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骨ムカデ
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うぐっと呻いて、床に倒れたのはマサヨシではなくサムシンだった。
「何やってんだ? ビャクヤ。成敗する相手を間違えてんぞ。そんな余裕があるのか?」
ビャクヤめ、マサヨシに魔法が通じなくて動揺したか? ターゲットを間違えたな?
俺はまだマサヨシの魔法を警戒している。奴が魔法を発動させた瞬間に、魔法そのものを斬ってそのままマサヨシを仕留めるつもりだ。しくじれば恐らく俺たちは全滅するだろうよ。
「ハハッ! キリマルッ! 吾輩は何も間違えてなどいないんぬッ! マサヨシを攻撃する必要もないんごッ!」
なんだ【読心】の魔法を使ってやがったか。今俺の心の声に返事をしたぞ。
「ってぇと、どういう事だ?」
「素直な気持ちで考えたまえッ!」
あん?
「鈍いな、キリマル。犯人はサムシンだったって事だよッ!」
「じゃあなんでマサヨシは、あんな悪の帝王みたいな対応をした?」
マサヨシは只者じゃねぇぞ。こいつの存在感のせいで、サムシンを犯人だとは思えなかったんだわ。
「マサヨシもまたアクターだったという事さ! 吾輩のようにッ!」
お前がいつなにを演じたんだよ。その白々しいキャラクターがそうだって言いてぇのか?
「おふっ! おふっ! 拙者を驚かせるサプライズは終わりましたかな? 今日はあれでそ? 変態趣味の人が集まって乱交パーティ的な事をする日だったんでそ? つい皆のノリに乗って悪の帝王をロールプレイしてしまいますたが、正解でしたかな?」
こいつ何も知らずにサムシンに従っていたのか。
「白々しいぞ! マサヨシ! お前がこの事件の首謀者だ! 正直に言え! ぐえっ!」
体を起こそうとしたサムシンの頬をキャスがダンッ! と踏んだ。
「あ・な・たが! 首謀者なの! もうこれでお終いよ! 大魔導士のグレアト様もこんな愚息がいたせいで魔法院院長を辞職するでしょうね。そうなったら貴方はただの一般人よ! 私と同じね! ただのメイジ!」
ビャクヤが仮面を押さえて首を振る。
「詰めが甘かったね、サムシン。君はマサヨシに罪を被せたいという気持ちが強過ぎたせいで、【読心】で簡単に心が読めたよ」
「くそぉ!」
捕縛されて自由の利かないサムシンは、青ざめた顔をしつつも吠えた。
それから狂ったように笑う。
「アハハ! ・・・だったらさぁ!」
部屋の床が突然光り出した。廊下にいたリンネ以外が下からの光で目を細める。
「ハハ! 僕は器用でね! 魔法の才能に加えて魔法の罠を作るのも得意なんだ。地上で見た魔法の回転床はビャクヤ達に簡単に突破されたけど、これはどうかなぁ?」
ああ、あの罠は正解の道にだけ、お前の匂いが染みついていたからな。簡単だったわ。
「リンネ、そこをどけ。邪魔だ」
俺はリンネに部屋の入口から少し下がらせると、サムシンを踏むキャスを強引に引っ張って廊下に出し、そのままビャクヤを掴もうとした。
(こいつに死なれちゃ困る)
「廊下にいる二人は道連れにはできなかったが、まぁいいさ! ようこそ! 無限の闇が広がる亜空間の世界へ!」
「おふ?」
マサヨシは何が起きているのか分からないという顔で驚いている。
「亜空間? ビャクヤ! 転移魔法を唱えろ!」
「了解んごッ!」
ビャクヤは威力の大きい魔法以外は詠唱が早い。イメージ力というのか? それが優れているせいか。
しかし、今回はコンマ何秒かの差で間に合わなかった。
馴染みあるビャクヤの転移魔法のような感覚が俺を襲った。くそったれが。俺はこれが苦手なんだわ。吐きそうだ。
耳鳴りがするほど、亜空間は静かだった。
しかしすぐにそれを否定するように、なにかが静寂を破りやがる。
ブブッ! と屁をひるような音がして辺りに腐敗臭が漂う。
元々うっすらと腐敗臭はしていたが、その音がすると、臭いは強烈になるのだ。鼻が曲がりそうだぜ。
俺の能力が進化しているせいか目を凝らすと、灯り一つない暗闇を見通せるようになっていた。
そんなに数はないが、弄ぶように袈裟斬りされた死体があちこちにある。傷は浅いので死因は恐らく出血死だろう。
となると屁の音は死体から排出される、腐敗ガスの音か。
離れた場所で光球が、亜空間の闇を照らした。
人が光の子ってのはよくいったもんだ。
灯りがあるだけで心のどこかで安堵する自分がいる。
が、暗視のできる俺の目には、暗闇に上がる大きな光球は無駄に眩しく見えた。
普通の【灯り】の魔法と違ってかなり広範囲を照らしている。ありゃあビャクヤの魔法だろうよ。
結構遠くだな。俺たちはバラバラに飛ばされたらしい。
俺は光に吸い寄せられる蛾のように灯りに近づくと、光球の下で変態仮面がこちらを見ていた。
上からの光に照らされて、シルクハットの下に影を作るその姿は不気味で、どことなく彼の祖父に似ていると俺は思った。
ビャクヤの祖父のナンベルはピエロのような見た目なので、ピエロを異様に怖がるアメリカ人が、夜道で彼を見たら逃げ出すだろうな。
「やぁキリマル。この亜空間に空気があって良かったよッ! 普通は無限鞄の中のように徐々に時間が止まったり、真空で息ができなかったりするのだがねッ! 君も無事でよかったッ!」
ナンベルと似ていない所も多い。こいつは陽キャで善人だという事だ。
「まじか」
まぁ、運よく生きてたならそれでいい。
俺は何となくビャクヤの出した光球を見た。
そういやこの魔法は、たまに読む魔法大百科に掲載されてたな。
たしかこれはコモンマジックの【偉大なる灯り】だったか?
ありふれたコモンマジックを使うのは、ビャクヤが光魔法を苦手とするからだろう。
「勿論、光魔法を使えないこともないのだがね。詠唱に時間がかかって効率が悪い上に、威力や効果も期待できない」
俺の心を読んで返事をするビャクヤは、こんな状況でもシュバシュバと動くのでうっとおしい。
「おい! お前の灯りの魔法の効果がもうなくなりそうだぞ」
魔法の灯りをつけてまだ五分も経っていない。
「ここはマナが少ないからねッ! 吾輩の体内に蓄えたマナだけでは、長時間の点灯は無理なのだよッ!」
体内のマナが着火剤みたいなもんで、魔法を継続させるには周囲のマナを必要とするのか。勉強になったが今はそんな知識は要らねぇ。
「マサヨシとサムシンはどこだ?」
「おふっ! 拙者、参上!」
マサヨシも光を目指してやってきた。
不思議な事にマサヨシが近づくとビャクヤの【偉大なる灯り】の効果が本来のものへと戻っていく。弱々しくなっていた光球が今は眩しい。
「これもお前の能力か? マナを発生させる力・・・」
俺は一応マサヨシを警戒して柄を握り、いつでも刀を抜ける用意はしておく。
「何の事でつか? そんな事よりも、ここに来るまでに女性の腐乱死体をいくつか見つけたお。怖くてちびりそうだったので、君たちがいてくれて世界に感謝感激チンシュッシュ。おふっおふっ!」
マサヨシはマスを掻くような動作をした。なんで感謝する事とマスを掻く事を繋げたのかは分からないが、語呂が良いからだろう。しょうもねぇ奴だ。
「それらの女性はッ! 恐らくはサムシンに玩具にされた者の末路ッ! 気の毒過ぎるッ!」
ビャクヤが芝居がかった動作で首を振ってから、チラリと俺を見ている。
「犠牲者を生き返らせるのは後だ。今は脱出方法を考えるのが先だぞ。それからサムシンを探して殺さねぇとよ。恐らく捕縛の魔法は解けているだろうしな。必ず俺たちに攻撃を仕掛けてくるはずだ」
突然、カシャカシャカシャと大理石を爪で引っ掻いて歩く、犬の足音ようなものが聞こえてくる。
ヌゥと暗闇に大きな髑髏が一瞬浮かんで消えた。そして暫く周囲をカシャカシャと移動した後、音は止んだ。
音が止まると暗闇から大きな白い鎌のようなものが、光に照らされて振り下ろされた。
俺は刀を抜くと、敵の標的となったマサヨシを蹴飛ばして魔刀アマリの腹で攻撃を受ける。
アマリよ、折れるなよと祈りつつ、骨の鎌の攻撃を往なして次の攻撃に備えた。
「なんかいるぞ! マサヨシはビャクヤの近くにいろ! 裏切って俺たちの邪魔したらぶっ殺すからな」
ヒュッ! とまた白い鎌が闇から現れるが、今度は一つではなかった。続いて三回、計四回の攻撃が俺を狙う。腕が四本あるって事だ。
「悪魔の回避力を舐めるなよ」
油断していたり、掴まれたりしない限り俺は誰の攻撃も受けねぇ。
残像を作って、化け物のピッケルのような突き刺し攻撃を避ける。侍と忍者の良いとこ取りみたいな人修羅の能力に感謝だ。
更に四本の腕を駆使した、白雨みじん斬りのような攻撃をひょいひょいと躱して、俺はアマリを鞘にしまった。
「ビャクヤは対アンデッドの攻撃手段が乏しく、俺は骨が苦手。だからこれしか攻撃手段はねぇ」
乾いた骨に刀の刃が当たると刃こぼれしそうで嫌なんだわ。どうもアマリに情が移ったのか、傷物にしたくねぇという気持ちが働く。
しかも骨相手に斬撃は大してダメージも与えられねぇしよ。だから刀を鞘にしまって打撃武器とする。
そもそも鞘が壊れないという保証もないが、今俺にできるのはこれだけだ。
俺が戦っている間、背後でビャクヤが長々と魔法を詠唱した末に、アマリに光属性を付与した。
「ないよりはマシか」
光魔法の苦手なビャクヤが付与した、効果の期待できない【光の剣】は、それでも鞘を光らせて対アンデッド武器に変えた。
元々魔刀天邪鬼は魔法の刀なのでアンデッドには有効だが、やっぱり骨が相手だと大したダメージを与えねぇ。
が、今は打撃プラス光属性。
一秒間に五回武器を振る事ができる俺は、光に照らされた骨ムカデの脚をなんとか折る事に成功した。
たった一本折るだけで一秒もかかる。一秒は短いと思うかもしれないが、相手の攻撃を回避しながらの反撃なので、無数にある脚の一本を折っただけでもスタミナは結構減る。
そんな苦戦する俺の後頭部で、何かが弾けた。
「いてぇ! 何しやがる! 裏切ったら殺すと言ったはずだがな、マサヨシ!」
マサヨシの魔法が俺の近くで弾けたのだ。あいつの放った魔法は周囲に影響を及ぼすタイプのものだった。
「違うぞ、キリマルッ! マサヨシは鎌しか見ていない君をブレス攻撃から守ったのだッ!」
よく見ると背後の暗闇の中で髑髏が浮かんでいた。骨ムカデは長い首を伸ばして俺の背後に頭を回り込ませて、ブレスを浴びせようと狙っていたのだ。
マサヨシの魔法攻撃を受けて髑髏の歯は折れ、ブレスを吐くと、口の周りで拡散して上手く吐く方向を定められなくなっていた。
「よくやった、褒めてやるぜ。マサヨシ」
「おふっ! おふっ! どういたしまして! がんばえ~! キリマルっ! がんばえ~!」
んだぁ? その幼女みたいな応援の仕方は! ふざけてんのか。
「ハハ! 僕の作り出した亜空間で必死になって魔物と戦っているね。なんて哀れなんだ!」
同情なんて一片も感じとれねぇ、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「あ? その声はサムシンだな? いいから出てこいよ、ぶっ殺してやっから」
俺は骨ムカデの鎌を避けながら、サムシンの声がする亜空間の暗い空を見たが誰もいなかった。
「残念ながら、そこへは行けない。どうも僕は運が良いらしい。魔法の罠床によって、亜空間に転移される直前に父さんの【人探し】の魔法に引っかかった。そのまま【引き寄せ】の魔法を受け、なんと僕は今! 実家の玄関前に立っている! 父さんは僕が何をしていようが、用事がある時はこうやって無遠慮に呼び出すんだ。いつもは腹立たしく思っていたのだがね、今回に限っては偉大なる大魔導士の父さんに感謝だよ」
「で、いつものような状況になったわけだな? 用済みになった女をここに転移させて、化け物に殺されるのを見るのがお前の楽しみなんだろう? いい趣味じゃねぇか。今回は俺たちが化け物に殺される番だってか」
「僕の趣味を褒めてくれてありがとう、キリマル。そう、君たちはそこで骨ムカデの餌食となる。用事があって見れないのが残念だけどね。ああ、それからビャクヤ。君の大事なご主人様は、まだ僕の館にいるよ。でも、そのまま学園に帰られても困るので、アサシンを送っておいた。早くそこから脱出しないと、リンネとキャスは暗殺者に殺されてしまうだろうね。まぁ、マナのとても少ないその空間から脱出するのは不可能だろうけどさ。頑張って脱出を試みてくれたまえ。では通信終わり。君たちとは、これでさようならだ。永遠にね!」
ハ! 調子こいてんな、サムシンめ。
「キリマルッ! 早くその化け物を倒してくれたまえッ!」
「ああ、直ぐに終わる」
俺は攻撃を避けつつも、折った骨ムカデの脚の欠片を何個か拾っておいた。
「一応爆発も火が関係しているし、アンデッドに効果あるよな?」
俺が投げた骨の欠片が骨ムカデのあちこちで爆発する。
すると爆発に巻き込まれた骨ムカデの体から、また骨の欠片が落ちてくるので、それを拾って投げつける。爆弾の材料は骨ムカデ自身だぜ。ヒャハハ!
骨ムカデの脚が爆ぜ、鎌の腕も弾けてなくなり、ブレスを吐こうとした口にも爆弾と化した骨片が入って爆発する。
「ひゃー! 気持ちいいねぇ。効果抜群だわ」
「普通はッ! この手の上級アンデッドは砕いても元通りになったりするものだがねッ! 体の一部が爆弾になっているのだから元通りになりようがないッ!」
俺の活躍を頷きながら見ている誰かさんが氷や闇の魔法ではなく、光や火の魔法を得意としてくれていれば、今頃は簡単に骨ムカデに勝てていたのだろうなぁ?
爆弾骨片を投げまくったので、最終的に骨ムカデは粉々になってしまった。
「すごいお! キリマル! そんな能力あるなんて! まるでエックスメンに出てくるガンビットみたいでカッコイイお!」
骨ムカデに勝利したのでマサヨシがはしゃいでいる。
「いや、お前のに比べたら俺の能力はハズレだろ。魔法が効かないのはチートだぞ」
「拙者は適当に異世界に来てるから、自分の能力について殆どなんも知らないんでつ。死ぬと元の世界に戻って暫く異世界の事は忘れてしまうから、なるべく死にたくないんでつよ。引きこもりは肩身が狭いでつからね。おふっ! おふっ!」
「って事はマサヨシは魔法無効化の他に、異世界転移だか転生だかを任意でできる能力もあるのかよ。ずりぃぞ!」
「だから自分の能力についてはよく知らないんだってば。なんでそんな能力があるのかも拙者自身、不思議に思っているのでつから」
「そういった話はあとにしてくれたまえッ! キリマル! すぐにでも蘇生可能な死体を斬ってくれぼんぬッ! 早くしないと主様が酷い目に遭うゆえッ!」
生き返らせる事ができるとはいえ、暗殺者にリンネが灰にされたらお手上げだ。
ある程度肉体がないと蘇生は不可能みたいだからな。死体の一部を、俺がただの物体だと認識してしまうと駄目らしい。
蘇生が不可能だと思い込んで、死体の一部を斬ればいいと思うかもしれないが、俺の中の思考や感情が色々と邪魔をして無理だった。それはリンネのへその緒の時で立証済みだ。
「マサヨシはビャクヤの近くにいろよ。お前が近くにいると魔法が消えたりしねぇからよ(そういや、こいつの周りだけマナが発生するのも能力か? 能力は一人に一個じゃねぇのかよ!)」
「うぃ」
「ビャクヤはいつでも転移できるようにしとけ。敵は一体だけとは限らねぇからな」
「言われるまでもないんごッ!」
俺は腐乱死体を次々とアマリで刺していく。アマリは時々オエッ! とか臭いと文句を言うがそんなもんは無視だ。
五分後に蘇った死体は十人中八人だった。残り二人は、白骨化していたので無理だったわ。南無。
まだほかに死体はあるかもしれねぇが、こんなもんでいいだろ。
生き返った女たちの殆どが、悪魔である俺に怯えていたが、事情は後だと言って無理やりビャクヤの近くに集めたその時。
カシャカシャと骨ムカデの地面を引っかく足音が聞こえてきた。
「やはり一匹じゃなかったか、それとも倒しても倒しても無限に湧くのか?」
その足音を聞いて女たちが悲鳴を上げる。骨ムカデに殺されたのだから怖いのは解るが、今はただただウルセェ。
黙れと、怒鳴って女たちを静かにさせると、俺はビャクヤに合図を送った。
「よし、いいぞ! ビャクヤ! 転移魔法を使え」
「了解ッ! ザーザード・ザーザード・・・」
は? もう転移魔法はいつでも発動可能だろうが。なに勿体ぶってんだ?
「早く! 早くあの魔物を何とかしてよ!」
怯える女たちはまた騒ぎ始めた。ほんとうるせぇな。騒ぐのは俺に殺される時だけにしろ。
灯りに群がる虫を狙う蝙蝠のように、生者を狩りにやって来た骨ムカデが鎌を振り上げた。
「んんん! ロケーション☆ムー―ヴッ!」
こいつ、このスリルのためだけに魔法発動を遅らせたな? リンネが殺されるから急げとか言ってたくせによ・・・。
骨ムカデの鎌が俺たちのいた場所を斬って空振りするのを、意識が暗転する一瞬の間に別次元から垣間見る。
「おふふっ! ザマァ! 骨ムカデ!」
マサヨシの嬉しそうな声を聞きながら、俺たちはこの腐敗臭のする暗い亜空間を後にした。
「何やってんだ? ビャクヤ。成敗する相手を間違えてんぞ。そんな余裕があるのか?」
ビャクヤめ、マサヨシに魔法が通じなくて動揺したか? ターゲットを間違えたな?
俺はまだマサヨシの魔法を警戒している。奴が魔法を発動させた瞬間に、魔法そのものを斬ってそのままマサヨシを仕留めるつもりだ。しくじれば恐らく俺たちは全滅するだろうよ。
「ハハッ! キリマルッ! 吾輩は何も間違えてなどいないんぬッ! マサヨシを攻撃する必要もないんごッ!」
なんだ【読心】の魔法を使ってやがったか。今俺の心の声に返事をしたぞ。
「ってぇと、どういう事だ?」
「素直な気持ちで考えたまえッ!」
あん?
「鈍いな、キリマル。犯人はサムシンだったって事だよッ!」
「じゃあなんでマサヨシは、あんな悪の帝王みたいな対応をした?」
マサヨシは只者じゃねぇぞ。こいつの存在感のせいで、サムシンを犯人だとは思えなかったんだわ。
「マサヨシもまたアクターだったという事さ! 吾輩のようにッ!」
お前がいつなにを演じたんだよ。その白々しいキャラクターがそうだって言いてぇのか?
「おふっ! おふっ! 拙者を驚かせるサプライズは終わりましたかな? 今日はあれでそ? 変態趣味の人が集まって乱交パーティ的な事をする日だったんでそ? つい皆のノリに乗って悪の帝王をロールプレイしてしまいますたが、正解でしたかな?」
こいつ何も知らずにサムシンに従っていたのか。
「白々しいぞ! マサヨシ! お前がこの事件の首謀者だ! 正直に言え! ぐえっ!」
体を起こそうとしたサムシンの頬をキャスがダンッ! と踏んだ。
「あ・な・たが! 首謀者なの! もうこれでお終いよ! 大魔導士のグレアト様もこんな愚息がいたせいで魔法院院長を辞職するでしょうね。そうなったら貴方はただの一般人よ! 私と同じね! ただのメイジ!」
ビャクヤが仮面を押さえて首を振る。
「詰めが甘かったね、サムシン。君はマサヨシに罪を被せたいという気持ちが強過ぎたせいで、【読心】で簡単に心が読めたよ」
「くそぉ!」
捕縛されて自由の利かないサムシンは、青ざめた顔をしつつも吠えた。
それから狂ったように笑う。
「アハハ! ・・・だったらさぁ!」
部屋の床が突然光り出した。廊下にいたリンネ以外が下からの光で目を細める。
「ハハ! 僕は器用でね! 魔法の才能に加えて魔法の罠を作るのも得意なんだ。地上で見た魔法の回転床はビャクヤ達に簡単に突破されたけど、これはどうかなぁ?」
ああ、あの罠は正解の道にだけ、お前の匂いが染みついていたからな。簡単だったわ。
「リンネ、そこをどけ。邪魔だ」
俺はリンネに部屋の入口から少し下がらせると、サムシンを踏むキャスを強引に引っ張って廊下に出し、そのままビャクヤを掴もうとした。
(こいつに死なれちゃ困る)
「廊下にいる二人は道連れにはできなかったが、まぁいいさ! ようこそ! 無限の闇が広がる亜空間の世界へ!」
「おふ?」
マサヨシは何が起きているのか分からないという顔で驚いている。
「亜空間? ビャクヤ! 転移魔法を唱えろ!」
「了解んごッ!」
ビャクヤは威力の大きい魔法以外は詠唱が早い。イメージ力というのか? それが優れているせいか。
しかし、今回はコンマ何秒かの差で間に合わなかった。
馴染みあるビャクヤの転移魔法のような感覚が俺を襲った。くそったれが。俺はこれが苦手なんだわ。吐きそうだ。
耳鳴りがするほど、亜空間は静かだった。
しかしすぐにそれを否定するように、なにかが静寂を破りやがる。
ブブッ! と屁をひるような音がして辺りに腐敗臭が漂う。
元々うっすらと腐敗臭はしていたが、その音がすると、臭いは強烈になるのだ。鼻が曲がりそうだぜ。
俺の能力が進化しているせいか目を凝らすと、灯り一つない暗闇を見通せるようになっていた。
そんなに数はないが、弄ぶように袈裟斬りされた死体があちこちにある。傷は浅いので死因は恐らく出血死だろう。
となると屁の音は死体から排出される、腐敗ガスの音か。
離れた場所で光球が、亜空間の闇を照らした。
人が光の子ってのはよくいったもんだ。
灯りがあるだけで心のどこかで安堵する自分がいる。
が、暗視のできる俺の目には、暗闇に上がる大きな光球は無駄に眩しく見えた。
普通の【灯り】の魔法と違ってかなり広範囲を照らしている。ありゃあビャクヤの魔法だろうよ。
結構遠くだな。俺たちはバラバラに飛ばされたらしい。
俺は光に吸い寄せられる蛾のように灯りに近づくと、光球の下で変態仮面がこちらを見ていた。
上からの光に照らされて、シルクハットの下に影を作るその姿は不気味で、どことなく彼の祖父に似ていると俺は思った。
ビャクヤの祖父のナンベルはピエロのような見た目なので、ピエロを異様に怖がるアメリカ人が、夜道で彼を見たら逃げ出すだろうな。
「やぁキリマル。この亜空間に空気があって良かったよッ! 普通は無限鞄の中のように徐々に時間が止まったり、真空で息ができなかったりするのだがねッ! 君も無事でよかったッ!」
ナンベルと似ていない所も多い。こいつは陽キャで善人だという事だ。
「まじか」
まぁ、運よく生きてたならそれでいい。
俺は何となくビャクヤの出した光球を見た。
そういやこの魔法は、たまに読む魔法大百科に掲載されてたな。
たしかこれはコモンマジックの【偉大なる灯り】だったか?
ありふれたコモンマジックを使うのは、ビャクヤが光魔法を苦手とするからだろう。
「勿論、光魔法を使えないこともないのだがね。詠唱に時間がかかって効率が悪い上に、威力や効果も期待できない」
俺の心を読んで返事をするビャクヤは、こんな状況でもシュバシュバと動くのでうっとおしい。
「おい! お前の灯りの魔法の効果がもうなくなりそうだぞ」
魔法の灯りをつけてまだ五分も経っていない。
「ここはマナが少ないからねッ! 吾輩の体内に蓄えたマナだけでは、長時間の点灯は無理なのだよッ!」
体内のマナが着火剤みたいなもんで、魔法を継続させるには周囲のマナを必要とするのか。勉強になったが今はそんな知識は要らねぇ。
「マサヨシとサムシンはどこだ?」
「おふっ! 拙者、参上!」
マサヨシも光を目指してやってきた。
不思議な事にマサヨシが近づくとビャクヤの【偉大なる灯り】の効果が本来のものへと戻っていく。弱々しくなっていた光球が今は眩しい。
「これもお前の能力か? マナを発生させる力・・・」
俺は一応マサヨシを警戒して柄を握り、いつでも刀を抜ける用意はしておく。
「何の事でつか? そんな事よりも、ここに来るまでに女性の腐乱死体をいくつか見つけたお。怖くてちびりそうだったので、君たちがいてくれて世界に感謝感激チンシュッシュ。おふっおふっ!」
マサヨシはマスを掻くような動作をした。なんで感謝する事とマスを掻く事を繋げたのかは分からないが、語呂が良いからだろう。しょうもねぇ奴だ。
「それらの女性はッ! 恐らくはサムシンに玩具にされた者の末路ッ! 気の毒過ぎるッ!」
ビャクヤが芝居がかった動作で首を振ってから、チラリと俺を見ている。
「犠牲者を生き返らせるのは後だ。今は脱出方法を考えるのが先だぞ。それからサムシンを探して殺さねぇとよ。恐らく捕縛の魔法は解けているだろうしな。必ず俺たちに攻撃を仕掛けてくるはずだ」
突然、カシャカシャカシャと大理石を爪で引っ掻いて歩く、犬の足音ようなものが聞こえてくる。
ヌゥと暗闇に大きな髑髏が一瞬浮かんで消えた。そして暫く周囲をカシャカシャと移動した後、音は止んだ。
音が止まると暗闇から大きな白い鎌のようなものが、光に照らされて振り下ろされた。
俺は刀を抜くと、敵の標的となったマサヨシを蹴飛ばして魔刀アマリの腹で攻撃を受ける。
アマリよ、折れるなよと祈りつつ、骨の鎌の攻撃を往なして次の攻撃に備えた。
「なんかいるぞ! マサヨシはビャクヤの近くにいろ! 裏切って俺たちの邪魔したらぶっ殺すからな」
ヒュッ! とまた白い鎌が闇から現れるが、今度は一つではなかった。続いて三回、計四回の攻撃が俺を狙う。腕が四本あるって事だ。
「悪魔の回避力を舐めるなよ」
油断していたり、掴まれたりしない限り俺は誰の攻撃も受けねぇ。
残像を作って、化け物のピッケルのような突き刺し攻撃を避ける。侍と忍者の良いとこ取りみたいな人修羅の能力に感謝だ。
更に四本の腕を駆使した、白雨みじん斬りのような攻撃をひょいひょいと躱して、俺はアマリを鞘にしまった。
「ビャクヤは対アンデッドの攻撃手段が乏しく、俺は骨が苦手。だからこれしか攻撃手段はねぇ」
乾いた骨に刀の刃が当たると刃こぼれしそうで嫌なんだわ。どうもアマリに情が移ったのか、傷物にしたくねぇという気持ちが働く。
しかも骨相手に斬撃は大してダメージも与えられねぇしよ。だから刀を鞘にしまって打撃武器とする。
そもそも鞘が壊れないという保証もないが、今俺にできるのはこれだけだ。
俺が戦っている間、背後でビャクヤが長々と魔法を詠唱した末に、アマリに光属性を付与した。
「ないよりはマシか」
光魔法の苦手なビャクヤが付与した、効果の期待できない【光の剣】は、それでも鞘を光らせて対アンデッド武器に変えた。
元々魔刀天邪鬼は魔法の刀なのでアンデッドには有効だが、やっぱり骨が相手だと大したダメージを与えねぇ。
が、今は打撃プラス光属性。
一秒間に五回武器を振る事ができる俺は、光に照らされた骨ムカデの脚をなんとか折る事に成功した。
たった一本折るだけで一秒もかかる。一秒は短いと思うかもしれないが、相手の攻撃を回避しながらの反撃なので、無数にある脚の一本を折っただけでもスタミナは結構減る。
そんな苦戦する俺の後頭部で、何かが弾けた。
「いてぇ! 何しやがる! 裏切ったら殺すと言ったはずだがな、マサヨシ!」
マサヨシの魔法が俺の近くで弾けたのだ。あいつの放った魔法は周囲に影響を及ぼすタイプのものだった。
「違うぞ、キリマルッ! マサヨシは鎌しか見ていない君をブレス攻撃から守ったのだッ!」
よく見ると背後の暗闇の中で髑髏が浮かんでいた。骨ムカデは長い首を伸ばして俺の背後に頭を回り込ませて、ブレスを浴びせようと狙っていたのだ。
マサヨシの魔法攻撃を受けて髑髏の歯は折れ、ブレスを吐くと、口の周りで拡散して上手く吐く方向を定められなくなっていた。
「よくやった、褒めてやるぜ。マサヨシ」
「おふっ! おふっ! どういたしまして! がんばえ~! キリマルっ! がんばえ~!」
んだぁ? その幼女みたいな応援の仕方は! ふざけてんのか。
「ハハ! 僕の作り出した亜空間で必死になって魔物と戦っているね。なんて哀れなんだ!」
同情なんて一片も感じとれねぇ、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「あ? その声はサムシンだな? いいから出てこいよ、ぶっ殺してやっから」
俺は骨ムカデの鎌を避けながら、サムシンの声がする亜空間の暗い空を見たが誰もいなかった。
「残念ながら、そこへは行けない。どうも僕は運が良いらしい。魔法の罠床によって、亜空間に転移される直前に父さんの【人探し】の魔法に引っかかった。そのまま【引き寄せ】の魔法を受け、なんと僕は今! 実家の玄関前に立っている! 父さんは僕が何をしていようが、用事がある時はこうやって無遠慮に呼び出すんだ。いつもは腹立たしく思っていたのだがね、今回に限っては偉大なる大魔導士の父さんに感謝だよ」
「で、いつものような状況になったわけだな? 用済みになった女をここに転移させて、化け物に殺されるのを見るのがお前の楽しみなんだろう? いい趣味じゃねぇか。今回は俺たちが化け物に殺される番だってか」
「僕の趣味を褒めてくれてありがとう、キリマル。そう、君たちはそこで骨ムカデの餌食となる。用事があって見れないのが残念だけどね。ああ、それからビャクヤ。君の大事なご主人様は、まだ僕の館にいるよ。でも、そのまま学園に帰られても困るので、アサシンを送っておいた。早くそこから脱出しないと、リンネとキャスは暗殺者に殺されてしまうだろうね。まぁ、マナのとても少ないその空間から脱出するのは不可能だろうけどさ。頑張って脱出を試みてくれたまえ。では通信終わり。君たちとは、これでさようならだ。永遠にね!」
ハ! 調子こいてんな、サムシンめ。
「キリマルッ! 早くその化け物を倒してくれたまえッ!」
「ああ、直ぐに終わる」
俺は攻撃を避けつつも、折った骨ムカデの脚の欠片を何個か拾っておいた。
「一応爆発も火が関係しているし、アンデッドに効果あるよな?」
俺が投げた骨の欠片が骨ムカデのあちこちで爆発する。
すると爆発に巻き込まれた骨ムカデの体から、また骨の欠片が落ちてくるので、それを拾って投げつける。爆弾の材料は骨ムカデ自身だぜ。ヒャハハ!
骨ムカデの脚が爆ぜ、鎌の腕も弾けてなくなり、ブレスを吐こうとした口にも爆弾と化した骨片が入って爆発する。
「ひゃー! 気持ちいいねぇ。効果抜群だわ」
「普通はッ! この手の上級アンデッドは砕いても元通りになったりするものだがねッ! 体の一部が爆弾になっているのだから元通りになりようがないッ!」
俺の活躍を頷きながら見ている誰かさんが氷や闇の魔法ではなく、光や火の魔法を得意としてくれていれば、今頃は簡単に骨ムカデに勝てていたのだろうなぁ?
爆弾骨片を投げまくったので、最終的に骨ムカデは粉々になってしまった。
「すごいお! キリマル! そんな能力あるなんて! まるでエックスメンに出てくるガンビットみたいでカッコイイお!」
骨ムカデに勝利したのでマサヨシがはしゃいでいる。
「いや、お前のに比べたら俺の能力はハズレだろ。魔法が効かないのはチートだぞ」
「拙者は適当に異世界に来てるから、自分の能力について殆どなんも知らないんでつ。死ぬと元の世界に戻って暫く異世界の事は忘れてしまうから、なるべく死にたくないんでつよ。引きこもりは肩身が狭いでつからね。おふっ! おふっ!」
「って事はマサヨシは魔法無効化の他に、異世界転移だか転生だかを任意でできる能力もあるのかよ。ずりぃぞ!」
「だから自分の能力についてはよく知らないんだってば。なんでそんな能力があるのかも拙者自身、不思議に思っているのでつから」
「そういった話はあとにしてくれたまえッ! キリマル! すぐにでも蘇生可能な死体を斬ってくれぼんぬッ! 早くしないと主様が酷い目に遭うゆえッ!」
生き返らせる事ができるとはいえ、暗殺者にリンネが灰にされたらお手上げだ。
ある程度肉体がないと蘇生は不可能みたいだからな。死体の一部を、俺がただの物体だと認識してしまうと駄目らしい。
蘇生が不可能だと思い込んで、死体の一部を斬ればいいと思うかもしれないが、俺の中の思考や感情が色々と邪魔をして無理だった。それはリンネのへその緒の時で立証済みだ。
「マサヨシはビャクヤの近くにいろよ。お前が近くにいると魔法が消えたりしねぇからよ(そういや、こいつの周りだけマナが発生するのも能力か? 能力は一人に一個じゃねぇのかよ!)」
「うぃ」
「ビャクヤはいつでも転移できるようにしとけ。敵は一体だけとは限らねぇからな」
「言われるまでもないんごッ!」
俺は腐乱死体を次々とアマリで刺していく。アマリは時々オエッ! とか臭いと文句を言うがそんなもんは無視だ。
五分後に蘇った死体は十人中八人だった。残り二人は、白骨化していたので無理だったわ。南無。
まだほかに死体はあるかもしれねぇが、こんなもんでいいだろ。
生き返った女たちの殆どが、悪魔である俺に怯えていたが、事情は後だと言って無理やりビャクヤの近くに集めたその時。
カシャカシャと骨ムカデの地面を引っかく足音が聞こえてきた。
「やはり一匹じゃなかったか、それとも倒しても倒しても無限に湧くのか?」
その足音を聞いて女たちが悲鳴を上げる。骨ムカデに殺されたのだから怖いのは解るが、今はただただウルセェ。
黙れと、怒鳴って女たちを静かにさせると、俺はビャクヤに合図を送った。
「よし、いいぞ! ビャクヤ! 転移魔法を使え」
「了解ッ! ザーザード・ザーザード・・・」
は? もう転移魔法はいつでも発動可能だろうが。なに勿体ぶってんだ?
「早く! 早くあの魔物を何とかしてよ!」
怯える女たちはまた騒ぎ始めた。ほんとうるせぇな。騒ぐのは俺に殺される時だけにしろ。
灯りに群がる虫を狙う蝙蝠のように、生者を狩りにやって来た骨ムカデが鎌を振り上げた。
「んんん! ロケーション☆ムー―ヴッ!」
こいつ、このスリルのためだけに魔法発動を遅らせたな? リンネが殺されるから急げとか言ってたくせによ・・・。
骨ムカデの鎌が俺たちのいた場所を斬って空振りするのを、意識が暗転する一瞬の間に別次元から垣間見る。
「おふふっ! ザマァ! 骨ムカデ!」
マサヨシの嬉しそうな声を聞きながら、俺たちはこの腐敗臭のする暗い亜空間を後にした。
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