について
みん
恋愛
【モブ】シリーズ①(本編)
異世界を救うために聖女として、3人の女性が召喚された。しかし、召喚された先に4人の女性が顕れた。そう、私はその召喚に巻き込まれたのだ。巻き込まれなので、特に何かを持っていると言う事は無く…と思っていたが、この世界ではレアな魔法使いらしい。でも、日本に還りたいから秘密にしておく。ただただ、目立ちたくないのでひっそりと過ごす事を心掛けていた。
それなのに、周りはおまけのくせにと悪意を向けてくる。それでも、聖女3人のお姉さん達が私を可愛がって守ってくれるお陰でやり過ごす事ができました。
そして、3年後、聖女の仕事が終わり、皆で日本に還れる事に。いざ、魔法陣展開で日本へ!となったところで…!?
R4.6.5
なろうでの投稿を始めました。