婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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あけましておめでとにゃ! (タマ、トラジ)

「あけましておめでとにゃー!」

白い立ち歩きネコのタマがペコリと頭を下げる。

「あけましておめでとうにゃっ!よろしくにゃっ!」

キジトラの立ち歩きネコもペコリと頭を下げる。

「二匹共、今年は日の出前に起きたからちょっとマンションの屋上に行こうか。大家さんが大晦日の夜から屋上に出る扉開けてくれてるからね、初日の出見に行こう。あったかい格好してね」

「わかったにゃ!」

「マフラーとてぶくろするにゃ!」

「お出かけコートもちゃんと着て靴も履くのよ」

「「わかったにゃっ!」」

二匹と一人は寒くならない様に防寒着をちゃんと着込んで、まだ暗い空をチラチラ見ながら屋上へと向かう。
同じマンションに住む人達もゾロゾロと出て来て屋上への扉は中々の人出になっていた。

「気を付けてね」

「「もちろんにゃ!」」

並んで待っている間にどんどん住人達は屋上へと出て行き、やがて一緒に屋上へと出る。
冷たい風が時折吹くけれど、それでも白み始めた空の色は美しく二匹と一人は人の少なそうな場所へ行く。

「こっちのほうがすいてるにゃ!すいてるところのほうがゆっくりみれるにゃ!」

甘える様な声に目をやれば長毛種……ノルウェージャンフォレストキャットみたいな綺麗なネコが縦抱っこされながら、こちらを指差しながら飼い主らしき男性に言っていた。

「なかまにゃ!」

「ホントにゃ……」

考え込む様に長毛種のネコを見るタマとトラジは小さな声でウニャウニャと相談している。
そっと様子を伺うと、向こうも私達を見て歩みが遅くなる。

「もし良ければ一緒に見ませんか?」

「ありがとうございます。貴女もネコを飼ってらっしゃるんですね」

清潔感のある男性はニコニコと笑顔で近寄って来る。

「おんなだからって主にいろめつかうとかゆるせないにゃ!あくじょはゆるさないにゃ!」

とんでもない因縁つけられました(笑)ネコのヤキモチとか可愛いんですけど、お顔が良いから怒った美人感がハンパないです(笑)

「にゃんだって!主はあくじょなんかじゃないにゃ!」

「そうにゃ!主はやさしくてすてきな主にゃ!」

タマとトラジがフンスと鼻息荒く私をフォローしてくれます。
なんて可愛いネコ達なのか!うん、もう愛してる!

「ノエル、そんな事言うんじゃありません。良い人そうじゃないか、それにここは良い場所だよ」

ネコを撫でながら隣にやって来た男性は軽く頭を下げて明るくなってきた方角に体を向ける。

「そうですね、日の出も良く見えそうですよね」

私もその方角へと体を向ける。
私の両脇に陣取ったタマとトラジが私の手をキュッと握る。
小さな小さな手(本当は前足なんだけどwww)の温もりが心も温めてくれる様でほっこりする。

「どんどんあかるくなってきたにゃ!」

「まぶしいひかりがでてきたにゃ!」

背伸びして初日の出を見やる二匹がとてつもなく可愛い。

「明けましておめでとうございます。良い年になると良いですね」

知らない男性とはいえ無視は良くない。私も笑顔を浮かべ、男性へと顔を向ける。

「明けましておめでとうございます。そちらも良い年になりますように。……同じネコ飼いですし、良い事は沢山あった方が良いですよね!」

「ええ、本当に。さ、ノエル。初日の出見たし部屋に帰ろうか」

「かえるにゃ!はやくかえってあったかいへやであったかいごはんたべるにゃ!」

……会話しまくってるわね。そういうタイプのネコなのね。

「ではお先に失礼します」

「ええ……」

一人と一匹を見送ってグングン登って来る太陽の眩しさに目を眇める。

「もう少し他の人が減ったら部屋に帰ろっか。お腹も空いてきたしね」

「!おなかすいてきたにゃ!おしょうがつはおぞうににおせちにゃ!」

「そうにゃ!主といっしょにがんばっていろいろつくったにゃ!」

まばらになった人達を見てのんびりと歩いて屋上から階段へと出て部屋を目指す。
部屋に戻ったらだらけたお正月に突入(笑)私もネコ達ものんびりお正月を過ごす予定。

明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!
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