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戦士の意地
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ピーター以外のメンバーが今、寒さに凍えている。
オーガメイジでもある鉄騎士は指で天を指した途端、吹雪が俺たちを襲ったのだ。魔法の名前もそのまんまの【吹雪】だった。この星の魔法は解りやすいな・・・。ブルブルブル。
物陰に潜むと敵のターゲットから外れるのか、ピーターは全く凍えていないように見える。
自分だけ攻撃を受けていない事に優越感を持ち、さぞニヤニヤしているのだろう。
(くそ、奴の邪悪な笑顔でも見てみるか)
茂みから顔を出す奴の顔を見たが、獲物を狙う猫のような目で鉄騎士を見ている。
(あいつ、まだ心が折れてねぇな・・・)
寒さで心が折れかけてた俺とは違って、怖がりのはずのピーターは鉄騎士を殺す気満々だ。
(その顔の方が余程、邪悪な悪人面だぜ。普段の邪悪顔は作り物って感じがするんだわ)
どんな状況でも、ここぞって時に本気を出せたからこそ、ピーターは今まで生き延びてこれたのだと思う。散々悪い事もしただろう。でも今は俺らの為に鉄騎士を狙ってくれている。
ピーターが獲物に飛び掛かる猫のようにピクリと動いた。やる気だ!
(頼む、不意打ちを成功させてくれ)
他力本願の人が集う寺、他力本願時の仏像(そんなものはない)を脳内で拝み、俺はピーターが失敗した時に備えて、体の温度を上げ、寒さで身を寄せるサーカとメリィとリュウグの場所まで行って、三人を抱きかかえた。
「ふぁぁ、温かい!」
メリィがこんな状況にもかかわらず、俺を見てにっこりと笑う。この笑顔、守りたい。
サーカは・・・、仏頂面だ・・・。
「トウスさんはどこだ・・・。あの人は毛皮があるから、俺らよりは動けるはず」
見当たらない。
そういや前に聞いたことがあるな。トウスさんはピーター程じゃないけど潜めるって。ネコ科獣人の特性で不意打ちもできるらしい。力と素早さが天才級の戦士が、潜んで不意打ちとかって、めっちゃダメージ与えそうなんだけど。
鉄騎士は俺たちにトドメを刺そうと、バトルハンマーを構えて近づいてくる。
「実力からして、君たちは盗賊団の幹部なのでしょう? この僕がそこそこ苦戦させられたのだから。盗賊にしてはよく頑張ったよ」
「残念だね! パーティで唯一の盗賊は、この俺だ!」
ピーターが鉄騎士の影から現れて、最初の不意打ちで狙った場所に、もう一度魔剣蛇殺しを差し込もうとした。
(エグイ攻撃するなぁ、ピーターは)
「甘いな。鉄騎士に同じ攻撃は通用しない」
大盾が地面を擦って円を描き、背後にいたピーターを吹き飛ばした。
「ぎゃっ!」
血反吐を吐いて飛んでいくピーターは、どう見ても瀕死だ。
たった一撃でピーターがズタボロになった・・・。たった一撃でだぞ! 死んでいないのが不思議なぐらいだ。
「ピーター!」
俺は背中がぞわぞわした。共に旅をした仲間が、今死にそうになっている。
地球での死とはまったく意味の違う、この星の死。
死人が生き返る事はできるが、その可能性はほぼ0に近い。何故なら蘇生にはとんでもない大金が必要となるからだ。
急に目に涙が滲んできた。
悔しいんだ・・・。何もできない自分が悔しい。
大神聖のように、生死を司るアンドロイドが俺にはいない。目の前で仲間が死にそうになっても何もできない・・・。
「大丈夫だよぉ、オビオ。私が何とかするからぁ」
メリィは素早く癒しの祈りを施す。
あのままでは地面に激突した時点でピーターは死んでいたかもしれない。普段おっとりしているメリィの反応速度に俺は驚いた。戦場に出た事があるのだろうか? メリィは場慣れしているように思える。
「ドラァ!」
茂みからトウスさんが飛び出した。
「オビオ! キリマルの時と同じ作戦で行くぜ!」
トウスさんは鉄騎士の肩に乗ると、素早くフルフェイスを外して放り投げ、背中に回ると羽交い絞めにした。
羽交い絞めにしたといっても背の高さが違うので、腕を拘束するように背中に張り付いているだけだ。
それでもありがたい。以前麻痺クッキーが役に立った事に味をしめた俺は、また幾つか作っておいたのだ。
亜空間ポケットからクッキーを出すと、どこか見覚えのあるその顔の口に、クッキーを無理やり叩き込んだ。
「おごぉ! 汚い手で触ったクッキーが僕の口の中に・・・。くそ! なんだこれ、美味い・・・。吐き出そうとする意思とは裏腹に口は咀嚼を止めず、喉はこのクッキーを飲み込もうとしている。ええぃ、汚いクッキーなのに!」
なんだその説明口調は! しかもこの鉄騎士は潔癖症か!
「ほらよ! 珈琲もあるぜ!」
トウスさんは背中の大きいポーチから魔法瓶を取り出して、鉄騎士の腹立たしいイケメン顔に珈琲をぶっかけた。
「うわぁ! 熱いぃ!!」
鉄騎士は珈琲の熱さに驚いて、背中のトウスさんを掴むと怪力で投げ飛ばした。おいおい、トウスさんだって怪力だぞ。しがみ付く力では負けていないだろ!
投げ飛ばされて着地したトウスさんは、サーカ達を温めに戻ろうとする俺に、麻痺毒が浸透する時間を聞いた。
「あと何分だ?」
「キリマルの時は一、二分だったと思う。オーガならその倍ぐらいじゃないの?」
綺麗なハンカチで顔を拭くエリートオーガは、ハンカチが珈琲でビチャビチャになり、茶色くなったことが気に入らないのか、地面に叩きつけた。
「残念だが、僕に毒は効かない。というかオーガの君なら知っているだろう。オーガには毒が効きにくいと」
バトルハンマーを構えて鉄騎士は俺を睨んでいる。やべぇ・・。殺される。
「お父さん、お母さん・・・」
リュウグが腕の中で震えている。そうだ、こいつだって両親に会いたいんだ。こんなところで死なせるわけにはいかねぇ!
「くっそ、眼鏡かけた大神聖みたいな顔しやがって・・・。運命の神は、最後まで俺に大神聖を意識させるのかよ! 劣等感を胸に抱えて死ねってか! そうはいくか! 俺だって地球人だ! 地球人の本気を見せてやるからな!」
俺の中で何かが弾ける。
意識や感覚が体の外まで広がっていくような不思議な状態になった。地球人が蘇生を当てにできない時に現れる生への執着心からくる覚醒。
具体的にいうと、制御チップのリミッターを外したのだ。
今ならどんな攻撃も避けれそうである。
更に戦士の指輪の力によってスキルを発動させる。
「仮初めの戦士だけどよ、戦士としての意地を見せてやんよ! スキル、鷹の目! 鉄壁! 憤怒!」
命中率、防御力、攻撃力がそれぞれ上がっていく。ヴァーチャルゲームのような体験を、まさかリアルでするとは思わなかった。
俺はロングソードを取り出すと、残像ができるほど素早く動いて鉄騎士をかく乱した。
しかし、向こうもエリートの鉄騎士。じっと止まっているように見えるが、俺が剣で攻撃すると、的確に大盾で防御してしまう。
「まだだ! もっと俺は速く動けるはずだ! 脚が壊れてもいい。制御完全解除だ!」
俺はリミッター制御チップの制限を、完全に解除するようナノマシンに命令した。
脚に力が漲る。動くたびに土煙が上がり残像も増えた。
目は素早く鉄騎士の弱点を探している。敵の白いマントが翻った時に、ピーターが狙った鎧の隙間から、血が流れ出ているのが見えた。
効いてないわけじゃなかったんだ! ただ致命傷には至らなかった。きっと筋肉が刃の侵入を防いだのだろう。
(鉄騎士も、三度同じ場所を狙われるとは思わないだろう)
いいタイミングでトウスさんが鉄騎士に獅子連撃を仕掛けた。敵の意識は俺からトウスさんに移ったように思う。
俺は動きながらチラリとピーターを見る。
鼻と口から血を出して意識を失っているが、メリィが抱いて様子を見ている。多分大丈夫だ。
我らが修道騎士の祈りは間に合った。あいつはエロいから、おっぱいが顔に当たってる事に気が付いて目を覚ますだろう。
(それにしても、トウスさんの不意打ち爪攻撃が全部防がれているなんて。俺たちは卑怯な不意打ちでも、ろくすっぽダメージを与えられないのかよ。それでも・・・)
俺は鉄騎士のマントを払いのけ、鎧の隙間にロングソードを突き刺そうとした。
「無駄だと言ったはずですよ」
ピシリと空気の凍る音がした。俺の視界が氷で覆われたが、すぐにナノマシンが熱を発生させて氷を解く。
「なに? 僕は氷魔法のエキスパートですよ? レジストできるはずはないのですがね・・・。そういえば、さっきからずっと【吹雪】をレジストしているのは貴方だけですね」
凍って邪魔になった自分のマントを脱いで、俺はせめて相打ちぐらいには持ち込もうと覚悟し、剣を構えた。
その時、マントを脱いだ事で見えるようになった胸のウォール家の紋章が光った。
「なに・・・! それはウォール家の! 炎の盾の紋章!」
「そうだが、なんだよ! なんで帝国の鉄騎士が、樹族国の貴族の事を知ってんだよ」
「もしかして、シルビィさんとは知り合いなのですか?」
「ああ。シルビィ様の庇護下にある」
「そんな・・・。僕はてっきりあなた方が盗賊団の幹部かと・・・。ウォール家の関係者とは知らなかったんだ」
吹雪が止んで、木漏れ日の刺す静かな森が帰ってきた。
「どういう事だ?」
鉄騎士は白いマントで隠れていた鎧の胸部分を見せた。グリフォンの紋章が付いている。
俺はそれをまじまじ見た後に、腕を組んで口をへの字にして鉄騎士を見た。
「・・・・で?」
オーガメイジでもある鉄騎士は指で天を指した途端、吹雪が俺たちを襲ったのだ。魔法の名前もそのまんまの【吹雪】だった。この星の魔法は解りやすいな・・・。ブルブルブル。
物陰に潜むと敵のターゲットから外れるのか、ピーターは全く凍えていないように見える。
自分だけ攻撃を受けていない事に優越感を持ち、さぞニヤニヤしているのだろう。
(くそ、奴の邪悪な笑顔でも見てみるか)
茂みから顔を出す奴の顔を見たが、獲物を狙う猫のような目で鉄騎士を見ている。
(あいつ、まだ心が折れてねぇな・・・)
寒さで心が折れかけてた俺とは違って、怖がりのはずのピーターは鉄騎士を殺す気満々だ。
(その顔の方が余程、邪悪な悪人面だぜ。普段の邪悪顔は作り物って感じがするんだわ)
どんな状況でも、ここぞって時に本気を出せたからこそ、ピーターは今まで生き延びてこれたのだと思う。散々悪い事もしただろう。でも今は俺らの為に鉄騎士を狙ってくれている。
ピーターが獲物に飛び掛かる猫のようにピクリと動いた。やる気だ!
(頼む、不意打ちを成功させてくれ)
他力本願の人が集う寺、他力本願時の仏像(そんなものはない)を脳内で拝み、俺はピーターが失敗した時に備えて、体の温度を上げ、寒さで身を寄せるサーカとメリィとリュウグの場所まで行って、三人を抱きかかえた。
「ふぁぁ、温かい!」
メリィがこんな状況にもかかわらず、俺を見てにっこりと笑う。この笑顔、守りたい。
サーカは・・・、仏頂面だ・・・。
「トウスさんはどこだ・・・。あの人は毛皮があるから、俺らよりは動けるはず」
見当たらない。
そういや前に聞いたことがあるな。トウスさんはピーター程じゃないけど潜めるって。ネコ科獣人の特性で不意打ちもできるらしい。力と素早さが天才級の戦士が、潜んで不意打ちとかって、めっちゃダメージ与えそうなんだけど。
鉄騎士は俺たちにトドメを刺そうと、バトルハンマーを構えて近づいてくる。
「実力からして、君たちは盗賊団の幹部なのでしょう? この僕がそこそこ苦戦させられたのだから。盗賊にしてはよく頑張ったよ」
「残念だね! パーティで唯一の盗賊は、この俺だ!」
ピーターが鉄騎士の影から現れて、最初の不意打ちで狙った場所に、もう一度魔剣蛇殺しを差し込もうとした。
(エグイ攻撃するなぁ、ピーターは)
「甘いな。鉄騎士に同じ攻撃は通用しない」
大盾が地面を擦って円を描き、背後にいたピーターを吹き飛ばした。
「ぎゃっ!」
血反吐を吐いて飛んでいくピーターは、どう見ても瀕死だ。
たった一撃でピーターがズタボロになった・・・。たった一撃でだぞ! 死んでいないのが不思議なぐらいだ。
「ピーター!」
俺は背中がぞわぞわした。共に旅をした仲間が、今死にそうになっている。
地球での死とはまったく意味の違う、この星の死。
死人が生き返る事はできるが、その可能性はほぼ0に近い。何故なら蘇生にはとんでもない大金が必要となるからだ。
急に目に涙が滲んできた。
悔しいんだ・・・。何もできない自分が悔しい。
大神聖のように、生死を司るアンドロイドが俺にはいない。目の前で仲間が死にそうになっても何もできない・・・。
「大丈夫だよぉ、オビオ。私が何とかするからぁ」
メリィは素早く癒しの祈りを施す。
あのままでは地面に激突した時点でピーターは死んでいたかもしれない。普段おっとりしているメリィの反応速度に俺は驚いた。戦場に出た事があるのだろうか? メリィは場慣れしているように思える。
「ドラァ!」
茂みからトウスさんが飛び出した。
「オビオ! キリマルの時と同じ作戦で行くぜ!」
トウスさんは鉄騎士の肩に乗ると、素早くフルフェイスを外して放り投げ、背中に回ると羽交い絞めにした。
羽交い絞めにしたといっても背の高さが違うので、腕を拘束するように背中に張り付いているだけだ。
それでもありがたい。以前麻痺クッキーが役に立った事に味をしめた俺は、また幾つか作っておいたのだ。
亜空間ポケットからクッキーを出すと、どこか見覚えのあるその顔の口に、クッキーを無理やり叩き込んだ。
「おごぉ! 汚い手で触ったクッキーが僕の口の中に・・・。くそ! なんだこれ、美味い・・・。吐き出そうとする意思とは裏腹に口は咀嚼を止めず、喉はこのクッキーを飲み込もうとしている。ええぃ、汚いクッキーなのに!」
なんだその説明口調は! しかもこの鉄騎士は潔癖症か!
「ほらよ! 珈琲もあるぜ!」
トウスさんは背中の大きいポーチから魔法瓶を取り出して、鉄騎士の腹立たしいイケメン顔に珈琲をぶっかけた。
「うわぁ! 熱いぃ!!」
鉄騎士は珈琲の熱さに驚いて、背中のトウスさんを掴むと怪力で投げ飛ばした。おいおい、トウスさんだって怪力だぞ。しがみ付く力では負けていないだろ!
投げ飛ばされて着地したトウスさんは、サーカ達を温めに戻ろうとする俺に、麻痺毒が浸透する時間を聞いた。
「あと何分だ?」
「キリマルの時は一、二分だったと思う。オーガならその倍ぐらいじゃないの?」
綺麗なハンカチで顔を拭くエリートオーガは、ハンカチが珈琲でビチャビチャになり、茶色くなったことが気に入らないのか、地面に叩きつけた。
「残念だが、僕に毒は効かない。というかオーガの君なら知っているだろう。オーガには毒が効きにくいと」
バトルハンマーを構えて鉄騎士は俺を睨んでいる。やべぇ・・。殺される。
「お父さん、お母さん・・・」
リュウグが腕の中で震えている。そうだ、こいつだって両親に会いたいんだ。こんなところで死なせるわけにはいかねぇ!
「くっそ、眼鏡かけた大神聖みたいな顔しやがって・・・。運命の神は、最後まで俺に大神聖を意識させるのかよ! 劣等感を胸に抱えて死ねってか! そうはいくか! 俺だって地球人だ! 地球人の本気を見せてやるからな!」
俺の中で何かが弾ける。
意識や感覚が体の外まで広がっていくような不思議な状態になった。地球人が蘇生を当てにできない時に現れる生への執着心からくる覚醒。
具体的にいうと、制御チップのリミッターを外したのだ。
今ならどんな攻撃も避けれそうである。
更に戦士の指輪の力によってスキルを発動させる。
「仮初めの戦士だけどよ、戦士としての意地を見せてやんよ! スキル、鷹の目! 鉄壁! 憤怒!」
命中率、防御力、攻撃力がそれぞれ上がっていく。ヴァーチャルゲームのような体験を、まさかリアルでするとは思わなかった。
俺はロングソードを取り出すと、残像ができるほど素早く動いて鉄騎士をかく乱した。
しかし、向こうもエリートの鉄騎士。じっと止まっているように見えるが、俺が剣で攻撃すると、的確に大盾で防御してしまう。
「まだだ! もっと俺は速く動けるはずだ! 脚が壊れてもいい。制御完全解除だ!」
俺はリミッター制御チップの制限を、完全に解除するようナノマシンに命令した。
脚に力が漲る。動くたびに土煙が上がり残像も増えた。
目は素早く鉄騎士の弱点を探している。敵の白いマントが翻った時に、ピーターが狙った鎧の隙間から、血が流れ出ているのが見えた。
効いてないわけじゃなかったんだ! ただ致命傷には至らなかった。きっと筋肉が刃の侵入を防いだのだろう。
(鉄騎士も、三度同じ場所を狙われるとは思わないだろう)
いいタイミングでトウスさんが鉄騎士に獅子連撃を仕掛けた。敵の意識は俺からトウスさんに移ったように思う。
俺は動きながらチラリとピーターを見る。
鼻と口から血を出して意識を失っているが、メリィが抱いて様子を見ている。多分大丈夫だ。
我らが修道騎士の祈りは間に合った。あいつはエロいから、おっぱいが顔に当たってる事に気が付いて目を覚ますだろう。
(それにしても、トウスさんの不意打ち爪攻撃が全部防がれているなんて。俺たちは卑怯な不意打ちでも、ろくすっぽダメージを与えられないのかよ。それでも・・・)
俺は鉄騎士のマントを払いのけ、鎧の隙間にロングソードを突き刺そうとした。
「無駄だと言ったはずですよ」
ピシリと空気の凍る音がした。俺の視界が氷で覆われたが、すぐにナノマシンが熱を発生させて氷を解く。
「なに? 僕は氷魔法のエキスパートですよ? レジストできるはずはないのですがね・・・。そういえば、さっきからずっと【吹雪】をレジストしているのは貴方だけですね」
凍って邪魔になった自分のマントを脱いで、俺はせめて相打ちぐらいには持ち込もうと覚悟し、剣を構えた。
その時、マントを脱いだ事で見えるようになった胸のウォール家の紋章が光った。
「なに・・・! それはウォール家の! 炎の盾の紋章!」
「そうだが、なんだよ! なんで帝国の鉄騎士が、樹族国の貴族の事を知ってんだよ」
「もしかして、シルビィさんとは知り合いなのですか?」
「ああ。シルビィ様の庇護下にある」
「そんな・・・。僕はてっきりあなた方が盗賊団の幹部かと・・・。ウォール家の関係者とは知らなかったんだ」
吹雪が止んで、木漏れ日の刺す静かな森が帰ってきた。
「どういう事だ?」
鉄騎士は白いマントで隠れていた鎧の胸部分を見せた。グリフォンの紋章が付いている。
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「・・・・で?」
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