婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

文字の大きさ
329 / 756

宴の後(ルーク)

あ~……フワフワする。
この大きな邸の宛がわれた客室を案内して貰いながら、歩いて行く。
ノエルもルチルも居ない夜は久しぶりだ……

「ルーク様のお部屋はこちらです。」

使用人に案内された部屋は確かに俺が宛がわれた部屋だ。部屋に設置されたソファの上にはルチルの籠が置いてあるからだ。

「居ないと寂しいもんだな……」

「どうかなさいましたか?」

「いや……」

使用人は案内しただけではなく、室内までついてきていた。

「こちらの棚のここの部分は特別に作られた物で、魔道具で御座います。いつでも飲食出来るよう、果実水と軽食を入れておいてあります。何かありましたら、ベルでお呼び下さい。では失礼致します。」

使用人はそう言うと一礼して下がって行った。件の棚の一部を開けてみる。ガラスのポットと鉢に入った果物とスライスされたパン。ヒンヤリとした冷気……冷蔵庫以外の何物でもないな。エリーゼのチートの賜物だ、きっと。
小さなグラスも一緒に入っていたので、グラスを取り出し果実水を注いで一気に飲み干す。

「あー……染みる……」

仄かに香るのは林檎の香り。口の中がサッパリする。グラスをテーブルに置いて、フラつく足取りのまま浴室へと向かう。
脱衣所で武装から何から脱ぎ捨て中へと進む。一通り説明は受けているから迷う事は無い。だが、お湯に浸かる気は無い。洗い場の浅い浴槽に入り魔石に魔力を通すと俺よりも高い位置にある蓮口からお湯が出てくる。適温のシャワーを浴びて汚れや疲れが流れて行くようで気持ち良い……

「…………若いと、すぐに反応するよな……」

気持ち良さとチラッと思い出したエリーゼの顔で半立ちになった部分を見つめてため息をつく。サアサアと落ちてくるお湯に流れて行くか……膝を付いて片手でヘリを掴んで姿勢を固定する。目を閉じて思い出すのは、肌を染めて俺の腕の中体を捩って甘い声を上げた姿……それだけで腹につく程反り返る俺の俺。あの時の甘い声を思い出すだけで、カチカチになる……空いた片手で自分のモノを擦り上げる。

「ハッ……ハッ……ハ……エリーゼッ…………」

勢い良く噴き出したザーメンはドロリと俺の腹に当たり、シャワーの湯でトロトロと流れ落ちて行く。全てを吐き出してからノロノロと立ち上がりシャワーを浴び続ける。
漫画とかだと位が高いとハーレムとか作ってやりたい放題だけど、リアルだと避妊だとか跡目問題で可笑しげな事は出来ないって初めて知ったな。初めての相手は年上の女性の手ほどきで……って結構な年上だったから驚いたし。娼館に行く事も出来なくて、結局自己処理一択で……思いの外厳しくて、やっぱり物語は物語なのか?と思ったな。
シャワーを止めるのも魔石に魔力を通して止める。シャワーを止めて、クリーンとドライの魔法を掛けると浴室はキレイになって俺も浴室も乾いた。便利にも程があるだろう。
脱衣所の戸棚には夜着もガウンもあった。ついでに言うとスリッパも。フンワリしたオーガニックコットンみたいな夜着を着付けてガウンを羽織る。
酔いの回った頭のまま寝室に向かいキングサイズのベッドに潜り込む。

「あー……皇室で使ってるのと同じレベルの寝具かぁ……金あるなぁ……」

俺の独り言は本音だ。少し冷えてる寝室の温度と温かくて肌触りの良い寝具に包まれあっという間に瞼が落ちてくる。
我慢は良くない。寝よう……明日は二日酔いだな…………
感想 3,411

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

いや、あんたらアホでしょ

青太郎
恋愛
約束は3年。 3年経ったら離縁する手筈だったのに… 彼らはそれを忘れてしまったのだろうか。 全7話程の短編です。

「身分が違う」って言ったのはそっちでしょ?今さら泣いても遅いです

ほーみ
恋愛
 「お前のような平民と、未来を共にできるわけがない」  その言葉を最後に、彼は私を冷たく突き放した。  ──王都の学園で、私は彼と出会った。  彼の名はレオン・ハイゼル。王国の名門貴族家の嫡男であり、次期宰相候補とまで呼ばれる才子。  貧しい出自ながら奨学生として入学した私・リリアは、最初こそ彼に軽んじられていた。けれど成績で彼を追い抜き、共に課題をこなすうちに、いつしか惹かれ合うようになったのだ。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

冤罪で退学になったけど、そっちの方が幸せだった

シリアス
恋愛
冤罪で退学になったけど、そっちの方が幸せだった

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

巻き込まれ召喚のモブの私だけが還れなかった件について

みん
恋愛
【モブ】シリーズ①(本編) 異世界を救うために聖女として、3人の女性が召喚された。しかし、召喚された先に4人の女性が顕れた。そう、私はその召喚に巻き込まれたのだ。巻き込まれなので、特に何かを持っていると言う事は無く…と思っていたが、この世界ではレアな魔法使いらしい。でも、日本に還りたいから秘密にしておく。ただただ、目立ちたくないのでひっそりと過ごす事を心掛けていた。 それなのに、周りはおまけのくせにと悪意を向けてくる。それでも、聖女3人のお姉さん達が私を可愛がって守ってくれるお陰でやり過ごす事ができました。 そして、3年後、聖女の仕事が終わり、皆で日本に還れる事に。いざ、魔法陣展開で日本へ!となったところで…!? R4.6.5 なろうでの投稿を始めました。