婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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帝国の慌ただしい一日

その日は帝国で一番の職人を抱えてる工房が忙しくなった日の始まりだった。

帝国一と自負する仕立て屋が。
帝国一と憧れられる宝飾店が。
帝国一と噂される靴屋が。
その他にも手袋屋に馬具屋に家具職人の工房に様々な織物工房も大忙しになったのです。
第五皇子がとうとうどこぞの家に婿入りすると聞き、職人達は驚き喜び仕事へと没頭します。
ただ彼等にはどこに婿入りするとは教えられませんでした。

オーガスタ王国のシュバルツバルト侯爵家だと教えれば、彼等の心が折れてしまうかも知れないからです。

シュバルツバルト領から入って来ている品々に織物や仕立て物もあります。それらは帝国でも超一流の品々で、高嶺の花でもあります。珍しい物の殆どはシュバルツバルト産だと言われてます。つい最近もトロリとした艶のある見たことの無い織物が僅かだけど入って来て、皇后陛下に献上された。
商人達はこぞってシュバルツバルトに行き、様々な品々を買い入れて来る。また、それが飛ぶように売れるのだ面白い程に!どの商会もシュバルツバルト領へと商人を行かせる。恐ろしい大型と呼ばれる魔物が出るとしっていても。
最も、国境の砦できちんと申請すれば商人達を守る兵士が街まで付き添ってくれる。余程の事が無ければ、怪我する事無く帝国に帰って来るのだ。
どの商会の商人達は分かっている。だが、あえて言わずにいる。皇室の面々も言わない。

シュバルツバルト領で仕立てられた物は全て、シュバルツバルト風か王国風の物で帝国風では無いのだ。
だから帝国風の最上級の物を仕立て婚姻式までに仕立て上げ送るのだ。

例えルーク皇子が帝国に帰って来なくとも……
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