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オビオの精子
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厨房に立つオビオに顔を向けている事に気が付いたピーターが、馴れ馴れしく膝に小さな手を置いてきた。
「また麻痺毒クッキーみたいな事を想像してんの? なら大丈夫だよ。あの時は特別だったんだ。だってキリマルという最凶の悪魔を相手に、手段なんて選んでいられなかったからな」
皮膚を硬質化させて、膝の先からぶっといニードルを出し、ピーターの手を押し返す。
「どうだかな。そういや、あいつはいつも前髪パッツンの樹族の騎士と一緒だったろ。今日はどうした?」
ピーターはニードルに驚いて手を引っ込めた。
「あの冷血騎士サーカ・カズンは口が悪いからな。多分オビオは彼女と喧嘩して、気晴らしに散歩してたんじゃないかな」
「で、ジョギング中のダークと出会ったと」
「ジョギングではない! 毎朝の日課! 早朝暗黒夜行だ!」
早朝と言っておいて夜行とはこれ如何に・・・。
「そうか。どうでもいいわ、お前の日課の名前なんか。で、お前ら昨日の試合はどこまで見たんだ?」
俺はピーターが連れ去られた後に、宿屋に帰ってしまい試合を見ていない。
「我は、召喚士一人対メイジ六人の試合まで」
「吾輩と愛しきリンネはッ! 最後までッ!」
「で、オビオチームはどうだった?」
「オビオ君はッ! 終始サポート役でした。【再生】による回復と時々盾役」
「いつもどおりじゃん」
ピーターが俺のパンを盗んで齧りながら席に戻った。
「じゃあ戦闘のメインはサーカだけか?」
「ええ。あの樹族の騎士は能力値が高そうでしたッ! 臨機応変に動きますし、傭兵ギルドチームの半分をスタン系魔法と力だけでねじ伏せていまんしたッ! 試合終了時のお辞儀が、余裕さを醸し出してッ! 憎たらしくも格好が良かったですねッ!」
「戦いはオビオと二人だけで?」
「いいえ、勿論クロノ団長の部下も一緒ですよ。オビオチームは魔法騎士団所属ですからねッ! メイジと僧侶がいましたッ!」
「それでも四人だろ? 傭兵チームは何人だった?」
「六人。全員が戦士系でした。勿論彼らは真っ先に後衛を狙っておりまんしたがッ! 料理人であるオビオ君がッ! 上手いこと僧侶とメイジを守って、悉く攻撃を小盾でパリィするのです。彼はキリマル程ではありませんがッ! 五感が鋭いようですねッ! ただ攻撃はいまいちな戦士という感じでしたッ! 結構ミスが多かったですッ!」
「なるほどな。オビオにパリィされて怯んでいる間に、味方のメイジが攻撃魔法を当てるパターンか」
「ええ。それで三人を沈め、残りの三人はサーカさんがッ! 僧侶の支援を受けながら三人を倒しておりますッ!」
「うむ。報告、ご苦労」
「フヘヘへ、ありがとうございますッ! キリマル閣下!」
それ誰の物真似だ、ビャクヤ・・・。どうせこっちの世界の番組のキャラだろうがよ。
印象としては普通だな。オビオチームが特別強いという感じはしない。いや、世界的に見てニムゲイン人は経験値が足りないせいか、オビオとサーカが強く見えるだけかもしれん。
(ニムゲイン人で最強なのは、もしかしたらリンネかもしれんな。なにせ、こいつの伸び率は異常。人間種は一生に一度上がるか、上がらないかの能力値なのに、この女はメキメキと上がってやがる。今じゃ機動力こそないものの、ちょっとした魔法援護の出来る鉄の要塞みたいなもんだ)
もしかして・・・。蘇生時になにかされたんじゃねぇのか? 科学者(ヒジリ)の事だ、ウメボシにこっそりと命令して、リンネの体を実験台にしたに違いねぇ。
硬いステーキ肉をぺろりと平らげて、オビオの料理を待つリンネを見て俺は視線を厨房に戻す。
オビオは実に楽しそうに料理を作っていやがる。殺しや性に爛れた俺たちとは、丸で無縁の世界に生きているような、明るいオーラ。
それを悪魔の俺が邪魔しねぇわけねぇ。
「おい、アマリ。刀に戻れ」
アマリはコクリと頷くと刀に戻った。
「どうしたねッ! キリマルッ!」
「なぁに、ちょっとした野暮用よ。すぐに戻る」
「トイレでしょ。食事中なんだから察してあげなさいよ」
リンネにたしなめられてビャクヤは「失礼」と謝って上品に紅茶を飲む。
俺はアマリの柄を握りると自分の影に沈んだ。
影空間の中からは大きなオビオがそこそこ広い厨房で料理をしているのが見える。並んでいる器具は見たこともない未来的ななんかだ。未来の地球から持ってきた器具だろうさ。
「毒を盛っている様子はねぇな」
調理台は割と背が高く、大男のオビオでも、屈まずになんとか料理ができる高さだ。
そしてかなりの時間、腰を台に押し付けて影を作っている。
それを見て俺はニヤリとした。
「おい、アマリ。オビオの料理の邪魔をしろ。突っつくとかしてな。それから、あそこから(レッグポーチから)何かしらの情報を盗め」
そう言って俺はオビオのレッグポーチを指差した。
「わかった」
意図を理解した人型アマリを影空間に残して俺は席に戻る。
そして椅子の陰から現れて、椅子に座って白々しく喚いた。
「早くしろよ、オビオ。また腹が減ってきたからよ!」
厨房に聞こえるようにそう言うと、狙い通りオビオがモジモジしながら返事してくる。
「わ、わかってるよ! ちょっとぐらい待てよ!」
あの様子からして、アマリはオビオの脇腹辺りをツンツンしてるな?
オビオは体をクネクネさせている。クハハ! 面白ェ!
奴は不思議そうな顔で何度も調理台の下部を見ている。クァーハハハ! 阿呆め!
ん? オビオの顔が急に真っ赤になったぞ。
返すフライパンの手に力がない。ははぁん。意地でも、こそばし攻撃に耐えきるつもりだな?
俺とアマリはテレパシーで会話可能だ。
(もっとやれ。それから命令通り、何かしらの情報を持ち帰れよ)
(わかった)
俺が嬉しそうなのを見てビャクヤが訝しんでいる。おっと! 読心させねぇぞ! 今回は完璧にレジストさせてもらう。
――――無。
心を無にしてアマリの帰りを待つ。
その時、オビオが「あっ!」と叫んでフライパンの中の肉を見ている。匂いからして焦がしたな? キヒヒヒ。作戦成功。
俺の影からアマリが帰ってきた。
(情報はどうした? 手ぶらじゃねぇか)
(ちゃんとある)
(よしよし。じゃあ渡せ)
(手を出してキリマル)
俺は全身のクラックを光らせて、喜びながら両手を揃えてアマリの前に出した。
(さてさて、オビオは何を持っていたのか。予想するに、サーカの私物だろうな。あいつはサーカに酷いことを言われても付き従ってんだ。好意をもっているのは間違いねぇ)
そして俺の両手に出されたそれは――――。
ショートヘアーでも前髪が邪魔なのか、髪を耳にかけてアマリの小さな口から出てきた白い粘液・・・。
「なんだこれは・・・。くせぇ・・・。嗅ぎ覚えのある匂いだ」
「精液」
「は? 誰の」
「オビオの」
「なにぃ?! 汚ねぇなぁ! もう!」
俺はビャクヤのマントで手を拭こうとしたが、変態仮面は瞬時に詠唱して幻影系魔法で回避した。
俺の手は、ビャクヤの“空虚なる分身”を引き裂いて、食堂の床にオビオの精液を叩きつける羽目となった。
オビオ汁は高速で床に叩きつけられて、ウォーターカッターのようになって切れ目を入れる。
それを見たアマリが情報が無駄になったと言って頬を膨らました。
「オビオの情報が欲しいと言ったのはキリマル。遺伝子情報を盗んできたのに捨てた。酷い」
「つまりフェラしたのか!」
「キリマルはそう指示した」
「俺はポーチから何かを盗めと言ったんだぞ。ザーメンなんか盗むな!」
「ちゃんと説明しないキリマルが悪い」
「テレパシーで会話できるのに、おかしいだろうがよ!」
「影空間の中じゃ必ずしも、通常の意思疎通ができるとは限らない」
何してたんだコイツラという目でビャクヤとダークが俺を見ている。リンネはビャクヤの残したタラのフライを食べるのに夢中で気がついていない。
「おまたせ~!」
すんげぇ上機嫌のオビオが料理を運んできた。スッキリした顔をしている。
「お前、さっき料理失敗してなかったか?」
「失敗したけど、自前の調理器具は調理時間を大幅に短縮できるからな。俺レベルの料理人になると失敗を取り戻すなんて朝飯前さ」
違うな。超絶に上手いアマリのフェラに瞬時に射精して、賢者モードになったから冷静に対処できたんだよ、オビオ。
恐らく「あっ!」と言った時には既にイッていたはずだ。でもその理不尽な快楽の原因が突き止められずに、勘違いかなにかで済ましたな?
アマリの性技に耐えられるのは悪魔の俺ぐらいなもんだ。最早、我が相棒はサキュバスを超えている。
それにしても美味そうな匂いだ。
目の前で鉄板の上でジュウジュウと音を立てて、香ばしい匂いを立てるステーキの見事な焼き目。しかも霜降り肉。どこで手にれたんだ?
オビオはステーキの入った皿を皆の前に置いていく。
「あ! オチンポ!」
皿の中の肉を見たリンネが急に下品な言葉を吐いた。気でも狂ったか?
他の客も怪訝な顔でリンネを見ている。
しかし、オビオは驚いた後に感心した。
「君はオティムポ牛を知っているのかい?」
「ええ、食べた事あるもの。口の中でバターのように蕩けるお肉だよね?」
「ああ。とても貴重で値段も高い肉さ。勿論、材料代は払ってもらうけどいいかな?」
リンネと話すオビオの魅力値の高さに、感覚的に気がついたビャクヤが嫉妬して間に割り込む。
「勿論だともッ! キリマルッ! オビオ君にお代金を支払ってあげるのデスッ!」
恋人をオビオに取られるのでは、と焦りと不安が交じるビャクヤの声を心のなかで笑いながら、俺は返事をした。
「なんで俺様が?」
「ちょくちょく迷宮に潜って一人で稼いでいるのを、吾輩は知っていますよッ! 我がパーティで今ッ! 一番の金持ちは貴方なのですからッ! 払える者が払いなサイッ!」
「チッ! 知ってやがったか。しゃぁねぇ。ほらよ」
俺は肩の外骨格と生身の間に挟んでいた金貨一枚を取り出してオビオに投げる。
「それで足りるだろ?」
「毎度あり!」
厭味ったらしくお礼を言うオビオに苛ついたが、俺は一々相手にはせず、肉をナイフとフォークで切る。
「くあぁ~。嫌な臭みが一切ねぇ! 食う前からわかる! これは絶対に美味い!」
「待って、キリマル」
ギザギザの牙が並ぶ大きな口を開くと、急にアマリが俺の手を止めた。
「なんだぁ? アマリ。毒でも感知したか?」
「違う。熱いからフーフーしてあげる」
俺はお子様じゃねぇぞ。
ビャクヤとダークがシンクロして「ヤレヤレ、食べる前から、ご馳走様」と言った。双子かっ!
(まぁさっき、無駄な事させたからな。フーフーぐらい良いだろう)
俺の心の声を聞いたアマリはニッコリと笑って、フーフーと肉を冷ましてくれている。
――――しかし!
ここで残念なことに! 悪魔の目の力が発動してしまった!
この時ばかりは我が悪魔の目を憎く思ったぜ・・・。
なぜかってぇと、肉を冷まそうとフーフーするアマリの飛ばした唾液を分析してしまったんだわ。
(アマリの唾液とオビオの精子数千匹・・・)
「また麻痺毒クッキーみたいな事を想像してんの? なら大丈夫だよ。あの時は特別だったんだ。だってキリマルという最凶の悪魔を相手に、手段なんて選んでいられなかったからな」
皮膚を硬質化させて、膝の先からぶっといニードルを出し、ピーターの手を押し返す。
「どうだかな。そういや、あいつはいつも前髪パッツンの樹族の騎士と一緒だったろ。今日はどうした?」
ピーターはニードルに驚いて手を引っ込めた。
「あの冷血騎士サーカ・カズンは口が悪いからな。多分オビオは彼女と喧嘩して、気晴らしに散歩してたんじゃないかな」
「で、ジョギング中のダークと出会ったと」
「ジョギングではない! 毎朝の日課! 早朝暗黒夜行だ!」
早朝と言っておいて夜行とはこれ如何に・・・。
「そうか。どうでもいいわ、お前の日課の名前なんか。で、お前ら昨日の試合はどこまで見たんだ?」
俺はピーターが連れ去られた後に、宿屋に帰ってしまい試合を見ていない。
「我は、召喚士一人対メイジ六人の試合まで」
「吾輩と愛しきリンネはッ! 最後までッ!」
「で、オビオチームはどうだった?」
「オビオ君はッ! 終始サポート役でした。【再生】による回復と時々盾役」
「いつもどおりじゃん」
ピーターが俺のパンを盗んで齧りながら席に戻った。
「じゃあ戦闘のメインはサーカだけか?」
「ええ。あの樹族の騎士は能力値が高そうでしたッ! 臨機応変に動きますし、傭兵ギルドチームの半分をスタン系魔法と力だけでねじ伏せていまんしたッ! 試合終了時のお辞儀が、余裕さを醸し出してッ! 憎たらしくも格好が良かったですねッ!」
「戦いはオビオと二人だけで?」
「いいえ、勿論クロノ団長の部下も一緒ですよ。オビオチームは魔法騎士団所属ですからねッ! メイジと僧侶がいましたッ!」
「それでも四人だろ? 傭兵チームは何人だった?」
「六人。全員が戦士系でした。勿論彼らは真っ先に後衛を狙っておりまんしたがッ! 料理人であるオビオ君がッ! 上手いこと僧侶とメイジを守って、悉く攻撃を小盾でパリィするのです。彼はキリマル程ではありませんがッ! 五感が鋭いようですねッ! ただ攻撃はいまいちな戦士という感じでしたッ! 結構ミスが多かったですッ!」
「なるほどな。オビオにパリィされて怯んでいる間に、味方のメイジが攻撃魔法を当てるパターンか」
「ええ。それで三人を沈め、残りの三人はサーカさんがッ! 僧侶の支援を受けながら三人を倒しておりますッ!」
「うむ。報告、ご苦労」
「フヘヘへ、ありがとうございますッ! キリマル閣下!」
それ誰の物真似だ、ビャクヤ・・・。どうせこっちの世界の番組のキャラだろうがよ。
印象としては普通だな。オビオチームが特別強いという感じはしない。いや、世界的に見てニムゲイン人は経験値が足りないせいか、オビオとサーカが強く見えるだけかもしれん。
(ニムゲイン人で最強なのは、もしかしたらリンネかもしれんな。なにせ、こいつの伸び率は異常。人間種は一生に一度上がるか、上がらないかの能力値なのに、この女はメキメキと上がってやがる。今じゃ機動力こそないものの、ちょっとした魔法援護の出来る鉄の要塞みたいなもんだ)
もしかして・・・。蘇生時になにかされたんじゃねぇのか? 科学者(ヒジリ)の事だ、ウメボシにこっそりと命令して、リンネの体を実験台にしたに違いねぇ。
硬いステーキ肉をぺろりと平らげて、オビオの料理を待つリンネを見て俺は視線を厨房に戻す。
オビオは実に楽しそうに料理を作っていやがる。殺しや性に爛れた俺たちとは、丸で無縁の世界に生きているような、明るいオーラ。
それを悪魔の俺が邪魔しねぇわけねぇ。
「おい、アマリ。刀に戻れ」
アマリはコクリと頷くと刀に戻った。
「どうしたねッ! キリマルッ!」
「なぁに、ちょっとした野暮用よ。すぐに戻る」
「トイレでしょ。食事中なんだから察してあげなさいよ」
リンネにたしなめられてビャクヤは「失礼」と謝って上品に紅茶を飲む。
俺はアマリの柄を握りると自分の影に沈んだ。
影空間の中からは大きなオビオがそこそこ広い厨房で料理をしているのが見える。並んでいる器具は見たこともない未来的ななんかだ。未来の地球から持ってきた器具だろうさ。
「毒を盛っている様子はねぇな」
調理台は割と背が高く、大男のオビオでも、屈まずになんとか料理ができる高さだ。
そしてかなりの時間、腰を台に押し付けて影を作っている。
それを見て俺はニヤリとした。
「おい、アマリ。オビオの料理の邪魔をしろ。突っつくとかしてな。それから、あそこから(レッグポーチから)何かしらの情報を盗め」
そう言って俺はオビオのレッグポーチを指差した。
「わかった」
意図を理解した人型アマリを影空間に残して俺は席に戻る。
そして椅子の陰から現れて、椅子に座って白々しく喚いた。
「早くしろよ、オビオ。また腹が減ってきたからよ!」
厨房に聞こえるようにそう言うと、狙い通りオビオがモジモジしながら返事してくる。
「わ、わかってるよ! ちょっとぐらい待てよ!」
あの様子からして、アマリはオビオの脇腹辺りをツンツンしてるな?
オビオは体をクネクネさせている。クハハ! 面白ェ!
奴は不思議そうな顔で何度も調理台の下部を見ている。クァーハハハ! 阿呆め!
ん? オビオの顔が急に真っ赤になったぞ。
返すフライパンの手に力がない。ははぁん。意地でも、こそばし攻撃に耐えきるつもりだな?
俺とアマリはテレパシーで会話可能だ。
(もっとやれ。それから命令通り、何かしらの情報を持ち帰れよ)
(わかった)
俺が嬉しそうなのを見てビャクヤが訝しんでいる。おっと! 読心させねぇぞ! 今回は完璧にレジストさせてもらう。
――――無。
心を無にしてアマリの帰りを待つ。
その時、オビオが「あっ!」と叫んでフライパンの中の肉を見ている。匂いからして焦がしたな? キヒヒヒ。作戦成功。
俺の影からアマリが帰ってきた。
(情報はどうした? 手ぶらじゃねぇか)
(ちゃんとある)
(よしよし。じゃあ渡せ)
(手を出してキリマル)
俺は全身のクラックを光らせて、喜びながら両手を揃えてアマリの前に出した。
(さてさて、オビオは何を持っていたのか。予想するに、サーカの私物だろうな。あいつはサーカに酷いことを言われても付き従ってんだ。好意をもっているのは間違いねぇ)
そして俺の両手に出されたそれは――――。
ショートヘアーでも前髪が邪魔なのか、髪を耳にかけてアマリの小さな口から出てきた白い粘液・・・。
「なんだこれは・・・。くせぇ・・・。嗅ぎ覚えのある匂いだ」
「精液」
「は? 誰の」
「オビオの」
「なにぃ?! 汚ねぇなぁ! もう!」
俺はビャクヤのマントで手を拭こうとしたが、変態仮面は瞬時に詠唱して幻影系魔法で回避した。
俺の手は、ビャクヤの“空虚なる分身”を引き裂いて、食堂の床にオビオの精液を叩きつける羽目となった。
オビオ汁は高速で床に叩きつけられて、ウォーターカッターのようになって切れ目を入れる。
それを見たアマリが情報が無駄になったと言って頬を膨らました。
「オビオの情報が欲しいと言ったのはキリマル。遺伝子情報を盗んできたのに捨てた。酷い」
「つまりフェラしたのか!」
「キリマルはそう指示した」
「俺はポーチから何かを盗めと言ったんだぞ。ザーメンなんか盗むな!」
「ちゃんと説明しないキリマルが悪い」
「テレパシーで会話できるのに、おかしいだろうがよ!」
「影空間の中じゃ必ずしも、通常の意思疎通ができるとは限らない」
何してたんだコイツラという目でビャクヤとダークが俺を見ている。リンネはビャクヤの残したタラのフライを食べるのに夢中で気がついていない。
「おまたせ~!」
すんげぇ上機嫌のオビオが料理を運んできた。スッキリした顔をしている。
「お前、さっき料理失敗してなかったか?」
「失敗したけど、自前の調理器具は調理時間を大幅に短縮できるからな。俺レベルの料理人になると失敗を取り戻すなんて朝飯前さ」
違うな。超絶に上手いアマリのフェラに瞬時に射精して、賢者モードになったから冷静に対処できたんだよ、オビオ。
恐らく「あっ!」と言った時には既にイッていたはずだ。でもその理不尽な快楽の原因が突き止められずに、勘違いかなにかで済ましたな?
アマリの性技に耐えられるのは悪魔の俺ぐらいなもんだ。最早、我が相棒はサキュバスを超えている。
それにしても美味そうな匂いだ。
目の前で鉄板の上でジュウジュウと音を立てて、香ばしい匂いを立てるステーキの見事な焼き目。しかも霜降り肉。どこで手にれたんだ?
オビオはステーキの入った皿を皆の前に置いていく。
「あ! オチンポ!」
皿の中の肉を見たリンネが急に下品な言葉を吐いた。気でも狂ったか?
他の客も怪訝な顔でリンネを見ている。
しかし、オビオは驚いた後に感心した。
「君はオティムポ牛を知っているのかい?」
「ええ、食べた事あるもの。口の中でバターのように蕩けるお肉だよね?」
「ああ。とても貴重で値段も高い肉さ。勿論、材料代は払ってもらうけどいいかな?」
リンネと話すオビオの魅力値の高さに、感覚的に気がついたビャクヤが嫉妬して間に割り込む。
「勿論だともッ! キリマルッ! オビオ君にお代金を支払ってあげるのデスッ!」
恋人をオビオに取られるのでは、と焦りと不安が交じるビャクヤの声を心のなかで笑いながら、俺は返事をした。
「なんで俺様が?」
「ちょくちょく迷宮に潜って一人で稼いでいるのを、吾輩は知っていますよッ! 我がパーティで今ッ! 一番の金持ちは貴方なのですからッ! 払える者が払いなサイッ!」
「チッ! 知ってやがったか。しゃぁねぇ。ほらよ」
俺は肩の外骨格と生身の間に挟んでいた金貨一枚を取り出してオビオに投げる。
「それで足りるだろ?」
「毎度あり!」
厭味ったらしくお礼を言うオビオに苛ついたが、俺は一々相手にはせず、肉をナイフとフォークで切る。
「くあぁ~。嫌な臭みが一切ねぇ! 食う前からわかる! これは絶対に美味い!」
「待って、キリマル」
ギザギザの牙が並ぶ大きな口を開くと、急にアマリが俺の手を止めた。
「なんだぁ? アマリ。毒でも感知したか?」
「違う。熱いからフーフーしてあげる」
俺はお子様じゃねぇぞ。
ビャクヤとダークがシンクロして「ヤレヤレ、食べる前から、ご馳走様」と言った。双子かっ!
(まぁさっき、無駄な事させたからな。フーフーぐらい良いだろう)
俺の心の声を聞いたアマリはニッコリと笑って、フーフーと肉を冷ましてくれている。
――――しかし!
ここで残念なことに! 悪魔の目の力が発動してしまった!
この時ばかりは我が悪魔の目を憎く思ったぜ・・・。
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