殺人鬼転生

藤岡 フジオ

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悦びの中の死

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 ベッドの上で貪るようにキスをしてくる彼女の―――、サラサラとした髪と白い胸が自分の胸に当たるたびに、ビャクヤの一物は一層硬くなる。

 自分ばかり興奮しているのをリンネに悟られているようで悔しかったが、何よりもこの時間をビャクヤは大事にしたかった。

(好きな者同士の裸の抱擁がッ! これほど気持ちがいいとはッ!)

 いや、好きな者同士かどうかは、リンネの本心を見ないと未だわからない。何か違和感を感じる。【読心】を使えば早いのだが、ビャクヤはそれが怖くてできなかった。

(今の主様の”デレ“が、何かしらの心配事からくるやぶれかぶれだったらどうしよう・・・)

 自暴自棄になったリンネが、自分に抱かれているとしたらそれは悲しい。そこには愛がないからだ。

(やはり機を見て話してもらうか・・・。でも今は・・・)

 ビャクヤはリンネの無毛の下腹部に手をやり、割れ目に中指を這わせてみた。ぬるりとした愛液が、これでもかと指に絡みついてくる。

「アッ!」

 触れられて直ぐに、リンネはビャクヤにしがみ付いて悩ましい声を発して震えた。

(凄く濡れているッ! しかも一撫でしただけでイッたのでは? 彼女も興奮しているのだねッ!)

「私ばっかりイッて悔しいから、私もしてあげる。ビャクヤの・・・、触るね?」

「は、はいッ!」

 白くて細い指がビャクヤのそれを優しく掴む。

「ビャクヤの硬くて長い」

 まじまじとイチモツや体を見られてビャクヤはある事に気が付き、動揺した。

「もしかして魔法印を探していますかッ! 主様!」

「うん。使い魔との契約が成立した時につく魔法の印。召喚した時に見せてと言ったら、ビャクヤは大事な所に印がついているので見せられないって言ってたわ。私はその言葉を信じたけど、本当は印なんて無かったんだね?」

 そう言ってリンネは、ビャクヤの亀頭を口に含む。

(ハウッ! ぎこちないこの感じッ! ロッカーの中でしてもらった時と同じだ! 興奮するッ!)

 唾液たっぷりのぬめっとした舌が、亀頭の裏を舐めているのでビャクヤは今にも爆発しそうだった。

「はい・・・。残念ながら・・・。吾輩も印がどこにもなくて驚きましたが、それでも主様のもとにいたいがゆえにッ! 咄嗟に嘘をつきました。ごめんなさいッ!」

 ちゅぽっと音をさせてビャクヤのペニスから口を離すと、リンネは陰茎を扱きながら言う。

「ううん。それは知ってた・・・。知ったのはついさっきだけど・・・。全部、私のせいなんだ。あの召喚儀式のときに、本当は召喚に失敗してたのに、ビャクヤがゲートの向こう側から現れたから、それに甘えて、使い魔だって言い張って・・・。巻き込んでごめんね、ビャクヤ」

「とんでもない! そのお陰で今、主様と男女の仲になれたのですから、吾輩は幸せ者でんすッ!」

 リンネは照れ笑いしながら扱く速度を上げた。

「おわぁ! ダメですッ! もう出ちゃいますから!」

「今出すのはダメ!・・・中に、・・・頂戴?」

 手をピタリと止めてリンネの潤んだ青い目が上目使いになる。

 その可愛さと下品ではない淫靡さに、ビャクヤの鼻腔からドラゴンブレスのように熱い鼻息が勢いよく噴出する。興奮しすぎて頭には星が飛び、イチモツは今以上に怒張した。

「わわわわ! 了解でありますッ! それではビャクヤ・ウィン! 17歳! いかせてもらいますッ!」

「キャッ!」

 ビャクヤは堪らなくなってリンネに飛び掛かった。

 お互い見合ってからキスをすると、ビャクヤは怒張したペニスをリンネの割れ目に挿し込む。手を添えなくても簡単に入るぐらいリンネは濡れていた。

 ヌルっと一気に奥まで入り、リンネが震える。

「痛ッ・・・。ジンジンするけど・・・。気持ちいい・・・」

「暫く動かないでおきましょうか?」

「ううん、大丈夫。少し動いてみて」

 言われた通りビャクヤは腰を小刻みに動かしてみた。

「ビャクヤの・・・、長いから奥にコツコツ当たってる・・・。ちょっと痛いかも」

「わかりましたッ! では子宮口に当たらないようにしてみますッ!」

 子宮口に亀頭を当てないように調整しながら腰を振ると、リンネは「アッアッ」と切ない声を上げ始めた。

「気持ち・・いい。私、初めてなのに女の悦びを知っちゃった・・・。ハァハァ! 私は生きている・・・。まだ生きているの!」

(生きている? どういう事でしょうかッ! 主様は勿論、生きていますよッ!)

「どうやらリンネ様は名器の持ち主のようです・・・。中でミミズが沢山うねっているようで・・・。これでは吾輩ッ! すぐに射精してしまいますッ!」

「私もいきそうだから中に出して! いっぱい出して!」

 ビャクヤの腰の動きが激しくなった。リンネの腰も浮く。お互い目を閉じて今ある快楽の全てを逃すまいと愛のまぐわいに集中している。

「アッ! アッ! アッ!」

「うぐぅ・・・。ダメだ! 出る!」

「イクッ! イクッ! イクーーーッ!」

 リンネの爪がビャクヤの背中に食い込む。

 頭が真っ白になっても、精液がリンネの中から溢れ出しても、ビャクヤは腰を振るのを止めなかった。

「ハァハァ。まだ・・・まだ吾輩のイチモツは出したいと言っておりますッ! よろしいですよね? リンネ様のここを吾輩の形にしたいのデスっ! それはぴったりと合う愛のッ! 鍵と鍵穴のようにッ!」

 しかしリンネの反応はなかった。ただ突かれて揺れているだけだった。

(何かの本で読みましたがッ! 女の人も賢者タイムがあるらしいですね! リンネ様はこれまでに何度かエクスタシーに達していた様子。今はその賢者タイムなのでしょう・・・。だが、しかしッ! その賢者タイムを、吾輩のおチンチンで打ち破ってみせますよぉッ! それっ!)

 一生懸命腰を振るビャクヤの下で、やはりリンネは人形のように動かない。

(何かおかしい・・・。そういえば、リンネ様の体が徐々に冷えているような・・・)

「主・・・様ッ?」

 おかしいとは思いつつもビャクヤは腰を振るのを止めなかった。ここで止めると自分の考えている悪い予感が当たってしまうような気がしたからだ。

「主様・・・?」

 しかし、どんなに誤魔化そうとも現実に起きた事実は変わらない。ビャクヤは腰を振るのを止めて、主の顔を見つめる。

「そんな・・・。主様・・・」

 ビャクヤの目から涙が零れ落ち、リンネの頬に落ちた。

「そんな満足そうな顔で死んでいても・・・。悲しいものは悲しいのですよッ!」

 リンネを抱きしめて頬ずりをする。

 何が原因で彼女は逝ってしまったのか。魔人族の精液が人間には毒だったのか? いや、そんな話は聞いたことがない。

(そういえば・・・。主様は死を予感するような事を言っていた。抱き合っている最中に生を確認するような言葉。”私は生きている、まだ生きている“と・・・)

 ―――彼女は死を覚悟していた?!

「しかし、どうやって? ・・・まぁそれはキリマルに主様を生き返らせてもらってから聞きましょうか。取り敢えず、ペニスを抜かなくては・・・」

 ゆっくりと抜こうとするとリンネのミミズ千本がペニスを刺激する。

「ヴッ!」

 抜いたと同時にビャクヤは射精してしまい、リンネの亡骸に精液をぶちまけてしまった。腹から顔にかけて白濁液がリンネを汚している。

「はわッ! すみません、主様!」

「死体にぶっかけとか頭おかしいだろ、ビャクヤ」

 ドアの近くで人の気配がした。どうやってこの短時間で帰ってこれたのか、そこにはキリマルが立っていたのだ。

「キ、キリマルッ!」

「二人はエッチな事してた・・・。不潔」

 刀から、不審がるアマリの声がする。

「お前だって何度か俺を誘ってんだろ、アマリ」

「うぐぅ・・・」

 アマリは黙って何も言わなくなった。

「い、いいところに来てくれたねッ! こんな状況で悪いのだがッ! 主様を生き返らせてほしいッ!」

 ビャクヤは股間のそれをブラブラさせながら、両手を広げてキリマルに近づいた。

「愛液と精液に汚れたチンポをなんとかしろ。話はそれからだ」

 顔が熱い。なぜか俺は顔を赤らめてしまった。はぁ? なんでだ? なんでビャクヤのチンポを見て顔を赤らめる必要がある? むかつくぜ!

「わわっ! 確かにッ!」

 俺はリンネの死に顔を拝みに行く。

「はぁ~。良い顔して死んでるねぇ。女の悦びを知りながら逝ったんだな。最期にしては良い死に方だっただろうよ」

 ビャクヤは股間を手ぬぐいで拭いて綺麗にするとビキニパンツを穿いた。

「は? その言い方だと主様の人生は、これでお終いみたいじゃないか。主様は君の蘇生術で生き返るのだろう?」

 仮面を付けてシルクハットを被り、くるくると回りながら近づいてきた変態仮面に、俺はピシャリと言う。

「残念だが、リンネの蘇生はできないぜ?」

「?!!」
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