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マサヨシ・ザ・フリーザ
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「じゃ、じゃあするから・・・。チュー・・・」
リンネはカチューシャで、邪魔な髪を纏めて額を出すと、マサヨシの頬に唇を近づけた。
(おほぉぉぉ! キタキタ! 来ましたぞーー! 美少女のチッス! 言ってみるもんだわ~。無欲の勝利ってやつ? 頬にチッスしてもらうくらいが丁度いい思い出になるんでつよ。これ以上を望むとあれこれと、不満やらネガティブな感情やらが絡んで、いや~な気分になるんでつ。肉食系男子の人にはそれがわからんのでつ)
「や、止めときなさいよ。ボーンさん。そいつは変態よ! 私のおしっこを嬉しそうに飲んでたもの・・・」
浮かれるマサヨシを見て、律儀に約束を守ろうとするリンネをキャスは止めた。
しかしマサヨシも、あらぬ変態癖を勝手に追加設定されたので怒る。
「は? え? は? 嬉しそう? は? 誰が? え? 拙者が嬉しそうに君のおしっこを飲んでたって? 喜んで飲んだ証拠は? 寧ろ拙者は顔にくっさい小便ぶっかけられたので萎え~なんでつが?」
「私の黄金水は臭くないわよ! きっとタクトならワインのテイスティングみたいな感じで飲んでくれるんだからね! あんたも嬉しそうに飲んでたじゃない! そりゃあもう、ゴクゴクと!」
「は? ビキビキ! あ、このビキビキって怒りで額の血管が浮いた時の表現ね。っていうか拙者に飲尿の趣味なんてありませんがぁ?」
ギンッ! と音がしてマサヨシの顔に向かって、集中線が書き込まれそうなぐらい彼は怒った。
「もう、そんな事どうでもいいじゃない。マサヨシは今は味方になってくれているんだし、その代わりホッペにキスをするって約束したんだから、約束は約束よ」
「リンネがキスする事なんてないわよ! ふ、ふん!仕方ないわね。じゃあ代わりに私にキスしなさいよ。マサヨシだってしたいんでしょ? 顔にそう書いてあるわよ。それにこれは友達を救うためにされるキス。だからタクトも許してくれるわ」
ピグモンに似たキャスが、これは尊い自己犠牲だといわんばかりの態度で、リンネの身代わりを申し出た。
「どの口が言っとるんじゃ! あほが! 鼻フックの限界まで挑んで死ね! ・・・さぁ、リンネたん。熱くて濃厚なチッスを我が頬に・・・」
マサヨシの豹変ぶりに、リンネが苦笑いしながら頬に唇を寄せたその時。
「あいつです! あの男が僕を操って悪さをさせたマサヨシという怪人です!」
サムシンがこちらを指さして部屋の入り口に立っている。
マサヨシは、サムシンが敵対しているはずのビャクヤやキリマルを連れて帰ってきたので、ドッキリか何かだと思った。だからふざけて返す。
「そうでぃす! 私が悪さをしたマサヨシです。この世界に満ちる全てのマナを我が物にせんが為、異世界からやってきた怪人、それが私でぃす」
結局、仕置き部屋にいた誰もが水晶を見てない。サムシンが魔法水晶でビャクヤとキリマルを映そうとした時には、既にケルベロス戦は終わっていたのだ。
なので上で何があったかを三人は知らない。マサヨシがふざけるのも無理はなかった。
「学園で見た感じでは内向的で、無害そうな用務員だとは思っていたのだがねッ!」
サムシンの背後に身長百八十センチほどのビャクヤが現れた。
踊るように部屋に入ってきたビャクヤだったが、リンネがマサヨシの頬に唇を近づけていたのを見て、肩を怒らせる。
「あっ! ああああ! あばああばばば! 主様を脅すなりッ! 操るなりしてッ! キスをさせようとしていたのかねッ! マサヨシッ! なななな、なんたる卑劣漢かッ! ぐぎっ! ぐぎぎぎぎ!」
急に部屋が寒くなったのでキャスが震え出した。激高したビャクヤの魔力で空気が凍り始めたのだ。
「なに? なんで寒いのよぉ!」
「これは違うの、ビャクヤ! あのね・・・」
事情を話そうとしたリンネの声をビャクヤの怒りが遮る。
「ゆるっ! ゆるしっ! 許しませんよぉッ! マサヨシッ! キィエエエエエエエエ!!」
ビャクヤの体からマナが溢れだし、部屋の中で暴れて嵐のようになる。
(おふふゅ! これも拙者を驚かそうとしているサムシンの企てだな? 騙されませんぞぉ)
「【絶対零度】!」
「こりゃあ、あぶねぇ!」
魔法が完了する前に、キリマルが素早く部屋に入ってリンネとキャスを担いで連れ出す。
(おっぷ! この不細工女、なんか小便くせぇ・・・)
二人を廊下に下すと、嫉妬と怒りで身を震わせるビャクヤの肩を、キリマルが拳骨で叩いた。
「おい、ビャクヤ! お前の大事な主様が凍るところだったぞ! 気を付けろ! (点数稼ぎ)」
基本的に攻撃魔法は味方を巻き込まない。が、意図せず周囲に効果を及ぼす魔法もある。【火球】は火が物に燃え移って火事になる事もあるし、今回の【絶対零度】は部屋の空気と床を凍らせてしまった。
「あーあ、こりゃオーバーキルだな。マサヨシが氷の柱になっちまった」
まだ怒りを抑え込もうと必死なのか、ビャクヤは喋らない。深呼吸をして精神統一をしている。
「ねぇ、何でサムシンが当たり前のような顔してここにいるわけ? こいつが誘拐事件の首謀者なのよ?」
キャスがリンネの背中に隠れて震える。
「違うッ! 僕はさっき正気に戻ったのだよ! この事件の真の犯人はマサヨシだっ! (死人に口なし。最後に役に立ったな、マサヨシ!)」
サムシンがそう言って指さした氷柱に、ピキンと亀裂が走る。
その亀裂から「オフッオフッ」と笑い声が聞こえてきた。
ビャクヤの怒りはすっかり冷めて、驚きの表情を仮面に宿した。
「んんんん! 馬鹿なッ! あの魔法を受けて生き延びた者はいないッ! なのにッ!」
バリンと割れて、中から中野ブロードウェイ辺りを徘徊していそうな普通のオタクっぽい男、マサヨシが現れる。
「ホッホッホ。私の洗脳から逃れるとはやるじゃないですか、ベジー・・・。サムシンさん」
(こいつ、ベジータと言おうとしたぞ。フリーザにでもなりきっているつもりか? しかし、ビャクヤの超強力な魔法をどうやって防いだ? あんなもん、まともに喰らえば百回ぐらいは、あの世に行けるぞ)
キリマルは汗で滲む手をズボンで拭いてから、刀の柄を握っていつでも攻撃できるように身構えた。
キリマルとは違う意味で動揺して気が気でないサムシンは、それでも洗脳されていたという芝居を止めない。
「(どうやって、魔法から逃れた! 【絶対零度】は即死とダメージの両方の効果があるのだぞ!)は、早くマサヨシを倒しちゃってください! ビャクヤ!」
全ての罪をマサヨシに被せたい。サムシンはその事ばかりを考えてビャクヤにマサヨシへの攻撃を要請した。
「わかりもうしたッ! 任せなさいッ! ではッ! いきますよッ! 邪悪なるマサヨシッ!」
「ホッホッホ。無駄な事を。私に逆らった事を後悔させてあげますよぉ!」
マサヨシは左手を後ろに回し、右手の人差し指の先にデスボールのような玉を作っている。
(異世界人ってのはチート能力やチートスキルを持つ割合が高そうだもんな。ゴデの街の近くで会った勇者や、俺の爆発の手はハズレっぽいな・・・。もしかしたらマサヨシってやべぇ奴なんじゃねぇのか? マサヨシのあの攻撃は何となくだが、空間ごとあらゆるものを削りそうだ)
キリマルは透過する黒の球から目を離さずに、もう一度汗ばむ掌をズボンで拭き直した。
「【捕縛】!」
(は? 捕縛? とんでもねぇ化け物相手にその魔法はカジュアル過ぎねぇか? ビャクヤ。駄目だこりゃ)
ビャクヤの魔法のチョイスに驚き、キリマルは念のため幾つかのスキルを発動させた。
リンネはカチューシャで、邪魔な髪を纏めて額を出すと、マサヨシの頬に唇を近づけた。
(おほぉぉぉ! キタキタ! 来ましたぞーー! 美少女のチッス! 言ってみるもんだわ~。無欲の勝利ってやつ? 頬にチッスしてもらうくらいが丁度いい思い出になるんでつよ。これ以上を望むとあれこれと、不満やらネガティブな感情やらが絡んで、いや~な気分になるんでつ。肉食系男子の人にはそれがわからんのでつ)
「や、止めときなさいよ。ボーンさん。そいつは変態よ! 私のおしっこを嬉しそうに飲んでたもの・・・」
浮かれるマサヨシを見て、律儀に約束を守ろうとするリンネをキャスは止めた。
しかしマサヨシも、あらぬ変態癖を勝手に追加設定されたので怒る。
「は? え? は? 嬉しそう? は? 誰が? え? 拙者が嬉しそうに君のおしっこを飲んでたって? 喜んで飲んだ証拠は? 寧ろ拙者は顔にくっさい小便ぶっかけられたので萎え~なんでつが?」
「私の黄金水は臭くないわよ! きっとタクトならワインのテイスティングみたいな感じで飲んでくれるんだからね! あんたも嬉しそうに飲んでたじゃない! そりゃあもう、ゴクゴクと!」
「は? ビキビキ! あ、このビキビキって怒りで額の血管が浮いた時の表現ね。っていうか拙者に飲尿の趣味なんてありませんがぁ?」
ギンッ! と音がしてマサヨシの顔に向かって、集中線が書き込まれそうなぐらい彼は怒った。
「もう、そんな事どうでもいいじゃない。マサヨシは今は味方になってくれているんだし、その代わりホッペにキスをするって約束したんだから、約束は約束よ」
「リンネがキスする事なんてないわよ! ふ、ふん!仕方ないわね。じゃあ代わりに私にキスしなさいよ。マサヨシだってしたいんでしょ? 顔にそう書いてあるわよ。それにこれは友達を救うためにされるキス。だからタクトも許してくれるわ」
ピグモンに似たキャスが、これは尊い自己犠牲だといわんばかりの態度で、リンネの身代わりを申し出た。
「どの口が言っとるんじゃ! あほが! 鼻フックの限界まで挑んで死ね! ・・・さぁ、リンネたん。熱くて濃厚なチッスを我が頬に・・・」
マサヨシの豹変ぶりに、リンネが苦笑いしながら頬に唇を寄せたその時。
「あいつです! あの男が僕を操って悪さをさせたマサヨシという怪人です!」
サムシンがこちらを指さして部屋の入り口に立っている。
マサヨシは、サムシンが敵対しているはずのビャクヤやキリマルを連れて帰ってきたので、ドッキリか何かだと思った。だからふざけて返す。
「そうでぃす! 私が悪さをしたマサヨシです。この世界に満ちる全てのマナを我が物にせんが為、異世界からやってきた怪人、それが私でぃす」
結局、仕置き部屋にいた誰もが水晶を見てない。サムシンが魔法水晶でビャクヤとキリマルを映そうとした時には、既にケルベロス戦は終わっていたのだ。
なので上で何があったかを三人は知らない。マサヨシがふざけるのも無理はなかった。
「学園で見た感じでは内向的で、無害そうな用務員だとは思っていたのだがねッ!」
サムシンの背後に身長百八十センチほどのビャクヤが現れた。
踊るように部屋に入ってきたビャクヤだったが、リンネがマサヨシの頬に唇を近づけていたのを見て、肩を怒らせる。
「あっ! ああああ! あばああばばば! 主様を脅すなりッ! 操るなりしてッ! キスをさせようとしていたのかねッ! マサヨシッ! なななな、なんたる卑劣漢かッ! ぐぎっ! ぐぎぎぎぎ!」
急に部屋が寒くなったのでキャスが震え出した。激高したビャクヤの魔力で空気が凍り始めたのだ。
「なに? なんで寒いのよぉ!」
「これは違うの、ビャクヤ! あのね・・・」
事情を話そうとしたリンネの声をビャクヤの怒りが遮る。
「ゆるっ! ゆるしっ! 許しませんよぉッ! マサヨシッ! キィエエエエエエエエ!!」
ビャクヤの体からマナが溢れだし、部屋の中で暴れて嵐のようになる。
(おふふゅ! これも拙者を驚かそうとしているサムシンの企てだな? 騙されませんぞぉ)
「【絶対零度】!」
「こりゃあ、あぶねぇ!」
魔法が完了する前に、キリマルが素早く部屋に入ってリンネとキャスを担いで連れ出す。
(おっぷ! この不細工女、なんか小便くせぇ・・・)
二人を廊下に下すと、嫉妬と怒りで身を震わせるビャクヤの肩を、キリマルが拳骨で叩いた。
「おい、ビャクヤ! お前の大事な主様が凍るところだったぞ! 気を付けろ! (点数稼ぎ)」
基本的に攻撃魔法は味方を巻き込まない。が、意図せず周囲に効果を及ぼす魔法もある。【火球】は火が物に燃え移って火事になる事もあるし、今回の【絶対零度】は部屋の空気と床を凍らせてしまった。
「あーあ、こりゃオーバーキルだな。マサヨシが氷の柱になっちまった」
まだ怒りを抑え込もうと必死なのか、ビャクヤは喋らない。深呼吸をして精神統一をしている。
「ねぇ、何でサムシンが当たり前のような顔してここにいるわけ? こいつが誘拐事件の首謀者なのよ?」
キャスがリンネの背中に隠れて震える。
「違うッ! 僕はさっき正気に戻ったのだよ! この事件の真の犯人はマサヨシだっ! (死人に口なし。最後に役に立ったな、マサヨシ!)」
サムシンがそう言って指さした氷柱に、ピキンと亀裂が走る。
その亀裂から「オフッオフッ」と笑い声が聞こえてきた。
ビャクヤの怒りはすっかり冷めて、驚きの表情を仮面に宿した。
「んんんん! 馬鹿なッ! あの魔法を受けて生き延びた者はいないッ! なのにッ!」
バリンと割れて、中から中野ブロードウェイ辺りを徘徊していそうな普通のオタクっぽい男、マサヨシが現れる。
「ホッホッホ。私の洗脳から逃れるとはやるじゃないですか、ベジー・・・。サムシンさん」
(こいつ、ベジータと言おうとしたぞ。フリーザにでもなりきっているつもりか? しかし、ビャクヤの超強力な魔法をどうやって防いだ? あんなもん、まともに喰らえば百回ぐらいは、あの世に行けるぞ)
キリマルは汗で滲む手をズボンで拭いてから、刀の柄を握っていつでも攻撃できるように身構えた。
キリマルとは違う意味で動揺して気が気でないサムシンは、それでも洗脳されていたという芝居を止めない。
「(どうやって、魔法から逃れた! 【絶対零度】は即死とダメージの両方の効果があるのだぞ!)は、早くマサヨシを倒しちゃってください! ビャクヤ!」
全ての罪をマサヨシに被せたい。サムシンはその事ばかりを考えてビャクヤにマサヨシへの攻撃を要請した。
「わかりもうしたッ! 任せなさいッ! ではッ! いきますよッ! 邪悪なるマサヨシッ!」
「ホッホッホ。無駄な事を。私に逆らった事を後悔させてあげますよぉ!」
マサヨシは左手を後ろに回し、右手の人差し指の先にデスボールのような玉を作っている。
(異世界人ってのはチート能力やチートスキルを持つ割合が高そうだもんな。ゴデの街の近くで会った勇者や、俺の爆発の手はハズレっぽいな・・・。もしかしたらマサヨシってやべぇ奴なんじゃねぇのか? マサヨシのあの攻撃は何となくだが、空間ごとあらゆるものを削りそうだ)
キリマルは透過する黒の球から目を離さずに、もう一度汗ばむ掌をズボンで拭き直した。
「【捕縛】!」
(は? 捕縛? とんでもねぇ化け物相手にその魔法はカジュアル過ぎねぇか? ビャクヤ。駄目だこりゃ)
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