婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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ババア、お出かけの勇気が欲しい!っていう妄想

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「おきるにゃ……」

タマの声とクックッと軽くホッペが押されるあったかい肉球の感触。

「めざましなるにゃ!」

タマもトラジも目覚まし時計のベル音は嫌いなので、鳴る前に起こされる。
寒い朝渋々とムクリと起きる。
タマがギュッと抱き付いてくる。

「おはようにゃ!はやくめざましかいじょするにゃ!」

抱き付いてるタマの頭を撫でながら目覚まし時計の裏面のスイッチをオフにする。
トラジは私が起きるよりも早くに起きて布団から抜け出す。
手近な所に置いてあるカーディガンを羽織って洗面台へと歩く。
部屋からタマの「きょうもおてんきにゃ!」の声が聞こえる。今頃、部屋の空気が変えられシーツと枕カバーが外されてると思う。
トラジはお料理が得意でタマは洗濯が得意。お掃除は二匹仲良くやってくれる。
何とも幸せな暮らしだ。
歯磨き洗顔を済ましてLDKへと向かう。

「おはようにゃ!あさごはんもおべんとうもできてるにゃ!」

「おはよう。いつもありがとね。」

尻尾をピンッと立ててフニャリと笑うトラジ。

「よろこんでもらえるとうれしいにゃ!」

うん、言って貰うと嬉しいよね。他愛ない事に感じるかも知れないけど、私はなるべく言うように心掛けてる。

「毎日美味しいご飯とお弁当、本当に嬉しい。トラジが頑張ってくれてるの凄く嬉しいし幸せ。」

トラジの照れたような顔が可愛くてトラジの頭を撫でる。

「トラジだけにゃ……?」

タマの声に振り返れば、ちょっとションボリしてるタマが立っていた。
おヒゲも尻尾もヘニョンと萎れたように下がってる。

「タマはいっつもお洗濯してくれて、とっても助かってる。それに私を目覚まし時計が鳴る前に起こすのはタマの役目でしょ。タマが起こしてくれないと寂しいなぁ。」

タマが走って抱き付いてくる。タマの頭を撫でながら「私、タマとトラジと暮らせて幸せだよ。」と言ってから……

「朝ご飯冷めちゃうから、一緒に食べよう。」

と声を掛ける。

「そうにゃ!さめちゃうにゃ!」

叫んでパッと離れるトラジ。私はタマをやんわりといつもの席へと座らせてから自分の場所に座る。
朝ご飯はダイニングテーブルで食べるのですが、この椅子に座って食べるニャンコ達の姿は朝の眼福です。

「おまたせにゃ!」

今日はハムエッグにコーンスープ、サラダにバタートーストにコーヒー。
コトコトと置かれる朝食。
タマとトラジはコーヒーじゃなくてホットミルクが置かれてく。
楽しい食事時間はあっという間で、ここからは手早く済ませないといけない。
食後の歯磨きをして部屋に戻り着替えて、お化粧とヘアセットをする。
よし!今日も仕事頑張らないとね!
後片付けをやってる二匹に「行ってきます!」と声を掛けると二匹はニパッと笑う。

「「いってらっしゃいにゃ!きょうもガンバってにゃ!かえりはきをつけてかえってくるにゃ!」」

二匹揃っての返事を聞いて、ニマニマしながら家を出る。
さぁ!今日も仕事頑張ろう!
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