婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

文字の大きさ
399 / 756

紅蓮 その後 BLあり!要注意!

しおりを挟む
大草原の中、大きな篝火が幾つもたかれてる。
大きな杭が何本も打たれ、その中に馬や馬車、大小幾つもの天幕が張られてる。
その中央に大振りな肉を頬張りワインを回しのみする男達の姿があった。
最早火竜の巨体は解体され、その全ては馬車の荷台に山積みになっていた。乗り切れない僅かな肉を二番隊の隊員達は腹一杯食べた。それでやっと肉はどうにか消化した。竜種の肉は味もだが滋養も良く精が付くと人気の高い食材であるため、特に味の良い部分から氷魔法が良く効く特別製の馬車に詰め込まれている。そんな竜種の肉を食べてワインを飲んで、誰が大人しく寝れるというのだろう。滅多に出くわさない竜種、しかも誰も欠く事無く圧勝と言っても良い状態で狩ったのだ。誰しもが興奮状態のまま肉を食べたのだ。キャスバルとレイの二人は早々に自分達の天幕へと向かう。大きく立派な天幕から漏れ聞こえるレイの嬌声に腹一杯な男達はゴクリと喉を鳴らす。隊員からすれば若く美しいだけじゃない。自分達ですら一瞬は怯む竜種の背に怯む事無く駆け登り攻撃する胆力や副隊長に引けを取らない攻撃力。そんな男が隊長であるキャスバルに責め立てられ嬌声を上げている。どんなあられもない姿で啼いているのか……その声だけで股間に熱が溜まっていくのが分かる。
二番隊は寄子貴族の跡継ぎが多く彼等は側近と共に入隊している。当然の如く彼等は自分の天幕に側近と共にしけ込む。側近のいない者達は数人ずつ纏まり、大きな天幕で休む。そんな彼等の為に娼婦代わりの隊員が何人もいる。普段は一対一で行う行為もこんな時だけは別だ。それぞれの天幕に引っ張り込まれ、ギラつく目で力尽くで隊服を引っ剥がされ何人もの男達に弄ばれその欲望を絶え間なく打ち込まれるのだ。どこか一箇所で始まれば、その叫びにも似た大きな嬌声に触発され次々とあちこちの天幕から同じような嬌声が聞こえてくる。
見回りする者達は堪ったものじゃないが、その彼等も交代すれば男の体を貪るのだ。自分達の欲望でドロドロに熔けて、うんと淫らになった体はどれだけ貪っても飽きる事なく抱けた。
夜も更ければ満足のいった天幕からは物音一つ漏れなくなる。
大きな天幕からだけ漏れる嬌声も、甘くねだるように変わり見回りを勤めていた男達が交代を告げ更なる嬌声を上げさせるのだ。
たっぷりと楽しんだ後、自分達の欲望でグチャクチャになった男の体をキレイに拭き清め隊服を着せて寝かす。朝になれば馬車に運び、共に領都を目指すのだ。自分達は天幕から出て、杭の内側で僅かな水で水浴びして天幕へと戻る。
帰るだけの旅路、馬に揺られて行くだけの旅路だ。
竜種が出たならば、大型は出て来ない。不思議と竜種が出た後は出くわさないのだ。気楽な帰路だが、きっとそれなりに速度は出すだろう。久し振りの竜種たから。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「火竜は若い雄だったな。」

「そうなんですか?」

「ああ。だが、あの真っ赤な翼膜に鱗。きっと美しい赤い……紅蓮の炎のような武装が出来る。」

「楽しみですね。」

「俺とお前で倒した……初めての竜種だ。」

「他の隊員も居たでしょう。」

「分かってる。」

「楽しみだ。」

「はい。」


そして朝となり彼等は領都へと帰る。
しおりを挟む
感想 3,411

あなたにおすすめの小説

完結 王族の醜聞がメシウマ過ぎる件

音爽(ネソウ)
恋愛
王太子は言う。 『お前みたいなつまらない女など要らない、だが優秀さはかってやろう。第二妃として存分に働けよ』 『ごめんなさぁい、貴女は私の代わりに公儀をやってねぇ。だってそれしか取り柄がないんだしぃ』 公務のほとんどを丸投げにする宣言をして、正妃になるはずのアンドレイナ・サンドリーニを蹴落とし正妃の座に就いたベネッタ・ルニッチは高笑いした。王太子は彼女を第二妃として迎えると宣言したのである。 もちろん、そんな事は罷りならないと王は反対したのだが、その言葉を退けて彼女は同意をしてしまう。 屈辱的なことを敢えて受け入れたアンドレイナの真意とは…… *表紙絵自作

見るに堪えない顔の存在しない王女として、家族に疎まれ続けていたのに私の幸せを願ってくれる人のおかげで、私は安心して笑顔になれます

珠宮さくら
恋愛
ローザンネ国の島国で生まれたアンネリース・ランメルス。彼女には、双子の片割れがいた。何もかも与えてもらえている片割れと何も与えられることのないアンネリース。 そんなアンネリースを育ててくれた乳母とその娘のおかげでローザンネ国で生きることができた。そうでなければ、彼女はとっくに死んでいた。 そんな時に別の国の王太子の婚約者として留学することになったのだが、その条件は仮面を付けた者だった。 ローザンネ国で仮面を付けた者は、見るに堪えない顔をしている証だが、他所の国では真逆に捉えられていた。

〖完結〗旦那様には出て行っていただきます。どうか平民の愛人とお幸せに·····

藍川みいな
恋愛
「セリアさん、単刀直入に言いますね。ルーカス様と別れてください。」 ……これは一体、どういう事でしょう? いきなり現れたルーカスの愛人に、別れて欲しいと言われたセリア。 ルーカスはセリアと結婚し、スペクター侯爵家に婿入りしたが、セリアとの結婚前から愛人がいて、その愛人と侯爵家を乗っ取るつもりだと愛人は話した…… 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全6話で完結になります。

【完結短編】ある公爵令嬢の結婚前日

のま
ファンタジー
クラリスはもうすぐ結婚式を控えた公爵令嬢。 ある日から人生が変わっていったことを思い出しながら自宅での最後のお茶会を楽しむ。

~春の国~片足の不自由な王妃様

クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。 春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。 街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。 それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。 しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。 花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??

(完結)私より妹を優先する夫

青空一夏
恋愛
私はキャロル・トゥー。トゥー伯爵との間に3歳の娘がいる。私達は愛し合っていたし、子煩悩の夫とはずっと幸せが続く、そう思っていた。 ところが、夫の妹が離婚して同じく3歳の息子を連れて出戻ってきてから夫は変わってしまった。 ショートショートですが、途中タグの追加や変更がある場合があります。

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました

俺が悪役令嬢になって汚名を返上するまで (旧タイトル・男版 乙女ゲーの悪役令嬢になったよくある話)

南野海風
ファンタジー
気がついたら、俺は乙女ゲーの悪役令嬢になってました。 こいつは悪役令嬢らしく皆に嫌われ、周囲に味方はほぼいません。 完全没落まで一年という短い期間しか残っていません。 この無理ゲーの攻略方法を、誰か教えてください。 ライトオタクを自認する高校生男子・弓原陽が辿る、悪役令嬢としての一年間。 彼は令嬢の身体を得て、この世界で何を考え、何を為すのか……彼の乙女ゲーム攻略が始まる。 ※書籍化に伴いダイジェスト化しております。ご了承ください。(旧タイトル・男版 乙女ゲーの悪役令嬢になったよくある話)

処理中です...