婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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初陣 22 (ルーク)

「では、ルーク隊長明日朝から討伐に向かいますか?」

バートンの言葉に頷く。夜間に戦うのは単に不利というだけでなく敵の認知能力も下がるし、味方の攻撃範囲や動きも認知し辛く宜しくない。
戦うならば明るい時間に限る。
朝から張っておけばすぐさま戦闘に移れる
。それまでは辛抱だが、必要な辛抱だ。

「手軽に摘まめる物を各自持って要所要所で見張っておくのが無難だと思う。隙を見て腹に入れておいた方が力が出るだろう?腹いっぱいだと動けないだろうが、軽い物ならすぐさま動けるだろう?違うか?」

「その通りです。腹が空き過ぎては力が出ない、かといって腹いっぱいでは重くて動けない。片手ですぐに食べれる物なら良いでしょう」

バートンとやり取りして安心する。それはバートンも同じの様でホッとする。
着々と明日の予定が決まっていく。

「では、ルーク隊長。明日の朝は早いですし早々に食事にして早めに休みましょう。明日の為に」

「そうだな。夜更かしも見張り番以外はしない方が良いだろう」

こうして全員が散り散りに動き始め、日が暮れる前に食事の準備が整えられ全員が集まり食事が始まる。
俺はキースとノエル、ルチルと共に用意された食事をとる。今回もノエルは料理担当のお手伝いをしてスープを掻き回していた。その姿に少しだけ癒される。

「ルーク隊長、緊張……してますか?」

バートンが焼いた骨付き肉を持ってやって来た。年上で少しゴツいからか、やけに似合っててワイルドに見える。

「緊張してないと言ったら嘘になるな。明日は絶対に討伐は成功させる。絶対にだ」

ベースキャンプの中央にコンロが作られ、その周りに木製のテーブルとベンチが雑にあちこちに置かれてる。その一つとベンチ二つを占拠して食事をとってる最中だった。
バートンはドカリと俺の座るベンチの端に座り骨付き肉を歯で毟り取って咀嚼していく。

「良い心意気だ。最初は帝国の皇子様って聞いてどんなのか不安だった。でもな……あの一月もの長旅で泣き言も言わずに総大将にも文句言わずに付いて来ててな……こりゃあ姫様は当たりを引いてきたって内心ホッとしたもんだ。それでも俺達の隊長になるって聞いてやっぱり少しは不安だった。大型討伐をするんだ腰が引けちまえば死ぬだけだ。だけど、やる……絶対に討伐する……そういったルーク隊長の目は俺は好きだし、守りたいと思ったね」

バートンは再度肉を毟り取って手には骨だけが残った。

「絶対死なせねぇ。ルーク隊長は俺達4番隊の隊長だ。明日の討伐は安心して背中を任せてくれ」

心強い言葉に俺は笑った。
笑ってワインの入った木のカップを掲げた。
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