婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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寝起きドッキリじゃありません(笑)

おはようございます。
私はシュバルツバルト領・領主館勤務の使用人で、マークと言うしがない客室係です。主な仕事は客室をご利用なされてるお客様のお使いをやったり、女性向けではない仕事を担当してます。あっ!女性が行う仕事は、お茶を入れたりベッドメイキングを行ったりですよ。間違ってもお客様に性的なお仕事をするなんて事は我が領ではあり得ませんからね!
おっと、いけない。話が逸れてしまいました。今日の仕事は午後からとなってます、基本。ですが、全く誰も動かないと言う訳にはいかないので交代で詰め所で待機してるんです。私の番がそろそろ終わって交代だ!と思ったらですよ……リンリン♪と……リンリン♪とベルが鳴ったんです。何処かから、使用人わ呼ぶベルの音です。館は広く大きく早めに使用人を動かす為に、何だか良く分からない魔道具が開発されて四六時中館の中の廊下で待機しなくても良くなったんです。待機室と言われる部屋で待機して動く事になったので、楽といえば楽ですが待ってる間に銀食器磨いたり何だり暇じゃないんですよ。

「お待たせ致しました。御用は何でしょう。」

『専属のアニスです。ルーク殿下を起こして、エリーゼ様のお部屋に案内して来て下さい。至急です。』

専属侍女のアニス様だ……ルーク殿下……ああ……エリーゼ様の婿君になられる方だ……

「畏まりました。では大至急向かいます。」

『頼みましたよ。』

プツリと切れた魔道具にホッと息を吐いて、客室を確認する。うん、近い。鏡の前で身嗜みを整え、小さな香り袋を胸ポケットに偲ばせ向かう。

ルーク殿下の客室にノックを三回し、そのまま室内へと入る。居間に居ないので寝室へと入る。…………かなり飲まれたので、あられもない姿かも知れないとは思っていました。既に冬を迎えるという事で、ベッドの敷物は毛足の長い大型の毛を生かした毛織物で温かいのが自慢の一品です。その毛織物の上、素っ裸で上掛けの毛布を蹴っ飛ばして寝っ転がっていました。丸見えです。

「おはようございます。」

声掛けでは起きませんか?今度は、もう少し大きな声でお声を掛けてみましょう。

「おはようございます!」

ピクリともしません。では、大声でゆっくりお声を掛けてみましょう。

「お・は・よ・う・ご・ざ・い・ま・す!」

…………ダメだ。起きやしない。揺さぶるか…………お偉い立場でも、こんなに無防備だとイタズラされますよ。そっと肩を撫でてってビクゥン!として目がかっ開きました。何かあったんでしょうか?

「ハァッ!なっ……なんだっ!」

「おはようございます、ルーク殿下。エリーゼ様が大至急お部屋に来るようにと、言付かっております。」

大慌てですね。正に言葉通りに跳ね起きると浴室に向かいまし……「済まない!エリーゼの部屋が分からない!」振り返り叫ばれました。

「案内するよう、言われております。」

「そうか!大至急支度する。水を一杯用意して待っててくれ!」

叫び声と共にお姿が消えました。ルーク殿下、帝国の皇子様ですよね?騎士殿や下位貴族の若様と何等変わりませんよ?

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