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婚約者 4 (キャスバル)
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出迎えた令嬢はエリーゼより一つ年下と聞いていたが、想像よりも落ち着いた理知的な令嬢だった。
受け答えもしっかりしているし、婚姻しても波風立てずにやっていけそうだと感じたが……レイを見た時の目がどうも気になる。あれは何かを企んでる者の目だ。
だがこの先の事を考えたら隠しておくことも出来ない。
「レイ。こちらは私の側近で常に側に置いているレイ・フォン・ディバン」
ゴル谷の日が翳っているせいで本当なら金茶の髪が明るい茶色に見えて少し地味に見えてしまっているが、一歩前に出て来て一礼したレイの顔は微笑んでいた。
「キャスバル様の側近をしております、レイ・フォン・ディバンでございます。お心を煩わせる事もあるかも知れませんが何卒寛大なるお心をもってお許し頂けると幸いでございます」
ラーラルーナ嬢も微笑み、軽いカーテシーをした。何も知らされてないのか?
「知っておりますわ。側近とはどう言う事なのか、承知の上で私はここに来ております。心が煩わせるなんて事ありませんわ、私こそよろしくお願いね」
……!?は?分かっていて微笑んでいる?王国内でも他領の者すら嫌な顔をするのが殆どだと言うのにか?帝国だとて同じかと思ったが違うのか?
「不思議そうなお顔ですのね。私、偏見は持ちたくありませんの。ですから気になさらないで頂きたいの……だって婚姻したら一緒にずっと過ごすのでしょう?」
さすが母上が薦めるだけの令嬢だ。俺の想像よりも遥に良い婚約者だ。
「そうですか、その様に言って頂けると有難い。実は今から昼食を取る所だったのです、もしお嫌でなければ一緒にどうでしょうか?町の食事が良ければそちらでも良いのですが?」
そろそろ肉を焼いたりしようかという頃合いだった。俺的には町中の味気ない料理よりも野営食の方が美味くて町には材料の買い付けしか行ってない。
「まあ!私、とても興味がありますわ!キャスバル様がどういった物を好まれるのか、是非とも教えて下さりませ!」
ほう?興味がある……か。
「では、是非とも!従者の方達は無理せず町中で食事をしても良いのでは?」
今日位、従者を無理に付き合わせなくても良いだろう。帝国風の食事を提供している店もあるんだ、この先シュバルツバルトの料理ばかりになるんだからな。
見やれば顔を見合わせ一礼すると町中へと歩いて行った。
「申し訳ありませんわ、でもありがとうございます。この先帝国の料理は中々味わう事も出来なくなるでしょう?キャスバル様のお気遣い、とても嬉しく思いますわ」
優しげな外見に見合った言葉に思わず笑みを向ける。
「いや、さ……あちらです」
煮炊きをする為に組まれた簡易竃の所までエスコートする。
一見地味そうなドレスだが、動きやすく汚れにくそうな物を纏ってくるなど本当にしっかりしている。
年は離れてるが上手くやっていけそうで俺は嬉しくなった。
受け答えもしっかりしているし、婚姻しても波風立てずにやっていけそうだと感じたが……レイを見た時の目がどうも気になる。あれは何かを企んでる者の目だ。
だがこの先の事を考えたら隠しておくことも出来ない。
「レイ。こちらは私の側近で常に側に置いているレイ・フォン・ディバン」
ゴル谷の日が翳っているせいで本当なら金茶の髪が明るい茶色に見えて少し地味に見えてしまっているが、一歩前に出て来て一礼したレイの顔は微笑んでいた。
「キャスバル様の側近をしております、レイ・フォン・ディバンでございます。お心を煩わせる事もあるかも知れませんが何卒寛大なるお心をもってお許し頂けると幸いでございます」
ラーラルーナ嬢も微笑み、軽いカーテシーをした。何も知らされてないのか?
「知っておりますわ。側近とはどう言う事なのか、承知の上で私はここに来ております。心が煩わせるなんて事ありませんわ、私こそよろしくお願いね」
……!?は?分かっていて微笑んでいる?王国内でも他領の者すら嫌な顔をするのが殆どだと言うのにか?帝国だとて同じかと思ったが違うのか?
「不思議そうなお顔ですのね。私、偏見は持ちたくありませんの。ですから気になさらないで頂きたいの……だって婚姻したら一緒にずっと過ごすのでしょう?」
さすが母上が薦めるだけの令嬢だ。俺の想像よりも遥に良い婚約者だ。
「そうですか、その様に言って頂けると有難い。実は今から昼食を取る所だったのです、もしお嫌でなければ一緒にどうでしょうか?町の食事が良ければそちらでも良いのですが?」
そろそろ肉を焼いたりしようかという頃合いだった。俺的には町中の味気ない料理よりも野営食の方が美味くて町には材料の買い付けしか行ってない。
「まあ!私、とても興味がありますわ!キャスバル様がどういった物を好まれるのか、是非とも教えて下さりませ!」
ほう?興味がある……か。
「では、是非とも!従者の方達は無理せず町中で食事をしても良いのでは?」
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「いや、さ……あちらです」
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