婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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青氷の薔薇・学園編 3 要注意!要注意ですぞ!

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「確かに。ですが我が侯爵家には、そのような不埒な者は来ませぬ。どうぞ、ご安心を。」

生真面目なお返事。でも、そんな貴族……いえ、あのような大きな魔物が出るような地域ならば不埒な者なぞ魔物にくれてやれば良いのだから楽なものか。

「それは素晴らしいですね。早くハインリッヒ様と婚姻して、共に暮らしたいですわ。」

ええ、本当に手間が省けるだけではない。宝の山のような領地、最も領民が減らないように頭を使わねばならないけど。でも私の旦那様になる位だもの、きっと領民を守り私も守って生きて下さるでしょう。
紅茶を飲み干して立ち上がり、部屋から出ようと歩き出した時不意に手を掴まれる。

「お送りしましょう。」

紳士らしく掴んだ手をスルリと下に回してエスコートして下さる。フフッ……剣ダコの大きな手、私のお気に入りなのですよハインリッヒ様。
……?……ドタドタと騒がしい足音。嫌だわ。

バァン!

「ハインリッヒ!ここに居たのか!探したぞ!」

「ジャスティン。俺は用事があるから会えないと言った筈だが。」

チッ!心の中で舌打ちする。フワフワとした金髪の青い瞳の優男。やたらかったらハインリッヒ様に纏わり付いてくるこの国の第二王子。今もハインリッヒ様が言った事も、頭の中から弾き飛ばしたに違いない。

「ごめん、ごめん!でも会いたかったんだよ。」

どこの女よ!男のクセに女みたいな言い訳して邪魔にしに来るなんて、仕留めてやろうかしら。

「フェリシア嬢!済まない!」

あら、嫌だわ。私ったら殺気でも垂れ流したかしら?最もハインリッヒ様が気が付いた殺気に気付かないなんて間抜けも良い所だわ。

「今日の所は帰ります。エミリ、行きましょう。」

「悪いねぇ、でも婚約者でも無いのにこんな所で会ってるなんて帝国令嬢は違うね。」

悪意もなくさらりと告げた言葉に僅かな殺気を乗せて見やる。
特に怯える事もなくヘラヘラと笑うこの国の王子は愚か者か、それとも見た目と違い豪胆な男へと育つのか。まぁ、良い。
笑ってやろうじゃないか。淑女らしく顔の下半分を扇子で隠し笑顔で見つめながら。

「ジャスティン殿下、私何と言われようと構いませんわ。だって私とハインリッヒ様は婚約致しますもの。王国国王陛下に否とは言わせませんわ。」

ホホホ……と笑い扉まで進む。顔だけ振り返って見る。

「では、お先に失礼致しますわ。」

申し訳なさそうなハインリッヒ様とアレックス。気にも止めないジャスティン。全く邪魔な男の。前を向きエミリの先導で部屋を出て、この折檻部屋のある建物から遠ざかる。
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