婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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パジャマが来ました(ルーク)

この旅で初めて泊まる宿での食事で、それまでは割と和気藹々としていたのだが嗅ぎ慣れた匂いの食事に全員の顔がぴしりと固まった気がした。案の定塩味のオンパレード!さすがに全員顔に出して不平不満は言わなかったが、笑顔も場を盛り上げる会話も無く黙々と淡々と食事を終えた。エリーゼの「疲れたので先に休みます。」を皮切りに全員立ち上がって、トールの「皆疲れていてね、今回はこれで休む事にするよ。」と宿の人間に言ってそのまま全員で部屋へと向かった。階段を上がり切った所でエリーゼに声を掛けられたんだ。

「頼まれていたパジャマ。それじゃあお休みなさい。」

淡々と言われ、サッと俺にパジャマを手渡すとスタスタと行ってしまおうとしたから焦った。

「ありがとう!お休み。」

「うん。」 

コクリと頷いて宛がわれた部屋へと消えていった。俺達も部屋へと入り皆で湯浴みしてドライで乾かしてパジャマを着る。コットン生地のパジャマ……ウエストはゴムじゃなくてヒモだけど、これでノエルの悪戯が直じゃなくなるのかと思うとそれだけで安心感が違う。エリーゼ本当にありがとう!ベッドに入り込もうとした俺を凝視したノエル!

「どうしたにゃ!ふく、ぬがないのかにゃ?」

「これは寝る時に着る服なんだ。」

「そんにゃ……」

うん。何でそんなに凹んでるんだ?いや、ここは聞いたらダメな気がする。

「ほら、ノエル寝るんだろ。」

「はいにゃ……」

ルチルは既に籠の中でスピスピ寝ていた。ノエルに腕枕をして寝た。久し振りの安眠だった。ノエルのモフモフの毛が当たらないというだけで悪夢から解き放たれた気がする!気持ちの良い目覚め!俺のここ最近の悩みはこれで解消された!武装に着替え、パジャマにクリーンの魔法を掛けてキレイに折り畳んで収納にしまう。この際ジト目のノエルは無視だ。悪いなノエル、俺は安らかな眠りも大事なんだ。

「さ!支度が済んだら朝ご飯食べて出発だ。」

「あさごはんにゃ……」

「ごはんピカ……」

「あっ……ああ、そうだな。」

ちょっとだけ憂鬱な顔で俺達は部屋を後にした。
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