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夜戦(トール&フレイ)
魔石を明るく灯らせ影の濃い夜の森の中。
柔らかい苔生した地面を足早に奥へ奥へと突き進む。
「トール様、見えて来ましたよ。」
「ああ、来たな。」
グッと地面を蹴って、距離を詰める。
重い筈の長剣を抜きながら跳びかかって来るトカゲの様な体の首を横一線に斬る。
切れ味鋭いトールの長剣は小型の首程度なら、その一斬りで斬り落とせる業物だ。
「お見事です。」
「犬鳴きの雑魚程度で褒められてもな。だが長はエリーゼ達に任せた以上、小型は倒せるだけ倒した方が良いだろう。」
「はい。」
「何せ奴等は多い、そしてすぐに増える。」
「はい、一年もたたない内にもとに戻る。」
「その通りだ。っと、お次が群れて来たぞ!」
何匹もの小型の犬鳴きが駆けて来るのが見えた。
「了解です!」
短剣よりも長い剣の付いた槍を振り回し迎え撃つフレイ。
その姿はトールにしてもフレイにしても各個撃破に近い奮闘ぶりだ。
若く経験も積んだ彼等は今からが討伐に対して最もあぶらの乗ってくる頃合いなのだ。
「さすがだ、フレイ。」
「剣さばきはトール様が一番ですよ。私のご主人様ですからね。」
頬を染めて宣うフレイは到底魔物と戦ってる最中だとは思えない程だ。
夜の森の中、離れた場所で煌々と照らされている一カ所以外は松明程の明かりの中其れ其れが犬鳴きを屠っている。
僅かな明かりを受けて煌めく剣の光は夜空に流れる星の様だった。
木々と草と土の匂いの中、血と肉の臭いが混じる。
常に大型討伐へと赴いている身からすれば、小型は可愛らしい物だと心の中で念ってはいても如何せん数が多い。
何匹屠ったのか分からない程、二人の回りに転がり積まれている。
「そろそろ減ってきているな。」
「はい。時間が空いて来てますから、大分呼んだと思います。」
煌々とする明かりの下、遠目からはっきりと見える長。
信じられない程の時間の足止めだった。
立ち歩き猫の優秀さだけではない、テイムしたエリーゼとルークもただ者ではないのだ。自分ならばテイムすら出来ない。
「トール様、もう十分でしょう。エリーゼ様達のもとへ参られてはどうですか?」
「ああ、そうする。」
トールは襲い掛かって来る犬鳴きをフレイに任せて走り出した。
一度振り返り見たのは凄まじい勢いで襲い掛かる犬鳴きを斬り倒し、返り血を浴びて悠然と微笑むフレイだった。
そしてトールは叫ぶ。この夜戦の終わりの為の言葉を。
柔らかい苔生した地面を足早に奥へ奥へと突き進む。
「トール様、見えて来ましたよ。」
「ああ、来たな。」
グッと地面を蹴って、距離を詰める。
重い筈の長剣を抜きながら跳びかかって来るトカゲの様な体の首を横一線に斬る。
切れ味鋭いトールの長剣は小型の首程度なら、その一斬りで斬り落とせる業物だ。
「お見事です。」
「犬鳴きの雑魚程度で褒められてもな。だが長はエリーゼ達に任せた以上、小型は倒せるだけ倒した方が良いだろう。」
「はい。」
「何せ奴等は多い、そしてすぐに増える。」
「はい、一年もたたない内にもとに戻る。」
「その通りだ。っと、お次が群れて来たぞ!」
何匹もの小型の犬鳴きが駆けて来るのが見えた。
「了解です!」
短剣よりも長い剣の付いた槍を振り回し迎え撃つフレイ。
その姿はトールにしてもフレイにしても各個撃破に近い奮闘ぶりだ。
若く経験も積んだ彼等は今からが討伐に対して最もあぶらの乗ってくる頃合いなのだ。
「さすがだ、フレイ。」
「剣さばきはトール様が一番ですよ。私のご主人様ですからね。」
頬を染めて宣うフレイは到底魔物と戦ってる最中だとは思えない程だ。
夜の森の中、離れた場所で煌々と照らされている一カ所以外は松明程の明かりの中其れ其れが犬鳴きを屠っている。
僅かな明かりを受けて煌めく剣の光は夜空に流れる星の様だった。
木々と草と土の匂いの中、血と肉の臭いが混じる。
常に大型討伐へと赴いている身からすれば、小型は可愛らしい物だと心の中で念ってはいても如何せん数が多い。
何匹屠ったのか分からない程、二人の回りに転がり積まれている。
「そろそろ減ってきているな。」
「はい。時間が空いて来てますから、大分呼んだと思います。」
煌々とする明かりの下、遠目からはっきりと見える長。
信じられない程の時間の足止めだった。
立ち歩き猫の優秀さだけではない、テイムしたエリーゼとルークもただ者ではないのだ。自分ならばテイムすら出来ない。
「トール様、もう十分でしょう。エリーゼ様達のもとへ参られてはどうですか?」
「ああ、そうする。」
トールは襲い掛かって来る犬鳴きをフレイに任せて走り出した。
一度振り返り見たのは凄まじい勢いで襲い掛かる犬鳴きを斬り倒し、返り血を浴びて悠然と微笑むフレイだった。
そしてトールは叫ぶ。この夜戦の終わりの為の言葉を。
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