婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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幸せは突然に(笑)

「あー……もう空が白み始めたのに、出て来なかったなぁ……」

それは見守り隊の一人の呟きだった。

「残念だよなぁ……いっつも空が白む前に集まってさぁ……」

「ああ……そろそろ皆起き出すんじゃないか?」

「まだ早いって」

「そうだな……」

見守り隊の者達は全員残念で仕方なかった。いつもなら白くて可愛いタマが皆を引き連れて楽しい一時を過ごすのに、離ればなれになってノエルとルチルだけになってしまった事で朝の眼福が無くなってしまったのかと見守り隊隊員は肩をガックリ落としだした……

「ニヤッ!おくれたにゃ!」

「ごめんピカ!ノエルにいに、おどるピカ?」

「ダメにゃ!きょうはおどれないにゃ!でも、ちゃんとフエふくにゃ!ルチルがおどるにゃ!」

見守り隊隊員はその愛らしい声に全員がノエルとルチルを凝視した。
コンロの側、隊員達の視線を受けまくってノエルは笛を吹き出す。
優しいメロディ、何処からともなく現れる淡い緑色の癒しの光。
その優しいメロディに合わせてクルクルと回ったりピコピコ跳ねるルチル。

だが、空は完全に白み明るくなってきた!

あちらこちらから出て来る四番隊隊員達。
そして彼等は知るのだ。
淡く光る緑色の光が癒しの光だと。そして、その光が触れた瞬間疲れが消える事を。

「何だ?あれ……隊長の立ち歩きネコのノエルだろ……」

「ああ……これ、癒しの光?治癒の効果か?凄いな」

「それにしても、あの雷ネズミの踊り可愛いな」

「分かる!」

「可愛いな~」

次々と現れる隊員達はノエルの笛とルチルの踊りを見つめていた。
ノエルは笛を吹き終わって、自分達が注目の的になっていた事に驚き慌てた。

「ビックリにゃ!ルチル、はやくご主人のところにかえるにゃ!」

「ピカ?わかったピカ!」

踊り終えたルチルも沢山の人に見られてて驚き、ノエルと共に走り出した。

「ビックリにゃ!ビックリにゃ!ちゃんとはやおきしないとめだつにゃ!はずかしいにゃ!」

「ごめんピカ!ボクもちゃんとおきるピカ!ノエルにいに、ごめんピカ!」

慌てた二匹はとにかく早く落ち着きたくて大慌てでルークの眠る馬車に戻って来ました。
こっそり帰って来た馬車の中はご主人のルークもオスの番のキースも寝てましたが、ノエルとルチルはドキドキしたまま寝床に帰る事もせずに二人の足元でうろうろしてました。
やがてキースが起きたようで二匹はどうしようか迷っていたら、ご主人のルークが目を覚ましたようでノエルは堪らずルークの足先を叩いてみました。
起きてる筈なのに……ノエルは不安でいっぱいです。だってあんなに沢山の人に見られてドキドキしてるのにご主人がいつもみたいに抱っこして欲しいのに。
もう一回叩いた所でルチルが早く起きて貰いたくてちょっとビリッとさせようとしてノエルは大慌てです。
そんな事はしたらダメだからです。
でもすぐにご主人が起きて、ノエルを抱っこしてくれたのでノエルは思い切りご主人に甘えました。
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