殺人鬼転生

藤岡 フジオ

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勃起する勇者

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 自分を朕と呼ぶゴブリンメイジは、扇子型のワンドをオーガの娘に向けて、ただ一言「眠れ」と言っただけだった。

 小剣を構えていたオーガが、木にもたれ掛りながらずるずるとその場に崩れ落ちると、盗賊のゴブリンたちが手を叩いて喜ぶ。

「ヒャハハ! 流石は先生ェ! 無駄のない詠唱! さてさて、早速良いアソコを持っているかどうか確かめようか」

 そう言って盗賊のリーダーらしきバンダナをかぶったゴブリンは、オーガの両足を開いて下着のチェックを開始した。

「白のおパンティとはまだまだ子供だねぇ。だが、汚れていないし清潔感はある。匂いは・・・。クンクン。ん、無し! いいぜぇ」

 奴隷として売るなら当然のチェックか。ゴブリンはその白い下着を下して彼女の性器をチェックする。

「綺麗なピンクのビラビラにぃ、感度の良さそうなクリトリス。だが体の割にアソコが小さいな。こりゃチンコの小さい樹族どもでも満足できるだろうよ。さて具合はどうだ?」

 ゴブリンのリーダーがズボンを下したその時。

 影のように現れて、無言でゴブリンたちをロングソードで斬りつけるがそこにいた。

「ぎゃあ!」

 盗賊の察知能力は並みじゃねぇとは思うが、あの人間はそのレーダーを難なく掻い潜って、ゴブリンたちを斬り伏せている。

 当然、前衛に守られてこそ力を発揮できるゴブリンメイジも一太刀で倒れた。

 不思議な事に剣で斬られたゴブリンたちは、剣に吸い込まれるようにして消えていく。っていう事はあれは魔剣の類だな。

 謎の人間がゴブリンを倒すと同時にオーガは目を覚まし、辺りを見渡す。

「あで・・・? ゴブリンどもは?」

「倒した。魔剣の餌にしてやったわ」

 ひゅ~。かっこいいねぇ。

「あの・・・あでぃがとうございます」

 立ち上がろうとしたオーガのスカートを、何故か謎の剣士は素早く切り裂いたので、ムチムチとしたオーガの下半身が露わになった。

「誰もタダで助けるとは言っていない。一時の慰みものになれ」

 はは! 結局やってることは盗賊ゴブリンと同じじゃねぇか! オーガを襲う相手が変わっただけか。

「いやだ!」

 眠った時に落とした小剣をオーガは拾おうとしたが、剣士の魔法がそれを許さなかった。

「【捕縛】!」

 剣士がそう唱えると半透明のロープが、オーガの四肢の自由を奪う。股を開いて木に固定する魔法のロープは、怪力であろうオーガがどんなに力を籠めようがビクともしなかった。

「さっさと濡らせ」

 そう言って剣士はオーガの性器を雑に弄り始めた。

「いやだ! やめど! へたくそ! 痛い!」

 奴の手マンは本当に下手糞なんだろうな。オーガの顔に欲情のよの字も浮かんでいねぇ。フハハ。

「濡れればいいんだ。下手糞でもな、弄っていればそのうち勝手に濡れる。体ってのはそういう風にできてんだよ」

 常に拗ねたような雰囲気を出す剣士は、手の動きを激しくして突然怒鳴り始めた。

「俺はな! 勝手にこの世界に勇者として召喚されて! 勇者だなんだと持ち上げられて! よくわからん奴らと戦わされて、用が済んだら殺されそうになったんだ! この世界に生きる奴らは全員クズだ! だからお前らクズは俺に何をされても文句は言えねぇんだよ!」

 ほ~。やさぐれていますなぁ。

「知った事か! おまえの手は気持ちよくねぇ! さっさとおでを殺せ!」

 オーガの娘が唾を勇者の顔に吐きかける。

「ああそうかい! だったら殺してやろう!」

 よし! 俺も丁度ムシャクシャしてたところだ。あの勇者を殺すか。

「待ちな!」

 そう呼び止めた俺の目の前に、奴の剣があった。

 自称勇者はあっという間に俺の気配を察知して、一気に間合いを詰めてきていた。

 奴の剣に触れるわけにはいかねぇ。たら、大変だ。

「あぶねぇ!」

 仰け反って攻撃を避けた俺の鼻の上を、ギリギリ剣の腹が通っていく。悪魔の身体能力がなければ今頃は、顔に穴が開いていただろうよ。

「俺も召喚された身だからよ、お前の気持ちは解らんでもねぇがな。だが、いけないなぁ。そんなうら若き乙女を手籠めにしようとするなんて」

 俺は心にもない事を言って、自分に大義を発生させる。
 
 なぜそんな面倒な事をするかというと、ビャクヤの契約による制限が幾らか外れたとはいえ、不当な殺人が許されたわけではねぇからだ。

 ただ、こちらに正当な理由がある場合は別だ。自分の身を守る必要があったり悪人相手だと、アマリ以外の手段で本当に殺してしまっても許される。

「うるさい、死ね。悪魔の分際で。俺はこれまでに悪魔を沢山倒してきたんだ。今更怯えたりはしないぞ」

「おぉ怖い。日本でいえば中学生くらいのオーガ相手に欲情してよぉ。チンポビンビンにさせてそう言われても、凄味も糞もねぇな! クハハ! 俺はな、鼻が良いから匂いで解るんだわ。皮から飛び出た、チンカスだらけの亀頭の匂いがな。イカくせぇ!」

「貴様ぁあああ! 【捕縛】!」

 俺は素早く刀を前に振る。奴の言霊が俺に向かって飛んでくるのを斬るイメージで。

「なに? 魔法を斬った・・・だと?」

 ワンドなしで詠唱する奴ってのは、大抵魔法に自信がある奴だ。ヤイバもそうだった。その自信満々だった勇者の顔に少し不安が滲む。

「そうだ。俺には魔法は無意味と知れ」

「ふん、ではこれはどうかな」

 勇者の黒いミドルヘアーが逆立っている。体中に籠めた気がオーラとなって噴出しているせいだ。

「チンポと同じく、お前の髪もイキリ立ってるな。ええ? クハハ!」

「減らず口もそこまでだ、悪魔」
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