婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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ある日ある場所にて (イワン)

昼間の武術訓練での振るい落としに残り、有力候補者になったが最大の有力候補者のキースとかち合うと思わなかった。
基本、一人の推薦者に一人の候補者だ。
男爵家の三男であれば、幼少の頃から将来を見据えて先を決めるものだ。
領主隊を目指していたが、父上と常に居る側近を見て自分も側近になろうと思った。
母上からは影で男妾などと陰口をたたかれる事もある仕事だと教えられ、また父上の側近からは女性の真似事をする事は当たり前だと教えられた。
それでも誰かに必要とされ、誰かと同じ場所を目指して生きるのを羨ましいと感じた。

「一人で湯浴みをするのも慣れてきたかな?」

掃除がされた部屋……浴室付きの客室は候補者として試験に上がってきた者に与えられた部屋で、休憩なり自習なりするように配慮されている。
汗をかいた体のままで過ごすなんて側近候補に上がった者がする事じゃない。
特に今回は領主様のご家族に連なる方の側近選びだ。
水を張り、湯へと変える。
着ている物は出しておけば推薦者の洗濯係が洗ってくれる。
いつだって身ぎれいにしておくのは大事だろ。
湯で頭から足先まで洗う。
湯に浸かる事も出来るが今は浸からない。
きっとキースの奴も今頃は同じように湯浴みしてるだろう。
ザッと体から水気を取って寝台へと上がる。
夕食まで時間は暫くある。
寝台脇に置かれた小さな台の上には支給品の蜜水の壺が置いてある。
側近であれば必要不可欠な仕事……主様の欲を散らす事。
四つん這いになり蜜水を掬って自らの尻穴に塗る。
取り出し易いようにクッションの下に置いてある小さな箱から張り型を出す、それにも蜜水を塗る。

「んっ……」

ヒンヤリとした蜜水も慣れれば我慢も出来る。
でも冷たい張り型を尻穴に当てるだけで声が出てしまう。

「んぅ……」

尻の力を抜き、張り型をゆっくりと尻穴に沈める。
グッと圧迫感に襲われるが最早嫌悪感は無い。

「ンフ……ん……ぁ……」

自らの手で張り型を動かし尻を振る。
片手で上半身を支えきるよりも頭を落とした方が楽で、顔に当たる敷布に熱が移り自分がどれ程熱くなってるのか分かってしまう。
選ばれればあの大きな領主館の側近に加われる。
そんな幸運はこの先無い。
グリグリと尻穴を広げるように張り型を動かす。

「んぅ……側近になる……んだ……」

負けたくない。
グチグチといやらしい音が響く中、そう願いを口にした。
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