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エリーゼ様のドレス
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その日、使用人棟のある一室ではメイド達が集まっていた。
エリーゼのドレスが大量に放出されたからです。
パステルカラーの可愛らしい物や凝った作りの物も……そしてお針子部隊があちこちにばらけて指示を出す。
このお針子はエルフとは違い普段使いの物や使用人用の物なんかを担当している縫製を得意としてる女性達だ。
「糸の一本も無駄に出来ません!小さい板に巻き取りながら抜いて下さい!」
メイド達も必死です。なぜなら糸も再利用するのだから。
「フリルが崩れないように糸を抜いて下さい!」
フリルはフリルで形作られ縫われてる為、こちらも真剣です。
「レースや造花も丁寧に!」
あっちもこっちも真剣です。
でもエリーゼのドレスはかなりの布量の為、皆内心ウキウキです。
だってエリーゼのドレス一枚で大人用の簡素なドレス二枚以上作れるのだから。
子持ちのメイドは子供の為にも真剣です。
綺麗にバラして皆で分け合っても子供服が何着も作れるのだから。
勿論、お針子部隊が大人用のドレス(私用)も子供服(私用)も作ってるし配布もされてますがエリーゼのドレスには大抵が美しい刺繍や可愛らしい刺繍が施されてるので段違いに上等なのです。
「あ!」
「どうしたの!!」
「いえ!同色の刺繍で上品だったから欲しいなって思ってつい……」
「分かるわぁ!素敵よねぇ!」
「そうそう!エリーゼ様が着なさそうなドレスって何でこんなにたっぷり布使うんでしょうね?」
「お小さい頃にこんな感じのドレスを良く着てたからさ。そりゃあお小さい頃はうんと可愛かったからね!」
「エリーゼ様はお美しいしお優しいし、ずっとお屋敷にいて欲しいです!」
「そうは言ってもいずれ領地のどこかに行かれるんだろうねぇ……」
「そうなったら寂しくなっちまうねぇ……」
皆、想像してシンミリしてしまう。
「そんな分からない事で落ち込まない!さ、ちゃっちゃとバラして分けるわよ!」
「そうだったね!さ、頑張ろう!」
「はいっ!」
あちこちで明るくお喋りしながらドレスはどんどんバラされていく。
バラされたドレスは布の大きさ毎に分けられ、積まれていく。
フリルやレース、造花はそれぞれ箱に入れられ巻き取られた糸も別の箱に入れられる。
手の空いたメイド達が入れ替わり立ち替わりドレスをバラして、それも終わりが近い。
分けられた布はそれぞれの部屋で自由時間に仕立てられたり、何か作られる。
それは女達の楽しみであり幸せである。
エリーゼのドレスが大量に放出されたからです。
パステルカラーの可愛らしい物や凝った作りの物も……そしてお針子部隊があちこちにばらけて指示を出す。
このお針子はエルフとは違い普段使いの物や使用人用の物なんかを担当している縫製を得意としてる女性達だ。
「糸の一本も無駄に出来ません!小さい板に巻き取りながら抜いて下さい!」
メイド達も必死です。なぜなら糸も再利用するのだから。
「フリルが崩れないように糸を抜いて下さい!」
フリルはフリルで形作られ縫われてる為、こちらも真剣です。
「レースや造花も丁寧に!」
あっちもこっちも真剣です。
でもエリーゼのドレスはかなりの布量の為、皆内心ウキウキです。
だってエリーゼのドレス一枚で大人用の簡素なドレス二枚以上作れるのだから。
子持ちのメイドは子供の為にも真剣です。
綺麗にバラして皆で分け合っても子供服が何着も作れるのだから。
勿論、お針子部隊が大人用のドレス(私用)も子供服(私用)も作ってるし配布もされてますがエリーゼのドレスには大抵が美しい刺繍や可愛らしい刺繍が施されてるので段違いに上等なのです。
「あ!」
「どうしたの!!」
「いえ!同色の刺繍で上品だったから欲しいなって思ってつい……」
「分かるわぁ!素敵よねぇ!」
「そうそう!エリーゼ様が着なさそうなドレスって何でこんなにたっぷり布使うんでしょうね?」
「お小さい頃にこんな感じのドレスを良く着てたからさ。そりゃあお小さい頃はうんと可愛かったからね!」
「エリーゼ様はお美しいしお優しいし、ずっとお屋敷にいて欲しいです!」
「そうは言ってもいずれ領地のどこかに行かれるんだろうねぇ……」
「そうなったら寂しくなっちまうねぇ……」
皆、想像してシンミリしてしまう。
「そんな分からない事で落ち込まない!さ、ちゃっちゃとバラして分けるわよ!」
「そうだったね!さ、頑張ろう!」
「はいっ!」
あちこちで明るくお喋りしながらドレスはどんどんバラされていく。
バラされたドレスは布の大きさ毎に分けられ、積まれていく。
フリルやレース、造花はそれぞれ箱に入れられ巻き取られた糸も別の箱に入れられる。
手の空いたメイド達が入れ替わり立ち替わりドレスをバラして、それも終わりが近い。
分けられた布はそれぞれの部屋で自由時間に仕立てられたり、何か作られる。
それは女達の楽しみであり幸せである。
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