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他愛もなく、詰まらぬ事(フェリシア)
うんざりする程の手紙を確認しながらエミリとエミリの娘アニスのやり取りを聞いていた。
「母さま、エリーゼ様に来た手紙です。エリーゼ様におかれては身に覚えも無いし判断出来ないとの事です。」
「これが、その手紙?どれ、どういっ……た……ってこれは。愚かな……この手紙は私が預かりましょう。」
「ありがとうございます。では、私エリーゼ様をお待たせしておりますので失礼致します。」
軽やかな声を響かせて部屋から退出していった。
静に怒ってるエミリが原因となった手紙を持って私に近寄って来る。その手は手紙を私へと差し出している。
「フェリシア様。王国の愚かな貴族が詰まらぬ文句を付けて来ました。」
ホゥ……とため息を吐き出し、件の手紙を受け取る。安っぽい羊皮紙。書かれていたのは、己の親の領地経営の失敗を棚に上げて我が領の繁栄をやれ不公平だの狡い等と不平不満を書き連ねた物だった。
署名された貴族名は我が領から王都へ向かう山側の大街道の通ってる一男爵領だか子爵領のものだった。要は第三王子の正妃となった娘の出来事で調子に乗って通行料やら何やら巻き上げた事で、帝国商人が来なくなって困ったと言いがかりを付けてきたのだ。娘の名前を使ったのか、それとも娘本人が訳も分からず書いてきたのか?
「このような下らぬ手紙、目にとめる価値も無い。愚かな事よ。この様な手紙は来ておらぬ。」
手の中でピシピシと凍り付いていく。軽く握れば砕け散ったソレをシンシアが手早く片付けてしまう。
「宜しいので?」
「放っておけば良い。我等が手を下さなくても消える。」
「確かに。」
侍女達はクスクスと笑い合う。私も疲れていたのか、釣られて笑ってしまう。
「ああ……下らぬ事で集中力が切れてしまったわ。お茶を入れて頂戴。後、エリーゼから貰った甘味があれば出して頂戴。」
指で眉間を揉んで椅子の背もたれに体を預ける。全く下らない。あの内容ではエリーゼが対応する訳が無い。しかもエリーゼの友人は全て高位貴族家の令嬢ばかり、あのような礼儀知らずは友人所か知り合いでも無かろう。
目の前に置かれたお茶を一口、口に含む。コクリと飲み干し、美しいバラの形をした飴を口の中に放り込む。軽く噛むだけで口の中でカシャカシャと砕けて甘い香りと果物の味が口中に広がる。
「全く。他領の事など構ってられるか。自業自得であろうに。しばらくは帝国と密なやり取りをせねばな……」
侍女一同が頭を下げる。ここが王国であろうと私は帝国シルヴァニアの里の幹部だ。この生き方を変えるつもりは毛頭無い。王国の屑共の事なぞ知るか。
大事なのは家族と仲間、そして私についてくる者達だ。
飲み干したカップを執務机の端へと押しやり、積み上げられた手紙を確認していく。領主夫人の仕事はそれなりにあるのだ。
「母さま、エリーゼ様に来た手紙です。エリーゼ様におかれては身に覚えも無いし判断出来ないとの事です。」
「これが、その手紙?どれ、どういっ……た……ってこれは。愚かな……この手紙は私が預かりましょう。」
「ありがとうございます。では、私エリーゼ様をお待たせしておりますので失礼致します。」
軽やかな声を響かせて部屋から退出していった。
静に怒ってるエミリが原因となった手紙を持って私に近寄って来る。その手は手紙を私へと差し出している。
「フェリシア様。王国の愚かな貴族が詰まらぬ文句を付けて来ました。」
ホゥ……とため息を吐き出し、件の手紙を受け取る。安っぽい羊皮紙。書かれていたのは、己の親の領地経営の失敗を棚に上げて我が領の繁栄をやれ不公平だの狡い等と不平不満を書き連ねた物だった。
署名された貴族名は我が領から王都へ向かう山側の大街道の通ってる一男爵領だか子爵領のものだった。要は第三王子の正妃となった娘の出来事で調子に乗って通行料やら何やら巻き上げた事で、帝国商人が来なくなって困ったと言いがかりを付けてきたのだ。娘の名前を使ったのか、それとも娘本人が訳も分からず書いてきたのか?
「このような下らぬ手紙、目にとめる価値も無い。愚かな事よ。この様な手紙は来ておらぬ。」
手の中でピシピシと凍り付いていく。軽く握れば砕け散ったソレをシンシアが手早く片付けてしまう。
「宜しいので?」
「放っておけば良い。我等が手を下さなくても消える。」
「確かに。」
侍女達はクスクスと笑い合う。私も疲れていたのか、釣られて笑ってしまう。
「ああ……下らぬ事で集中力が切れてしまったわ。お茶を入れて頂戴。後、エリーゼから貰った甘味があれば出して頂戴。」
指で眉間を揉んで椅子の背もたれに体を預ける。全く下らない。あの内容ではエリーゼが対応する訳が無い。しかもエリーゼの友人は全て高位貴族家の令嬢ばかり、あのような礼儀知らずは友人所か知り合いでも無かろう。
目の前に置かれたお茶を一口、口に含む。コクリと飲み干し、美しいバラの形をした飴を口の中に放り込む。軽く噛むだけで口の中でカシャカシャと砕けて甘い香りと果物の味が口中に広がる。
「全く。他領の事など構ってられるか。自業自得であろうに。しばらくは帝国と密なやり取りをせねばな……」
侍女一同が頭を下げる。ここが王国であろうと私は帝国シルヴァニアの里の幹部だ。この生き方を変えるつもりは毛頭無い。王国の屑共の事なぞ知るか。
大事なのは家族と仲間、そして私についてくる者達だ。
飲み干したカップを執務机の端へと押しやり、積み上げられた手紙を確認していく。領主夫人の仕事はそれなりにあるのだ。
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