婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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初陣 3 (ルーク)

蜜水は確かエリーゼ発だった筈だ。
桃の葉に効能があるとは驚きだ、女子だからか?やっぱり女子力の在処ってのはバカにならないな。
あの妹だって化粧水がどうのとか、ケールがどうとか何か呪文のように呟いてたな。エリーゼも前世ではやっぱりお肌がどうとか言ってたのか?それとも何か山菜とか野草とかの薬膳的なやつとか食べたらしてたのかな?でなけりゃ蜜水なんて大人のローション的なやつ思いつきもしないよな。
原材料は天然素材で添加物無しって感じだけど、効能が並外れてるよな……アレ。

「ルーク様?」

「ん?ああ、いや。エリーゼが凄すぎて俺が大変そうだなって」

馬上でキースがキョトンとしてる。知らないのか?

「蜜水はエリーゼが幼い頃作ったって話だ。今も美味しい料理や甘味も作り続けてるし、色んな事が大きく変わるのかも知れないぞ」

「本当ですか!でも、あの……蜜水って結構前ですよね?本当ならエリーゼ様って凄い方ですね。それに料理に甘味もですか……はぁ……じゃあ、夜会で食べたあれらもエリーゼ様が考えついたんですね」

「ああ。凄いだろ、だから婿入りするんだよ」

笑いながら本当の事を話す。
実際、俺が誇れるのは生まれのは良さ位で後は大した事じゃない。なのに俺はエリーゼから選ばれて一緒になれる。

「ですがルーク様は帝国の皇子で……」

言いたい事は分かる。だが、それのどこに魅力があるんだ?嫡男なら時期皇太子になれるから魅力はあるかも知れない。だが俺は五男でどこかの貴族家か己で身を立てるかするしかない立場で、俺は冒険者になって己の身を立てるつもりだった。
それがつい思いつきで王宮に出向いてエリーゼと出会って……この世界で初めて食べたラーメンは忘れられない。
泣く程嬉しかった。二度と食べれないと思ってた懐かしい味。あの日あの時、どうにかエリーゼの側にいたいと願った。

「そんなの大した事じゃない。そんな事よりエリーゼの側に居続ける事の方が遥かに大事だよ」

笑った顔、驚いた顔、俺を見つめる熱っぽい顔……色んな表情のエリーゼは俺の心を振り回して気持ちがどんどんエリーゼへと向いてしまう。
唯一見たくないのは泣き顔だけ。
離れたくないと泣かれた時、どれだけ俺もだと言いたかったか。
でも言える訳が無い、そんな事を言ってしまえば俺はエリーゼの側にいる資格を失っただろう。
俺は絶対にエリーゼと一緒に生きていく。その為なら討伐でも何でもやる。
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