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ますらおのマーラ様
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3月15日。ビャクヤ日記。
昨日は例の騒動でマギ学園長の呼び出しやら、何やらで忙しくて日記が書けなかった。
学園長に事情を訊かれた主殿はエリーの話は一切しなかった。どういうつもりだろうか? 今後も何かしらの嫌がらせをしてくるであろうエリーに、何かしらの対抗策があると思いたい。こうなったら主殿の身辺警護に集中するしかない。主殿は嫌がるだろうが・・・。
そういえば今日一日様子を見て感じたのは、グリ・ズリーの件で我が主に対する物理的な嫌がらせが、ピタリと止んだ事だ。
生徒に手出しの出来る、制約に縛られていない悪魔(キリマルの事)が、主殿を守っているという噂が広まったからだろう。
グリは学園の番長のような存在であり、戦闘に関しては騎士団でも即戦力レベルになると噂されている。そのグリをキリマルが倒してしまった。魔法も使えない邪悪なるヒョロヒョロの殺人鬼が、大男の股間を器用にスライスしてしまったところを見た生徒も多い。噂が広まって当然だろう。
それから昨日は吾輩の人生で最大の汚点を残してしまった。そう・・・。うっかりと暴走してしまい、グリを殺してしまったのだ・・・。これまでも度々怒りが爆発して、暴走した事はあったが、今回のはいつもと違った。
あの時は怒りで心が爆発することはなく、逆に冷たく暗く静かになり、グリが死んでも構わないとすら思った。まぁ実際、殺してしまったわけだが。
このことに関しては吾輩自身も驚いている。もしかしたらキリマルの心を読み過ぎたせいで、感化されてしまったのだろうか?
キリマルがいなければ今頃、吾輩と主殿は牢屋の中だ。
かの悪魔には、二度も救われている。一度目は医務室で魔法に抵抗しつつも、主殿とゴニョゴニョな事になって全く身動き取れなかった時だ。
二度目は昨日のグリの件。とはいえ、大物貴族と敵対してしまった原因は彼にある。なので帳消しだ。
それにしても彼の性格をなんとかできないだろうか? 普通の性格になってくれればいいのに。彼の実力であれば、上位の傭兵や騎士も夢じゃない。
いや、でもそうしたら蘇生の力は消えてしまう。キリマルは残忍だからこそ、あの神のような力は発揮されるのだ。
しかも、あの魔刀天邪鬼の呪いに抗える人物がそうそういるとは思えない。あれの呪いは、地面に刺せば綺麗で清らかだった森が醜く汚く変化してしまう。そんな強力な呪いを受けても、涼しい顔をしている者が他にいるだろうか? 恐らくいない・・・。
キリマルがあのインテリジェンスウェポンから聞いた話によると、魔刀天邪鬼には強力な気狂いの呪いが施されているらしい。
となると、彼にはこれまで通り邪悪でいてもらわなければならないわけか・・・。
でも手が付けられなくなったらどうする?
その時は城の地下入り口にあるプールに浸かってもらうしかないな・・・。アライメントを逆転させるあのプールに・・・。
「ビャクヤ・・・。起きてる?」
丁度日記を書き終えたところで、主殿の声とドアをノックする音が聞こえてきた。こんな時間に吾輩の部屋を訪ねてくるなんて・・・。いや、変な期待はしないでおくのが賢明ッ!
「勿論起きております、我が主。例え寝ていたとしても、主殿の声が聞こえればすぐに飛び起きまするッ!」
吾輩はすぐに部屋のドアを開けて主殿を招き入れる。
吾輩の横を通り過ぎて部屋に入る主殿の髪から、すっきりとした良い匂いがした。
この国では、泡立ち椿の椿油に様々な香料が入れて売られている。主殿はその中でも何故かマイナーなローズマリーの香りを好む。
「で、何用ですかッ! 主殿!」
「ビャクヤって、いつでもパンツ一枚なんだね・・・」
「何を今更・・・」
「あのね・・・。私・・・。ほら・・・。女子トイレでグリに乱暴されたでしょ? あれが凄くショックだったっていうか・・・。なるべく誰にも弱みは見せたくなかったんだけど、やっぱり辛くなってきちゃって・・・」
ツンデレ主様は確かに中々他人に弱みは見せない。でも今目の前にいる彼女はただの17歳の少女に見えた。目に涙を浮かべており、吾輩に寄り添ってハグして欲しそうにしている。
「慰めてッ! ほしいのですねッ?」
「うん・・・。私、あの時、凄く怖かった・・・」
吾輩は主殿をそっと抱きしめて、ふんわりしたショートボブを優しく撫でた。
「吾輩もあの時、エリーに対抗できる手段はないかと、ウロウロしていたものでッ! 主殿をほったらかしにしていたのが悪かったのです。お許しを・・・」
「ううん、ビャクヤは悪くないよ・・・。私ね、思ったの。強くならなくちゃって。男の人のアレを見た程度で泣いてちゃ駄目だって。その・・・おちん・・・ちんに強くならきゃって・・・。おちんちんを見ても動揺しない強い心を持たなきゃって!」
えーーー! どういう事ですかッ! 主殿ッ! 思考が斜め上を行きすぎですよッ!
「だからね・・・。そのね・・・。おちんちんを見せて欲しいの! こんな事、ビャクヤにしか頼めないから! お願い!」
真剣な表情をする主殿の顔を見て、吾輩の体に走る白い幾何学模様がピンク色になるのが自分でもわかった・・・。
ギョクリと喉が鳴る。
吾輩はパンツに親指を引っかけて頷いた。
「我が主様のお願いを断る理由がどこにありましょうかッ! よいでしょう! チン長23センチの吾輩のおティンティン! とくと、ご覧あれ!」
そう言ってパンツをスッとズリ下げて、吾輩はますらおのマーラ様を主殿に晒した。
昨日は例の騒動でマギ学園長の呼び出しやら、何やらで忙しくて日記が書けなかった。
学園長に事情を訊かれた主殿はエリーの話は一切しなかった。どういうつもりだろうか? 今後も何かしらの嫌がらせをしてくるであろうエリーに、何かしらの対抗策があると思いたい。こうなったら主殿の身辺警護に集中するしかない。主殿は嫌がるだろうが・・・。
そういえば今日一日様子を見て感じたのは、グリ・ズリーの件で我が主に対する物理的な嫌がらせが、ピタリと止んだ事だ。
生徒に手出しの出来る、制約に縛られていない悪魔(キリマルの事)が、主殿を守っているという噂が広まったからだろう。
グリは学園の番長のような存在であり、戦闘に関しては騎士団でも即戦力レベルになると噂されている。そのグリをキリマルが倒してしまった。魔法も使えない邪悪なるヒョロヒョロの殺人鬼が、大男の股間を器用にスライスしてしまったところを見た生徒も多い。噂が広まって当然だろう。
それから昨日は吾輩の人生で最大の汚点を残してしまった。そう・・・。うっかりと暴走してしまい、グリを殺してしまったのだ・・・。これまでも度々怒りが爆発して、暴走した事はあったが、今回のはいつもと違った。
あの時は怒りで心が爆発することはなく、逆に冷たく暗く静かになり、グリが死んでも構わないとすら思った。まぁ実際、殺してしまったわけだが。
このことに関しては吾輩自身も驚いている。もしかしたらキリマルの心を読み過ぎたせいで、感化されてしまったのだろうか?
キリマルがいなければ今頃、吾輩と主殿は牢屋の中だ。
かの悪魔には、二度も救われている。一度目は医務室で魔法に抵抗しつつも、主殿とゴニョゴニョな事になって全く身動き取れなかった時だ。
二度目は昨日のグリの件。とはいえ、大物貴族と敵対してしまった原因は彼にある。なので帳消しだ。
それにしても彼の性格をなんとかできないだろうか? 普通の性格になってくれればいいのに。彼の実力であれば、上位の傭兵や騎士も夢じゃない。
いや、でもそうしたら蘇生の力は消えてしまう。キリマルは残忍だからこそ、あの神のような力は発揮されるのだ。
しかも、あの魔刀天邪鬼の呪いに抗える人物がそうそういるとは思えない。あれの呪いは、地面に刺せば綺麗で清らかだった森が醜く汚く変化してしまう。そんな強力な呪いを受けても、涼しい顔をしている者が他にいるだろうか? 恐らくいない・・・。
キリマルがあのインテリジェンスウェポンから聞いた話によると、魔刀天邪鬼には強力な気狂いの呪いが施されているらしい。
となると、彼にはこれまで通り邪悪でいてもらわなければならないわけか・・・。
でも手が付けられなくなったらどうする?
その時は城の地下入り口にあるプールに浸かってもらうしかないな・・・。アライメントを逆転させるあのプールに・・・。
「ビャクヤ・・・。起きてる?」
丁度日記を書き終えたところで、主殿の声とドアをノックする音が聞こえてきた。こんな時間に吾輩の部屋を訪ねてくるなんて・・・。いや、変な期待はしないでおくのが賢明ッ!
「勿論起きております、我が主。例え寝ていたとしても、主殿の声が聞こえればすぐに飛び起きまするッ!」
吾輩はすぐに部屋のドアを開けて主殿を招き入れる。
吾輩の横を通り過ぎて部屋に入る主殿の髪から、すっきりとした良い匂いがした。
この国では、泡立ち椿の椿油に様々な香料が入れて売られている。主殿はその中でも何故かマイナーなローズマリーの香りを好む。
「で、何用ですかッ! 主殿!」
「ビャクヤって、いつでもパンツ一枚なんだね・・・」
「何を今更・・・」
「あのね・・・。私・・・。ほら・・・。女子トイレでグリに乱暴されたでしょ? あれが凄くショックだったっていうか・・・。なるべく誰にも弱みは見せたくなかったんだけど、やっぱり辛くなってきちゃって・・・」
ツンデレ主様は確かに中々他人に弱みは見せない。でも今目の前にいる彼女はただの17歳の少女に見えた。目に涙を浮かべており、吾輩に寄り添ってハグして欲しそうにしている。
「慰めてッ! ほしいのですねッ?」
「うん・・・。私、あの時、凄く怖かった・・・」
吾輩は主殿をそっと抱きしめて、ふんわりしたショートボブを優しく撫でた。
「吾輩もあの時、エリーに対抗できる手段はないかと、ウロウロしていたものでッ! 主殿をほったらかしにしていたのが悪かったのです。お許しを・・・」
「ううん、ビャクヤは悪くないよ・・・。私ね、思ったの。強くならなくちゃって。男の人のアレを見た程度で泣いてちゃ駄目だって。その・・・おちん・・・ちんに強くならきゃって・・・。おちんちんを見ても動揺しない強い心を持たなきゃって!」
えーーー! どういう事ですかッ! 主殿ッ! 思考が斜め上を行きすぎですよッ!
「だからね・・・。そのね・・・。おちんちんを見せて欲しいの! こんな事、ビャクヤにしか頼めないから! お願い!」
真剣な表情をする主殿の顔を見て、吾輩の体に走る白い幾何学模様がピンク色になるのが自分でもわかった・・・。
ギョクリと喉が鳴る。
吾輩はパンツに親指を引っかけて頷いた。
「我が主様のお願いを断る理由がどこにありましょうかッ! よいでしょう! チン長23センチの吾輩のおティンティン! とくと、ご覧あれ!」
そう言ってパンツをスッとズリ下げて、吾輩はますらおのマーラ様を主殿に晒した。
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