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宴会だぁーーーっっっ!
俺の名は秘密だ。
職業は領主隊隊員をしている。
普段は大型の魔物を討伐している。大型討伐は正に血湧き肉躍る仕事だ。ほんの少しの失敗や連携の失敗が己だけでなく仲間の命まで危うくし、時には刈り取られ骸となる。たとえ骸でも家族の元に帰れれば良いが、大抵は大型に喰われて体の一部や酷ければ荷物だけが帰る事になる。そんな日々ばかりと思わないでくれ。給金はすこぶる良く、食事も恵まれている。所帯を持てば、住まいは支給される。言わばご近所さんは仲間の家族ばかりって寸法だ。無論、親を呼び寄せたい者は呼んで良い事になってる。
今回、俺は……違うな。俺達は隊長の妹君である領主様のご令嬢。このシュバルツバルトの姫様の婚姻式の為に王都に行く事になった隊長のお供兼、王都の新米に魔物の狩り方を教える仕事もあって王都に出向いた。
だが、フタを開ければ姫様は一方的な婚約破棄。よくも俺達の姫様をっ!てなもんだ、普通なら。でもよ、俺達は姫様に不幸になって貰いたくねぇんだ。だってよ、姫様はたまーに訓練場にやって来ては俺達に手を振って「ガンバッテー!」って言ってくれたりしたんだよ。まだ小さい頃だったさ。お可愛かったなぁ……姫様。
「あー……今日の酒は美味ぇなぁ……」
姫様をお見かけする事は度々あった。王都での姫様は、あんまり笑わない、正にご令嬢の鏡。高嶺の花。淑女中の淑女。そんな感じだった。お小さい頃のお日様みたいに笑って、お転婆な姫様とは大違いだった。
ところがどうだ!婚約破棄されて、領地に帰る旅の間。姫様は雄々しい武装を身に付け、凛々しいお姿を見せたと思ったら魔物相手に怯む事無く剣を振るい魔法を放ったんだ!俺は心の中で拍手喝采したね!「姫様は変わってねぇ!さすが姫様だ!」ってね!
姫様はそれだけじゃ無い!お日様みたいな笑顔で、うんとビックリするような美味いメシ……料理の数々を振る舞ってくれたんだ!毎日毎日、朝昼晩とだ!
「明日っからは、不味いメシかぁ……」
「おいっ!黄昏てんなぁ!」
「ん?おお……旅の間、恵まれてたから明日っからツラいな……と。」
「そうだな!でもよ、姫様の料理が広まるんじゃないか?これだけの人間が食ってたんだし。貴族連中は料理人を送り込んでくると見るね!俺は!平民連中だって多いんだからさ、店とか出来ると思うぞ!」
……そう言われりゃそうだ。元王都の連中は何かしら仕事をしなきゃ生きていけない。材料は皆見えてたし、道具もあるものが殆どだった。俺達も見てたし、他の連中も見てた。
「そうだな。皆、見てたもんな。」
「おぅ!期待しようぜ!だから、そんな悲嘆すんなよ!」
仲間はそう言って離れて行った。そうだな、二度と食べれない……何て、事は無いな。俺はワインを煽り、皿に取ってきたから揚げを齧る。
「美味ぇ!せっかくなんだ、まだまだ始まったばっかりだ。たらふく食って飲むぞー!」
叫べばあちこちから「おおー!」と聞こえる。仲間達も同じ気持ちなんだろう。今日は無礼講って聞いたんだ!お祝いだもんな!旅の間、誰一人欠ける事無く帰ってこれたんだからな!
職業は領主隊隊員をしている。
普段は大型の魔物を討伐している。大型討伐は正に血湧き肉躍る仕事だ。ほんの少しの失敗や連携の失敗が己だけでなく仲間の命まで危うくし、時には刈り取られ骸となる。たとえ骸でも家族の元に帰れれば良いが、大抵は大型に喰われて体の一部や酷ければ荷物だけが帰る事になる。そんな日々ばかりと思わないでくれ。給金はすこぶる良く、食事も恵まれている。所帯を持てば、住まいは支給される。言わばご近所さんは仲間の家族ばかりって寸法だ。無論、親を呼び寄せたい者は呼んで良い事になってる。
今回、俺は……違うな。俺達は隊長の妹君である領主様のご令嬢。このシュバルツバルトの姫様の婚姻式の為に王都に行く事になった隊長のお供兼、王都の新米に魔物の狩り方を教える仕事もあって王都に出向いた。
だが、フタを開ければ姫様は一方的な婚約破棄。よくも俺達の姫様をっ!てなもんだ、普通なら。でもよ、俺達は姫様に不幸になって貰いたくねぇんだ。だってよ、姫様はたまーに訓練場にやって来ては俺達に手を振って「ガンバッテー!」って言ってくれたりしたんだよ。まだ小さい頃だったさ。お可愛かったなぁ……姫様。
「あー……今日の酒は美味ぇなぁ……」
姫様をお見かけする事は度々あった。王都での姫様は、あんまり笑わない、正にご令嬢の鏡。高嶺の花。淑女中の淑女。そんな感じだった。お小さい頃のお日様みたいに笑って、お転婆な姫様とは大違いだった。
ところがどうだ!婚約破棄されて、領地に帰る旅の間。姫様は雄々しい武装を身に付け、凛々しいお姿を見せたと思ったら魔物相手に怯む事無く剣を振るい魔法を放ったんだ!俺は心の中で拍手喝采したね!「姫様は変わってねぇ!さすが姫様だ!」ってね!
姫様はそれだけじゃ無い!お日様みたいな笑顔で、うんとビックリするような美味いメシ……料理の数々を振る舞ってくれたんだ!毎日毎日、朝昼晩とだ!
「明日っからは、不味いメシかぁ……」
「おいっ!黄昏てんなぁ!」
「ん?おお……旅の間、恵まれてたから明日っからツラいな……と。」
「そうだな!でもよ、姫様の料理が広まるんじゃないか?これだけの人間が食ってたんだし。貴族連中は料理人を送り込んでくると見るね!俺は!平民連中だって多いんだからさ、店とか出来ると思うぞ!」
……そう言われりゃそうだ。元王都の連中は何かしら仕事をしなきゃ生きていけない。材料は皆見えてたし、道具もあるものが殆どだった。俺達も見てたし、他の連中も見てた。
「そうだな。皆、見てたもんな。」
「おぅ!期待しようぜ!だから、そんな悲嘆すんなよ!」
仲間はそう言って離れて行った。そうだな、二度と食べれない……何て、事は無いな。俺はワインを煽り、皿に取ってきたから揚げを齧る。
「美味ぇ!せっかくなんだ、まだまだ始まったばっかりだ。たらふく食って飲むぞー!」
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