婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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初めての晩餐? (ラーラルーナ)

「……様!ラーラルーナ様!」

「ハッ!」

周りをキョロキョロと見回して内心でどこだっけ?何て思ってから、イケメンスパダリの実家だった!と思い出す。
ソファがフカフカで座り心地が凄く良くて、疲れもあってウッカリ寝落ちしちゃったわ。
足元に敷かれたラグマットも毛足が長くてフカフカ!置かれてるクッションも綺麗な刺繍が施されてて、お高そう。
何もかもが高級品とか一流品で固められてる部屋で、同じ侯爵でもこんなに違うとカルチャーショック受けまくりです。

「ラーラルーナ様!聞いてるんですか?」

しまった!侍女の話し聞いてなかった。

「何だったかしら?」

「晩餐のドレスはどれになさいますか?その皺くちゃなドレスで出る事は恥ずかしすぎますから!」

あーあ、ヒスっちゃって。そんな事位分かってますよ。
大体このドレス、旅装ドレスだから失礼にも程があるわよ。
貴族令嬢が旅装ドレスで晩餐とかあり得ないわよ。

「荷解きは済んでるんでしょ。上等なドレスを持ってきて頂戴、あ!婚姻式に出席する用のはダメよ!」

「畏まりました」

有能だけど、このぶっきらぼうな態度。時々だけどイケメンスパダリがたまーにチラチラチェックしてたのよね。
……ひょっとして、それが今回の新しい侍女を付けるって事になったのかしら?
確かにこんなに広いお城みたいなお屋敷じゃ、こっちの事分かってる侍女がいないと困っちゃうもんね~。
正直、どこをどう歩いて来たのかもう分からないのよね。
うちの侍女はどこか浮かれてるから道順なんて覚えてなさそうだしね。

「こちらとこちらが今回お持ちした中では上等なドレスとなります」

……エントランスホールで見たドレスの質を思い出して泣きたくなる。あの艶とかテリはシルクに相当する最高級品で、この世界で初めて目にした布地。そこに刺繍されてたり、小さな宝石が縫い付けられたりしてたオートクチュールのドレス。
幾ら家族が婚約者を連れて帰ってくるとしても、そんなに気合い入れて飾り立てるものかしら?むしろ普段着よりちょっと上等な装いにしようかしら?って感じだと思うのよね。

「はぁ……こちらを」

とりあえずドレスを選んでおけば、それに合わせたアクセサリーを取り出す筈だしね。
レベル違いはどうしようもないから我慢するしかない。
あーあ……前世と違って気楽にお買い物は行けないし、行くって言えば大勢の護衛引き連れてさ……お金はあるけど、お楽しみは少ないって言うね。
ヤレヤレですよ。
せめてもの足掻きで少しでも上品に見える臙脂色のドレス……一応薄手の布だから重たくは見えないけど。これで自分を誤魔化して晩餐に出席です。
あの上品で美しいドレスは結婚してからね……そう思いながら呼びに来た執事に案内された食堂にはやっぱり煌びやかな……煌びやかだけど、さっきと違うドレス姿で……って素材落としてるけど、縫製とかアクセサリーとか凄いんですけど!
食堂も!食堂……?え?気のせいかしら?ルーク様の後ろ側にペット?何?アイ〇ー?ピカチュ〇?スライ〇?チョコ〇?ロコ〇?え?どゆこと?
意識遠のきそうよ……
もう、生活の全体的なレベルは違うし!可愛いペット的なのいるし!どうなってるのよ!

「王国は立派なドレスを皆様着てらっしゃるんですね……」

とりあえず口に出来る言葉を呟いてみる。だってショックなんだもん!
そして知る予想外の事実!王国のドレスの最先端がシュバルツバルト領だと言う真実!
でも、それよりも何よりも今日一のショックは出て来た食事でした!
何なのから揚げにフライドポテトって!
イケメンスパダリが丼ご飯!しかも大盛!にから揚げ載せて、マヨネーズかけてモリモリ食べるって何なの!イケメンスパダリ本気なの!その盛りはフードファイター並みじゃないの!
間に浅漬けの大根とかポリポリ食べてる姿はカッコいいと言うより可愛くて好感度上がりましたけど……
でも、悪役令嬢な筈のエリーゼが優しくて可愛くて……これで料理チートとかしてたらさすがのイケメンスパダリもシスコンになっちゃうか……声も妹ちゃんだしね。
それにしても食べるラー油もあるのが嬉しい!私、食べるラー油大好きなのよね!
カラッと揚がってるから揚げに食べるラー油を乗っけて食べる!辛旨サイコー!
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