婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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俺達は見守り隊!

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俺達はあの可愛い生き物をずっと見守っていきたい!
だが、それは無理な話だ。俺達は大型討伐を専門に行う領主隊の隊員だからだ。領主隊は言わば精鋭部隊だ。領地のあちこちに出没する大型は狩らねばならぬ。
だが……だが、俺達は知ってしまった。あの小さな魔物の可愛さを感じ!
姫様の連れている立ち歩きネコに雷ネズミに丸鳥の黄色。旅の間に知った彼等の努力。陽が登る前、暗いうちに集まり空が白み始める頃解散する彼等の集会。

「はぁ……明日からは集会見られない日々か……」

「それは仕方ないだろう。なぁ、見て見ろよ……ヒナちゃん雪狼と一緒に寝てるぞ。」

俺の呟きを仲間が聞き取り、隣にやって来て周りに分からないように指さす。

「見てるに決まってるだろう。ヒナちゃん可愛いよな。俺の一番のお気に入りはノエルちゃんだけどな。」

「バッカ、オメェ。一番可愛いのはルチルちゃんだろうが。」

「おい、何言ってんだ。」

もう一人仲間がやって来た。

「皆一緒が一番楽しそうで可愛いんだろ。」

全くもってその通りだが、 俺はその中でも一番ノエルちゃんが好きなんだよ。畜生!俺もあんな可愛いのとずっと一緒に居てぇよ!無理だけど!

「はぁ……あの幸せそうな顔。姫様と婿殿だから、連れて歩けるんだよな……」

「そうだな。可愛いのに闘えて、な……」

「しんみりすんな。せっかくの無礼講なんだ、ワイン飲もうぜ!目に焼け付けておこうぜ!な!」

「「おうっ!」」

俺達は遠巻きで姫様の近くを見ながら、ワインをガブガブと飲んだ。
あ~あ!明日っからは思い出だけを頼りに頑張ろう!
大型討伐から帰ってくれば、ここで宴だから姫様と婿殿のテイムした可愛い彼等に会えるしな!きっと!
俺達、見守り隊は永遠に不滅だ!
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