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めちゃくちゃした
しおりを挟む焚火の前で一言も喋らないビャクヤを見て、俺はうっとおしく思う。
「なんか食い物あるか?」
「・・・。調達するのを忘れたんぬ・・・」
「まぁどのみち金がねぇから無理か。お前の無限鞄の中に、俺の百円ライターが入ってるだろ。あれを売って金を作れ」
「・・・」
「早く転移して食い物を買って来いよ。俺は腹が減ってんだが? お前の魔法で食い物を作るのはなしな。あれの触媒が、精子なのは気分が良くねぇからよ」
「・・・」
まただんまり。これだったら、狂気を装っていたほうがマシだったぞ。
そういや人は酷い鬱になると、体が動かなくなると聞いた事があるが、こいつは大丈夫だよなぁ?
動けなくなったこいつを背負って移動とか嫌だからな。
ビャクヤは膝を抱えたまま座って石のように動かない。神様が優しくなかった事やリンネの蘇生が上手くいかない事がそんなにショックなのか? まぁまだまだ精神が幼い17歳のクソガキだもんな。いいとこのお坊ちゃんだしよ。
しゃあねぇ。こいつがこのままだと面倒くさいので、まずヒジリへの憧れを打ち砕いて現実に引き戻してやるか。
「あんな、ビャクヤ。お前の崇める優しい(皮肉)神様は俺らと何ら変わらないただの人間なんだわ。これまで聞いたヒジリの情報をまとめると、奴はお前らが星の国と呼ぶ地球からやって来た異星人だ。科学が進んだ時代の人間なので、不思議な力を使っているように見えるかもしれねぇが、あいつらの奇跡は魔法とか神の業なんかじゃねぇ。ちゃんと物理的な法則の中で起こしている事象なんだ」
十分に発達した科学技術は魔法と見分けがつかない、と誰かが言っていたな、そういや。
「・・・」
「ゾンビを浄化した時もヒジリは荘厳な音楽で箔をつけ、ホログラムの羽を降らせるという演出をしてたろ。あの消えてったゾンビたちも、目に見えない程、細かく砕かれただけで魂の浄化なんかされてねぇぞ。(多分な)それに奴は科学者だ。科学者ってのはどこの世界でも、合理的な思考をしてるもんなんだよ。だから冷たくされたからって一々ショックを受けるな」
とは言ったものの、この世界に科学者がいるのかどうか。錬金術師が科学者に一番近いか? 科学者の概念がなければ今の説明は無意味だし、ビャクヤにとっては理解不能だな。
「ご名答です、キリマル様」
ん? 真面目そうだが、可愛らしくもある女の声がするな。俺がキョロキョロしていると、上空から球形が降りてきた。ウメボシだ。
監視されてるような気配はこいつのものだったのか・・・。
「おや? お前さんはヒジリと、どっかへ出かけたんじゃなかったのか?」
「ええ。グランデモニウム王国の弱体化を知った樹族国軍は、侵攻しようと国境沿いに野営をしておりますが、敵国の国民の殆どがゾンビ化してしまい、最終的にマスターに消されるという急展開に混乱しております。マスターの樹族国国王への謁見は明日へと延期になりました」
「まぁ滅んだ国を占領しても旨味は少ないからな。人も資源の内だからよ。で、暇だから俺を観察していたと」
「マスターはあなた方に縁はないと仰られておりましたが、ウメボシは縁があるような気がしましたので、勝手ながらお二方の体をスキャニングをさせてもらいました。キリマル様の詳しい正体は判りませんでしたが、ビャクヤ様がナンベル様の血縁者だという事はわかりました」
「で、ビャクヤではなく、なんで俺を監視していたんだ?」
「キリマル様が、マスターの脅威になるかどうかを調べる為です」
ウメボシの瞳は静かに青く光っており、焚火の赤い光にも負けていない。俺の心の奥底を覗くようなその目に居心地が悪くなる。
「は? 俺が脅威? 俺は多分この世界じゃ、まだまだ成長途中の下っ端だぞ。今さっきだって自称勇者に手こずってたんだからな」
「知らぬ間に誰かと戦っていたのかね、キリマル・・・」
ビャクヤが元気のない声で訊いてきた。
「ああ、オーガの少女が襲われていたからな」
「ウメボシもその様子は見ておりました。あの異世界人はてっきり、盗賊を退治して人助けをするのかと思いきや、少女を手籠めにしようとしておりましたからね。キリマル様の制裁は正当なものだと思います」
一つ目が俺に笑顔を向けた。笑顔つっても一個しかない目が閉じて、口角が上がるだけだけどよ。
「何よりもキリマル様は不殺を貫き、オーガの少女の両親を生き返らせました。そこにウメボシは感心したのです。貴方は心優しい方だと、ウメボシにインプットされている人格がそう言っております」
(は? 俺が?)
「いや、キリマルは・・・」
ビャクヤが俺の事を正直に言おうとしたが、それを遮ると無理やり笑顔を作ってウメボシに向ける
「未来においてヒジリ様は、神として崇められております、ウメボシ様」
俺はなるべく真摯な紳士を装う。
「急になんだね? キリマルッ!」
俺は視線でビャクヤを黙らせると、慣れない笑顔を維持した。
「我が主様は未来からやって来た、ヒジリ様の信者でなのです。そしてウメボシ様が見抜かれましたように、ナンベル・ウィン様の孫でもあるのです。その主様の名に泥を塗るような事を俺・・・、私めはしとうございません。私の考えなき行動は突き詰めると、偉大なるヒジリ様の評判を貶める行為でもあるのですから」
俺は丁寧にそう言ってウメボシにお辞儀をする。
「素晴らしい心がけです! しかも貴方は自分の手柄を、我がマスターのものにしようとしていましたね。マスターは科学者なので神と呼ばれるのを嫌いますが、貴方たちのような善なる信仰者がいることを、ウメボシは嬉しく思います! そこで! ジャジャーン!」
一つ目の真面目そうな雰囲気が明るいものに変わった。ヒジリを持ち上げたのは正解だったな。フハハ。
「ウメボシは、善行を成したキリマル様の願いを叶えたいと思います。つまりキリマル様の主であり、ビャクヤ様の更に主であるリンネ様の蘇生です!」
「え? それってヒジリが蘇生させてんじゃねぇのか? ウメボシがここでリンネの蘇生をするという事か?」
驚いて俺は紳士の態度を止めてしまったが、ウメボシは気にしていない。
「いいえ、マスターには蘇生を許可する権限があるだけです。実際に実行するのはウメボシや宇宙船のカプリコンです」
ヒジリは宇宙船まで所有してんのか。そういや前にビャクヤもそんな事言ってたな。
「でもッ! ウメボシ様には権限がないのであれば、同じことなのではッ?」
と言いつつもビャクヤの仮面には、何かを期待する表情が浮かんでいる。
「ええ。ですが、ウメボシはマスターを説得できる自信はあります。マスターは冷たい合理主義者のように見えますが、そんな事は全然ありませんので」
「わあぁぁぁ! ありがとうございますッ! ウメボシ様ッ!」
ビャクヤは仮面を外すと無限鞄の中にしまい、ウメボシを抱えて泣きながらキスをした。くそ! こんな時に真実を見通すスキルが発動しやがった。
ビャクヤの綺麗な顔が見える・・・。
あのぷっくりと柔らかそうな唇が、ウメボシのピンクの装甲に押し付けられる度に、羨ましいという気持ちと仄かな劣情が湧いてくる。
糞が・・・。ビャクヤの魅力に抗えない自分の腹に、刀を突き刺して自死したい気分だ。
ウメボシがキスをされて慌て始めた。
「ひゃあ! ウ、ウメボシは身も心もマスターのものなので感謝の表現とはいえ、キスはご遠慮くださいませ、ビャクヤ様。って、おわぁ! 凄い美少年!」
ほぉ、ウメボシにもビャクヤの素顔が見えるのか。
「そそそ、それでは明日の朝十時頃に、今日マスターとお話をしたオーガの酒場まで来てください。必ずマスターを説得しておきますから!」
ウメボシは元々ピンクだった顔をもっと赤くしてビャクヤの抱擁から逃れると、街へと飛んで行ってしまった。
「未来でもウメボシ様は誠実で優しかった! あの方は決して約束を破らない! ああ、遂に明日ッ! 我が主様が蘇る! 遂にッ! 遂にッ!」
早く無限鞄から仮面を出して付けやがれ。
「これもッ! 君のお陰だッ! キリマルッ! 君が聖人を装ってウメボシ様を騙してくれたお陰だ! いつも汚れ仕事を君に任せてすまないねッ! ありがとう! ありがとう!」
ビャクヤは俺に抱き着いて、頬にキスを雨霰のようにしてくる。
柔らかくも弾力のある唇が俺の顔に触れる度に頭がぼんやりとしてきた。そして体がブルブルと震える。
(ぐぉぉ! やべぇぞ、これは! やべぇ! 語彙が少なくて、やべぇしか言えねぇ! あああああ!)
鈴口と竿の辺りがムズムズしてきて、もったりとしたアレが尿道を通って登ってくる。
「これ以上俺の頬にキスをするな! 離れろ! 射精してしまう!」
思わず声に出してそう言ってしまった。ビャクヤのキスで射精するなんて言うのはくっそ恥ずかしいのだが、この際そんな事は言ってられねぇ。漏らすよりはマシだ!
途端に腰のアマリが人の形をとって、ビャクヤをドンと突き飛ばした。
「浮気は許さない!」
よろめいて後ろに下がるビャクヤは、俺に気を使って超絶美形顔を咄嗟に手で隠した。
「悪い・・・。そ、そんなつもりはなかったのだがねッ! キリマルッ! 本当にすまない!」
俺はその場に膝まづくと乱れた息を整え、まだ押し寄せる快楽を振り払って正気を保った。
「ハァハァ・・・。ふぅ、危なかった。お前な・・・。自分の容姿が及ぼす影響力を自覚しろ! 前にもそう言ったろう、アホが!」
「ごめん・・・」
ええぃ。正気は保てたが久々にムラムラするぜ・・・。
「アマリ、ちょっと来い!」
俺はアマリの手を引っ張ると、焚火の光が届かない茂みの向こう側まで来た。
ビャクヤは俺が何をするのか察したのか、仮面を付けると転移してどこかに消えた。恐らくゴデまで食料を調達しに行ったのだと思う。
「ビャクヤのせいで射精しそうになったのは癪だ。お前が抜いてくれ、もう出そうなんだわ」
「わかった」
間髪入れず返事して俺の股間を見たな。鼻息が荒いぞ、アマリ・・・。
ゴスロリメイド姿のアマリはこういう奉仕に向いている格好に見える。まぁ俺の偏見だけどよ。
「おつゆが先から溢れてて凄くヌメヌメしてるし、硬くて大きい」
ズボンのベルトを外して、下したチャックから出てきた俺のイチモツをアマリはじっくりと見ている。
「観察しなくていい、さっさとしろ」
ごくりと息を飲んでアマリは、俺のモノを小さな口で咥えた。まず手で扱いたりしないのが、こいつの経験のなさを表している。
亀頭を含んだところで一旦息を整えると何を思ったか、一気に根元まで咥えこんだので、俺はアマリの喉奥でため込んでいた精液を盛大に吐き出してしまった。
「ぐぅ! くそ! 気持ちいいぞ・・・」
静寂な森の中で射精する音が、漫画のように本当に聞こえた。
ビュッ! ビュッ! と音がするたびにアマリの体が震える。
木の枝の隙間から零れ落ちる月光に照らされて、アマリの恍惚とした顔が見えた。長い黒髪の隙間からトロンとした目でこちらを見つめ、自分の口の中で果てていく俺を見て感じているのだ。
俺の精液を零さずに全部飲むアマリの顔は、健気にも、淫らにも見えた。
「キリマルの味、覚えた」
目をぎゅっと閉じで口の中に残る精液を飲み下すと、アマリは涙目で飲んだぞと舌を出して見せる。
「アマリはいやらしいメス豚の顔になってんな。でも助かったぜ。俺はビャクヤでは射精をしなかった。お前の口の中が気持ち良かったから射精したんだ」
自分にそう言い聞かせるようにして言うと、アマリに後ろを向かせて木に手をつかせた。スカートを捲り上げて下着を穿いていない生尻を叩く。
「よし、お前にはご褒美をくれてやる。ありがたく思え」
背が低い割りに大きな尻をしているアマリのそれは白桃のようだった。
身長差があるので、大股を開かないと性器の位置が合わないのでそのようにする。少し間抜けな恰好になるが、まぁいいか。
肉付きの良い尻を割って、アマリの小さな性器に俺の肉棒を挿入すると濡れているせいで、ズブズブとすんなりと入っていく。
「どうだ? 俺の肉棒の味は? 前から欲しかったんだろう?」
「うん! はぁっ! んん! 気持ちいい! キリマルのおチンチン気持ちいい!」
「キリマルじゃねぇだろ、ご主人様と呼べ。悪いメイドだな」
俺はもう一度アマリの尻を叩いた。叩くとアマリは少し仰け反るので面白い。
「はい! 気持ちいいですッ! ご主人様ぁ! あああ!」
俺はとうとうアマリの毒マンコにチンコを入れてしまった。俺が勝手にアマリのマンコは毒マンコなんじゃねぇかと思ているだけで、実際はどうなのかはわからねぇ。
この後、俺のチンコが溶けて死ぬかもしれねぇし、性病みたいになって死ぬかもしれねぇ。
でもよぉ。こいつのマンコはこれまでの経験の中で一番気持ちいいんだわ。中に小さな触手があって、俺のチンコを撫でているような感触。適度な締め付け。こりゃあ男の精液を絞る取る為にあるマンコだ。
ある意味毒マンコだな。中毒性のある毒マンコだ。
「お前のアソコは最高だ! どんどん腰を動かすぜ?」
「はい、もっとアマリのアソコを使ってくださいませ! ご主人様!」
本で覚えたのか?そのセリフは。クハハ!
この後、ビャクヤが帰って来る一時間の間に、俺はアマリと滅茶苦茶セックスした。
応援ありがとうございます!
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