婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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帰還 (ルーク)

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最後の野営地での朝、空の荷車まで連れて行かれた。

「ルーク隊長、討伐した大型をこの荷車に乗せて下さい。折角なんで両方乗せて領民を驚かせましょう!」

バートンがニヤリと笑い、ルシウスはクスクスと笑う。
実物があると内部とじゃあ盛り上がり方が違うだろうし、アピールは必要だろう。

「分かった。まずは赤竜を出して、上に鳥を出す。それで良いか?」

「勿論です。積んでいただいたら、すぐに魔法で凍らせておきましょう。冬場とは言え、凍らせておいた方が後々良いですからね」

「大型を二頭討伐とは幸先良いと、姫様の婚約者殿は胆力があると領民が大喜びしますよ」

「そうか……」

バートンもルシウスも内心喜んでるのが丸わかりだ。
荷車に近寄り赤竜を出す。わらわらと隊員達が近寄りロープで見栄え良くなるように形を整えて括り付ける。その上にペッ〇が乗るように出す。やはり隊員達がササッと形を整え、今度はロープで動かない様に荷車にきっちり括り付ける。
その大きさはかなりの物で、見応えは十分だろうと思う。
それにしてもよくぞこれだけの大物を討伐したと我ながら思う。

「では、凍らせます!」

まだ若い後方支援の魔法師数人が呪文を唱え、杖を差し向ける。
爪の先や嘴、隅々から冷気が漂って来る。

「良し!休憩の時と領都に入る前と後二回確認して、氷結魔法を掛ける。ルーク隊長、出発の準備が出来たら出発します。のんびりしてたら待っている総大将が拗ねますからな!」

大きな声で笑うバートンに釣られて小さく笑う。

「さ、朝食を食べに行きましょう」

「ああ」

数人の隊員達を残して足早に用意されてる朝食を食べに行く。
そこには鍋をかき混ぜるノエルと、ノエルの近くで何やら応援してるっぽいルチルがいた。

「この光景も今日で暫く見納めですね」

ルシウスが少しだけ寂しそうに言う。

「ああ、全くだな。随分と助けられましたよノエルちゃんとルチルちゃんには」

……ちゃん付けが普通になってきてるな。

「ご主人~♡スープできてるにゃ♡きょうもおいしくできたにゃ♡」

「おなかすいたピカ、はやくたべたいピカ!」

ノエルは相変わらずだし、ルチルの腹ぺこ振りもいつも通りだ。

「そうか、ありがとなノエル。ルチルも一緒に食べような。ノエルもおいで、後は任せよう」

「わかったにゃ!」

二匹が駆け寄ってくるのを受け止め、笑いながら食事を受け取りにいく。
静かにキースが横に来る。
やっと領都に……エリーゼの元に帰れる。
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