婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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島に残った天蚕達

暖かくて自分達を食べる魔物のいない八丈島に残った天蚕達。
今までは仲間と固まって暮らしてなければ、いつ襲われて食べられてしまうのか分からない日々でした。
でも、ここには自分達を食べる魔物はいません。
自分達よりもうんと長生きしてる変わり者の天蚕は、いつの間にかこの森から引っ越して日当たりの良い所にポツンと生えてる大きな木へと行ってしまいましたよ。
変わり者の天蚕が森かれ出て行き、若い仲間は外へと行ってしまい気が付いたら残った仲間の一匹が見当たらなくなりました。
残った七匹は何となく気の合う仲間と寄り添い合い、森の中だけど少し離れた所へと移って行きました。
ある天蚕は二匹で離れ。別の天蚕も二匹で行ってしまいました。
三匹残った天蚕達は元々臆病でどうしよう?と思ってるうちに取り残されてしまったのです。

バラバラになった天蚕達は新しい寝床を作り始めて、ハタと気が付きました。
一緒の寝床にしよう。
今まではサテュロス達がいたけれど、いなくなってしまった。一人の寝床は気兼ねしなくて良いけれど、何かが足りないし寂しい。
一緒に来た仲間なら、きっと楽しいに違いない。
こうして二匹で出て来た天蚕達は少し大きな寝床を一緒に作り、一緒な過ごす事に決めました。

残った三匹の天蚕達は寂しくなった森で、途方に暮れました。

ギチギチギチギチ……
(皆いっちゃったよぅ寂しいよぅ……)

一匹がそう嘆けば、他の二匹が寄り添って来ます。

ギチギチギチィ!
(側にいるから寂しくない!)

ギチギチギチィ!
(そうだよ寂しくなんかないよ!)

三匹の天蚕達は新たに大きな寝床を作り、ずっと一緒に暮らす事に決めました。


そして夜の出来事です。
月の光の中、それぞれの天蚕達は何かな突き動かされるようにピッタリと寄り添い導かれる様に触手を絡めました。

彼等には初めての事でした。
何故なのか、どうしてなのか。
何も分からずに迎えた初めての事でしたが、どの天蚕も満たされたような気持ちでした。
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