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禁断の箱庭と融合する前の世界(97)
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フランは何度も急かしてモシュ―に占いを急かしている。
タカヒロの体内にいる爆弾虫の事を占ってもらおうと頼んだのだが、用事は済んだとばかりに酒場から出ていこうとするタカヒロやヤイバ達を見てフランは焦っていた。
「お願い早く占ってぇ」
「体内に爆弾虫ねぇ・・・。もしあれば特徴の項目に出て来るはずなんだけど見当たらないよ。というか、よく爆発の可能性のある人物を大勢の人がいる場所に連れてきたもんだね」
「だってぇ、二人の神様がいたから爆弾虫を取り除いてくれるかなってぇ・・・。でもその前に二人とも星の国へ帰っちゃったわぁ。うふふっ!」
「うふふっじゃないよ。途中で爆発するとは思わなかったのかい?爆弾虫が彼を暗殺者として縛り付けておく口実だったから良かったものの・・・。それに追手は確実に彼を殺しに来るだろうね。・・・ああ、見えた。彼は暗殺に関しては信頼されていたから、監視役がいなかったんだ。信用のない者は逆らった時点で監視役に魔法なり毒なりで殺されていた。で、それは逆らったから体内の爆弾虫が破裂したんだぞ、と脅していたと考えられるね。もし彼を手助けするつもりなら早く追った方がいい。追手はすぐそこまで来ている」
「ありがとう、モシューさん!」
フランはそう言ってモシューの頬にキスをしてヤイバ達を追いかけていった。
キスをされた親友を見てドォスンは同情し、肩に手を置いた。
「おでもフランにキスされた事あるど。フランのキスはとても危ない。暫くの間フランしか見えなくなる」
「ああ、そのようだね」
普段は冷静で大人しいモシューでも胸を押さえ鼻息が荒い。
そんな彼の背後から若い女性の声がする。
「なぁエルフのおっさん」
もっさりとした鼻声が、この世界で呼ばれることのない種族名で呼ぶ。この世界の住人はモシュ―を背の高い色違いの樹族と思っているのだ。
「君は確か風呂場に連れて行かれて、今頃はオーガの慰み者になっていたはずだが」
モシューは水晶玉で慰み者になるマサヨシを映し出そうとしたが、オーガ達はエロい目でマサヨシの裸体を見つつも襲いかかる事はなく、普通に体を洗って服を着させていた。
「なるかよ!意外なことにオーガ達は紳士的だったぞ。普通に体を洗ってくれてベンキの部屋から、俺にピッタリな人形用の服まで持ってきてくれた。ベンキが着る乙女の服は大きいからとかどうとか言ってたけどようわからんでつ」
マサヨシは水色のエプロンドレスを着せられ、伸び放題だった黒髪は白いリボン付きヘアバンドで止められている。
「俺の適正職業を教えて欲しいんだけど」
「銀貨一枚だが、いいかい?」
「高っ!まぁいいや。ほら」
腰のポーチから銀貨を取り出し、テーブルの上に将棋の駒のようにパチリとマサヨシは置いた。
マサヨシはオティムポ狩りの時に、倒されたリッチが持っていた魔法の宝石を一つ貰っており、それを売った金で今は潤っている。
本来であればリッチから得たアイテムの獲得権利が最も有ったのはマサムネとハルコだったが、二人はそれを辞退したのでワロティニスがアイテム獲得権利を得た。
ワロティニスは砦の戦士なので自分の取り分の殆どを砦の戦士ギルドへ寄付した。
残りは働きに応じて分配する。リッチとの戦闘に参加しなかったオーガ達に取り分は無い。スカーとヤイバと、魔法無効化の盾役となったマサヨシにお情けでアイテムが配られたのだ。
(あの時はワロちゃんはかすり傷を負った俺の手当てをしてくれて天使のように優しかった。スカーは俺にブーブー文句言ってたけど・・・あいつは死ね!)
どうでもいい思い出し怒りをしてから、女になったマサヨシは占い水晶を見た。
エポ村で得た魔法のペンダントは言葉を翻訳はしてくれるが字までは翻訳してくれない。早く喋れと持っていたお菓子『美味いんだ棒』でモシューをつっついて急かし、水晶とエルフを交互に見ている。
「君は・・・なんとも特殊な異世界人だね・・・。出鱈目というか・・・。自分に都合のいい事は信じているが、悪い事は信じない。理屈で物事を考えていないんだ・・。自分の強い願望と我だけでここまで来ている・・・。それが魔法にも影響していて、自分に都合のいい魔法は拾得出来て使えるが、都合の悪い魔法は完全に拒絶する。さっきの治療の魔法も実は効いていたのだが、治療とは関係のない性転換だったから効果がなかった」
「いや、そういうのは聞いてないから。適正職業を教えてチョンマゲ。それさえ知れば俺はこの世界で無双出来るはずなんだ!ウハハハ!」
「君の適正職業は・・・盗賊・・・」
「やっぱりなぁ!大体俺みたいなキャラはラノベでも盗賊なんだよなぁ・・・」
「盗賊がサブでメインは召喚師だね」
「なぬっ!メイジの中でも単身だと最弱と言われる召喚師とな?でも極めると街一つ破壊できる災害級になるんだよなぁ。おらワクワクすっぞ!」
喜んでジャンプした時にスカートがフワッとめくれ上がる。マサヨシに合う下着が無かったのか大きな生尻が見え、酒場でマサヨシを肴に酒を飲んでいた砦の戦士たちが一斉にガタッ!と立ち上がった。
スカーが叫ぶ。
「やっぱ俺、我慢できねぇわ!マサヨシちゃーん!俺と結婚してくれ!」
「はわわわわわ!俺は男だってば。今まで(今もだけど)女の子見てフヒフヒ笑っていたキモオタニートだぞ!それにスカー!お前は俺が男だった時、どっちかつうと嫌ってただろ!」
「何言ってるかわかんねぇし、そんなの関係ねぇ!ハイ!オッパッピィ!だ!」
「何でオッパッピィ!知ってんだよ!中途半端に古いわ!」
「ヒジリに教えてもらった言葉だ!お前が男だとか女だとか、そんなの関係ねぇ!」
「おい、止めろ!」
肉食系男子ばかりの砦の戦士の中に置いて一際その傾向が強いスカーはにじり寄って来る。
「ずるいぞ!紳士協定を破るのか!スカー!マサヨシちゃんがその気になるまで手は出さねぇって話だろ!」
他の戦士たちもそう叫んで人の少なくなった酒場でマサヨシを追いかけ始めた。
ベンキは自分のお気に入りの人形の服を着て逃げ回るマサヨシとそれを追いかける砦の戦士たちを冷ややかに見ている。
「何やってんだ・・・あいつら・・・。俺の大事な人形の服を破いたら許さんぞ」
「ホギャーーー!助けてぇーーー!こんなモテ方は嫌でつぅぅ!」
マサヨシは本気で泣き叫び、酒場からロケットのように飛び出すと闇夜に消えていった。
人々が夕食と団欒を終え、一日の疲れを癒やすべくベッドの中で本を読んだり微睡んだりしてる中、ゴデの街の大通りを影のように走るオークが二人いた。
彼らは堂々と通りを走っているにも関わらず、酔っぱらいや帰り道を急ぐ人々は誰一人彼らを見ていない。いや、見えていないのだ。
かなりのスピードで走っているにもかかわらず全く息を切らさない四角い顔の男は兄に聞いた。
一般的に他種族からは見分けのつき難いオークだが、この二人の兄弟の顔は簡単に見分けがついた。
ヘルメットのような黒髪までは同じだが、片方は眼鏡をした四角い顔をしており、片方は細長い顔で下唇が異様に突き出ている。
目的地が近いのか二人は移動速度を緩めた。
「兄者、裏切り者のトンゴの強さはどんなものだ?」
「弟者、トンゴの純粋な強さは我らと拮抗している。つまりかなり強い」
「兄者、つまり我ら二人でトンゴ一人分という事か?」
「弟者、それは違う。”純粋な強さは”と俺は言っている」
「兄者、兄者は能力を使うつもりでいるのか?それはある意味、褒美なのではないか?」
「弟者、目的自体はトンゴを消すことだ。能力を使うのは間違いではない。でも一番の目的はトンゴの首を持ち帰る事」
「了解した、兄者」
後方から叫び声とズドドドドという足音が聞こえる。
「どけ!豚!」
走るオークの兄弟の間に割り込むようにしてオーガの美少女が走り去っていった。
「兄者!あのオーガの女は我らの事が見えたぞ!」
「気をつけろ!弟者!後ろからオーガの大群だ!」
―――ズドドドド―――
「待ってよマサヨシちゃ~ん!俺だけのものになってくれ~い!」
スカーがそう叫ぶと、砦の戦士たちは口々に「ずるいぞ!」と言って追いかけていく。
オーガの大群に踏み潰される直前にオークの兄弟は目的地の庭の垣根に飛び込んだ。
「あれは砦の戦士たち・・・。あの追われているメスのオーガの命は無いだろうな、兄者」
「うむ、砦の戦士を敵に回すという事は死を意味する。我らバガー兄弟でも砦の戦士の一人倒せたら御の字。馬鹿なメスオーガだな、弟者」
「兄者ならあの砦の戦士達をどうやって巻いた?」
「まず、振り返って砦の戦士に片手を突き出す」
「ふむふむ」
「そして”待て!“という。すると砦の戦士たちは待つだろ?その間に落とし穴を掘っておくんだ」
「話が見えないな、兄者。つまりどういうことなんだ?」
「お前は昔からせっかちで困る。つまりな・・・落とし穴に落とすんだよ!」
「だから、穴を掘っていたっていうのだな?そのフラグには気が付かなかった!流石だな!兄者!」
「ふふっ!兄者は賢いだろ?」
「いいや、寧ろ兄者は賢いな!」
オークの二人のやり取りを庭の茂みから見つめる目があった。何とか砦の戦士達を巻いたマサヨシはオークの兄弟を呆れた目で見ている。
(あいつら・・・何言ってんだ?もしかして超弩級のアホなのか?それに如何にも殺し屋ですって格好しやがって。黒い革鎧のあちこちにダガーが付いているし・・・)
突然、庭の奥から何かが壊れる音がした。バガー兄弟の目は庭の奥に向き、垣根から庭に侵入すると音のした方へと向かっていった。
(俺も気になるな。ちょっと見に行くか・・・)
マサヨシは茂みから出ようとしたが枝にスカートが引っかかりお尻が丸見え状態になった。
(もういいって!こんなお色気サービスはいらんだろ!誰が元キモオタの尻に食いつくんだよ!・・・あ、お前らがいたか・・・)
マサヨシは次元の壁を超えて届く何者かの視線を感じてそちらを見ると、ニヤニヤしてお尻を振ってからバガー兄弟を追いかけた。
「嫌!男は近寄らないで!」
「母さん、俺だ!タカヒロだ!」
庭の片隅に有る小さな小屋の中で只ならぬ声が聞こえてくる。
母親のエミが食器棚から投げてくる皿を躱しタカヒロは彼女に近づこうとしたが、ヤイバがそれを止める。
「待って、タカヒロさん。貴方のお母さんは貴方を覚えていないようだ。それに男性をとても怖がっている。あまり言いたくはないが、彼女は男から酷い暴行を受けたのだと思う・・・。フランさんとワロティニスは彼女を落ち着かせて話が出来るよう説得を頼む」
女性二人は頷くと、エミを落ち着かせるために近づいた。
なんとかエミを抱きしめて耳元で大丈夫だから、話をするだけだからとフランが説得をするが、エミは落ち着かない。
「モシューさんが会うなと言っていたのはこの事だったんだ・・・」
「我々は一旦外に出よう。ここにいては彼女はずっとあのままでしょうから」
「うん・・・。母さん・・・」
タカヒロは母親を心配そうに見つめてから小屋を出た。そして直ぐに周囲を警戒する。
「しっ!止まれヤイバ!」
「ええ、解っていますよ。二人・・・いや三人潜んでいますね」
庭の暗闇からビュッ!ビュビュ!とダガーが飛んできた。
ヤイバの暗視眼鏡は二人のオークがダガーを投げてくる姿を映している。二人の攻撃を難なく躱すとダガーは小屋にカカカッ!と突き刺さった。
小屋の中でフランとワロティニスは外で何かがあったと感じ取り、エミを守るように立った。
「このダガーはバガ兄弟だな。ヤイバ、ここは俺にやらせてくれ。これは俺のケジメでもあるんだ。・・・俺の所属する暗殺組織”神罰“の決まりでは追手を返り討ちにすることが出来れば、組織を抜ける事が出来る」
「それは構わないのですが、大丈夫ですか?」
「幸い、彼らは二人で俺一人分の戦闘力だ」
「幾ら格下でも対峙する人数が増えれば勝率はグンと下がりますよ?それにもう一人、後方で此方の様子を窺っている者がいます。気をつけて下さい」
ヤイバの【魔法探知】が茂みに潜むマサヨシのマジックアイテムに反応している。
「わかった」
タカヒロはダガーを両手に構えるとフンと気合を体に込める。黒いボロ布のようなシャツの下で細い筋肉が盛り上がり、戦闘態勢に入った。
オークの兄弟は特に掛け声も合図もなく静かに動きだす。ハチドリのように素早く動いて接近すると、回避して時々ダガーで往なして防御するタカヒロの体を少しずつ斬りつけていく。
致命傷を紙一重で避けるタカヒロだったが、小さな傷は少しずつ血を流させて体力を奪っているように見えた。
「兄者、トンゴは防御ばかりで攻撃をしてこない」
「油断するな、弟者。奴は自分を弱そうに見せているだけだ。あのオーガは身を切らせて虚を突くのが上手い」
兄弟は接近戦を止め、ナイフを投げて相手の出方を探った。タカヒロは簡単にナイフを弾く。
「見ろ、弟者。奴の目は死んでいない」
「確かに、兄者」
ダガーを持つ手を顔の前でクロスさせ、こちら窺うオーガの目には暗殺者としての冷たい刃物のような光が宿っていた。ダメージで気力を失っているどころか、寧ろ生き生きと輝いているように見える。
「どうした?恐れているのか?俺はスキルも魔法も使えないぞ。神から与えられし能力もない。何を怖がるのだ?バガー兄弟」
「我らは油断しない。お前が無能な暗殺者ならば、もう既に勝負は決まっているはずだからな」
「ぐあっ!」
「どうした?弟者」
会話の途中で弟は膝をついた。
「毒だ・・・兄者。どうやら接近戦の際に含み針を受けていたようだ・・・」
「暗殺者のお手本通りの攻撃だな。基本を練りに練った暗殺者はスキルや魔法が無くても強い。弟者は解毒剤を飲んで少し休め。俺はあれをやる」
「あれをやるのか・・・兄者。確かに何とかトンゴを殺れたとしても後ろの眼鏡のオーガは厄介だからな・・」
長年暗殺業をしていると身のこなしだけでヤイバの強さが解ってしまう。
今頃になってトンゴが一人の時を狙うべきだったと弟は後悔した。
兄は構えを解いて、タカヒロとヤイバの前に立った。
「我らの負けだ。お前の暗殺を諦める」
「ほう?だが、そんな事をすればお前たち兄弟の命も無いぞ?」
「我らも死ぬ気は無い。そこでだ。交渉をしたい」
「回りくどいのは無しだ。さっさと条件を言え」
「トンゴ。貴様をこの世界から元の世界に帰す。この世界から消えればそれは死んだも同じだからな」
「お前にそんな事が出来るのか?」
「ああ、俺は能力持ちだ。異世界の魔物や人を帰還させる事が出来る。本来は厄介な悪魔や異界の異形に使っていた能力。しかしお前もまた召喚されし異世界の者。問題なく帰る事が出来るだろう。さらばだ」
「待て!」
唐突に能力を発動したオークに驚き、タカヒロがそれを止めようとしたが、ギュウウン!と音がしてタカヒロから小屋までの広範囲を黒い玉が包み込む。
そして次の瞬間音もなく玉は消え、後には削れて抉れた地面が残るだけだった。
(え?ちょ!何でヤイバ達も消えてんの?異世界出身者だけが帰るんじゃないの?)
茂みで戦いを見つめていたマサヨシは驚いて思わず茂みを揺らしてしまった。
オークの兄弟は此方を見つめている。
「にゃ、にゃ~!」
「何だ犬か・・・。行くぞ弟者」
「了解した、兄者」
(今の可愛い鳴き声はどう聞いても猫だろうが!何で犬の鳴き声に聞こえるんだよ、耳腐ってるのかあの馬鹿兄弟は!)
バガー兄弟はシュッと跳躍すると屋根を伝って夜の闇に消えていった。
マサヨシはガサッ!と茂みから飛び出し四つん這いになって息を荒げている。
「はわわわ!エラいこっちゃ!エラいこっちゃでーー!ヤイバとワロちゃんとフランさんとその他諸々が消えてもうたでーーー!」
マサヨシは腰を抜かしながらも報告をすべく、ゴデの街にあるピンクのお城へ向かって走って行った。
タカヒロの体内にいる爆弾虫の事を占ってもらおうと頼んだのだが、用事は済んだとばかりに酒場から出ていこうとするタカヒロやヤイバ達を見てフランは焦っていた。
「お願い早く占ってぇ」
「体内に爆弾虫ねぇ・・・。もしあれば特徴の項目に出て来るはずなんだけど見当たらないよ。というか、よく爆発の可能性のある人物を大勢の人がいる場所に連れてきたもんだね」
「だってぇ、二人の神様がいたから爆弾虫を取り除いてくれるかなってぇ・・・。でもその前に二人とも星の国へ帰っちゃったわぁ。うふふっ!」
「うふふっじゃないよ。途中で爆発するとは思わなかったのかい?爆弾虫が彼を暗殺者として縛り付けておく口実だったから良かったものの・・・。それに追手は確実に彼を殺しに来るだろうね。・・・ああ、見えた。彼は暗殺に関しては信頼されていたから、監視役がいなかったんだ。信用のない者は逆らった時点で監視役に魔法なり毒なりで殺されていた。で、それは逆らったから体内の爆弾虫が破裂したんだぞ、と脅していたと考えられるね。もし彼を手助けするつもりなら早く追った方がいい。追手はすぐそこまで来ている」
「ありがとう、モシューさん!」
フランはそう言ってモシューの頬にキスをしてヤイバ達を追いかけていった。
キスをされた親友を見てドォスンは同情し、肩に手を置いた。
「おでもフランにキスされた事あるど。フランのキスはとても危ない。暫くの間フランしか見えなくなる」
「ああ、そのようだね」
普段は冷静で大人しいモシューでも胸を押さえ鼻息が荒い。
そんな彼の背後から若い女性の声がする。
「なぁエルフのおっさん」
もっさりとした鼻声が、この世界で呼ばれることのない種族名で呼ぶ。この世界の住人はモシュ―を背の高い色違いの樹族と思っているのだ。
「君は確か風呂場に連れて行かれて、今頃はオーガの慰み者になっていたはずだが」
モシューは水晶玉で慰み者になるマサヨシを映し出そうとしたが、オーガ達はエロい目でマサヨシの裸体を見つつも襲いかかる事はなく、普通に体を洗って服を着させていた。
「なるかよ!意外なことにオーガ達は紳士的だったぞ。普通に体を洗ってくれてベンキの部屋から、俺にピッタリな人形用の服まで持ってきてくれた。ベンキが着る乙女の服は大きいからとかどうとか言ってたけどようわからんでつ」
マサヨシは水色のエプロンドレスを着せられ、伸び放題だった黒髪は白いリボン付きヘアバンドで止められている。
「俺の適正職業を教えて欲しいんだけど」
「銀貨一枚だが、いいかい?」
「高っ!まぁいいや。ほら」
腰のポーチから銀貨を取り出し、テーブルの上に将棋の駒のようにパチリとマサヨシは置いた。
マサヨシはオティムポ狩りの時に、倒されたリッチが持っていた魔法の宝石を一つ貰っており、それを売った金で今は潤っている。
本来であればリッチから得たアイテムの獲得権利が最も有ったのはマサムネとハルコだったが、二人はそれを辞退したのでワロティニスがアイテム獲得権利を得た。
ワロティニスは砦の戦士なので自分の取り分の殆どを砦の戦士ギルドへ寄付した。
残りは働きに応じて分配する。リッチとの戦闘に参加しなかったオーガ達に取り分は無い。スカーとヤイバと、魔法無効化の盾役となったマサヨシにお情けでアイテムが配られたのだ。
(あの時はワロちゃんはかすり傷を負った俺の手当てをしてくれて天使のように優しかった。スカーは俺にブーブー文句言ってたけど・・・あいつは死ね!)
どうでもいい思い出し怒りをしてから、女になったマサヨシは占い水晶を見た。
エポ村で得た魔法のペンダントは言葉を翻訳はしてくれるが字までは翻訳してくれない。早く喋れと持っていたお菓子『美味いんだ棒』でモシューをつっついて急かし、水晶とエルフを交互に見ている。
「君は・・・なんとも特殊な異世界人だね・・・。出鱈目というか・・・。自分に都合のいい事は信じているが、悪い事は信じない。理屈で物事を考えていないんだ・・。自分の強い願望と我だけでここまで来ている・・・。それが魔法にも影響していて、自分に都合のいい魔法は拾得出来て使えるが、都合の悪い魔法は完全に拒絶する。さっきの治療の魔法も実は効いていたのだが、治療とは関係のない性転換だったから効果がなかった」
「いや、そういうのは聞いてないから。適正職業を教えてチョンマゲ。それさえ知れば俺はこの世界で無双出来るはずなんだ!ウハハハ!」
「君の適正職業は・・・盗賊・・・」
「やっぱりなぁ!大体俺みたいなキャラはラノベでも盗賊なんだよなぁ・・・」
「盗賊がサブでメインは召喚師だね」
「なぬっ!メイジの中でも単身だと最弱と言われる召喚師とな?でも極めると街一つ破壊できる災害級になるんだよなぁ。おらワクワクすっぞ!」
喜んでジャンプした時にスカートがフワッとめくれ上がる。マサヨシに合う下着が無かったのか大きな生尻が見え、酒場でマサヨシを肴に酒を飲んでいた砦の戦士たちが一斉にガタッ!と立ち上がった。
スカーが叫ぶ。
「やっぱ俺、我慢できねぇわ!マサヨシちゃーん!俺と結婚してくれ!」
「はわわわわわ!俺は男だってば。今まで(今もだけど)女の子見てフヒフヒ笑っていたキモオタニートだぞ!それにスカー!お前は俺が男だった時、どっちかつうと嫌ってただろ!」
「何言ってるかわかんねぇし、そんなの関係ねぇ!ハイ!オッパッピィ!だ!」
「何でオッパッピィ!知ってんだよ!中途半端に古いわ!」
「ヒジリに教えてもらった言葉だ!お前が男だとか女だとか、そんなの関係ねぇ!」
「おい、止めろ!」
肉食系男子ばかりの砦の戦士の中に置いて一際その傾向が強いスカーはにじり寄って来る。
「ずるいぞ!紳士協定を破るのか!スカー!マサヨシちゃんがその気になるまで手は出さねぇって話だろ!」
他の戦士たちもそう叫んで人の少なくなった酒場でマサヨシを追いかけ始めた。
ベンキは自分のお気に入りの人形の服を着て逃げ回るマサヨシとそれを追いかける砦の戦士たちを冷ややかに見ている。
「何やってんだ・・・あいつら・・・。俺の大事な人形の服を破いたら許さんぞ」
「ホギャーーー!助けてぇーーー!こんなモテ方は嫌でつぅぅ!」
マサヨシは本気で泣き叫び、酒場からロケットのように飛び出すと闇夜に消えていった。
人々が夕食と団欒を終え、一日の疲れを癒やすべくベッドの中で本を読んだり微睡んだりしてる中、ゴデの街の大通りを影のように走るオークが二人いた。
彼らは堂々と通りを走っているにも関わらず、酔っぱらいや帰り道を急ぐ人々は誰一人彼らを見ていない。いや、見えていないのだ。
かなりのスピードで走っているにもかかわらず全く息を切らさない四角い顔の男は兄に聞いた。
一般的に他種族からは見分けのつき難いオークだが、この二人の兄弟の顔は簡単に見分けがついた。
ヘルメットのような黒髪までは同じだが、片方は眼鏡をした四角い顔をしており、片方は細長い顔で下唇が異様に突き出ている。
目的地が近いのか二人は移動速度を緩めた。
「兄者、裏切り者のトンゴの強さはどんなものだ?」
「弟者、トンゴの純粋な強さは我らと拮抗している。つまりかなり強い」
「兄者、つまり我ら二人でトンゴ一人分という事か?」
「弟者、それは違う。”純粋な強さは”と俺は言っている」
「兄者、兄者は能力を使うつもりでいるのか?それはある意味、褒美なのではないか?」
「弟者、目的自体はトンゴを消すことだ。能力を使うのは間違いではない。でも一番の目的はトンゴの首を持ち帰る事」
「了解した、兄者」
後方から叫び声とズドドドドという足音が聞こえる。
「どけ!豚!」
走るオークの兄弟の間に割り込むようにしてオーガの美少女が走り去っていった。
「兄者!あのオーガの女は我らの事が見えたぞ!」
「気をつけろ!弟者!後ろからオーガの大群だ!」
―――ズドドドド―――
「待ってよマサヨシちゃ~ん!俺だけのものになってくれ~い!」
スカーがそう叫ぶと、砦の戦士たちは口々に「ずるいぞ!」と言って追いかけていく。
オーガの大群に踏み潰される直前にオークの兄弟は目的地の庭の垣根に飛び込んだ。
「あれは砦の戦士たち・・・。あの追われているメスのオーガの命は無いだろうな、兄者」
「うむ、砦の戦士を敵に回すという事は死を意味する。我らバガー兄弟でも砦の戦士の一人倒せたら御の字。馬鹿なメスオーガだな、弟者」
「兄者ならあの砦の戦士達をどうやって巻いた?」
「まず、振り返って砦の戦士に片手を突き出す」
「ふむふむ」
「そして”待て!“という。すると砦の戦士たちは待つだろ?その間に落とし穴を掘っておくんだ」
「話が見えないな、兄者。つまりどういうことなんだ?」
「お前は昔からせっかちで困る。つまりな・・・落とし穴に落とすんだよ!」
「だから、穴を掘っていたっていうのだな?そのフラグには気が付かなかった!流石だな!兄者!」
「ふふっ!兄者は賢いだろ?」
「いいや、寧ろ兄者は賢いな!」
オークの二人のやり取りを庭の茂みから見つめる目があった。何とか砦の戦士達を巻いたマサヨシはオークの兄弟を呆れた目で見ている。
(あいつら・・・何言ってんだ?もしかして超弩級のアホなのか?それに如何にも殺し屋ですって格好しやがって。黒い革鎧のあちこちにダガーが付いているし・・・)
突然、庭の奥から何かが壊れる音がした。バガー兄弟の目は庭の奥に向き、垣根から庭に侵入すると音のした方へと向かっていった。
(俺も気になるな。ちょっと見に行くか・・・)
マサヨシは茂みから出ようとしたが枝にスカートが引っかかりお尻が丸見え状態になった。
(もういいって!こんなお色気サービスはいらんだろ!誰が元キモオタの尻に食いつくんだよ!・・・あ、お前らがいたか・・・)
マサヨシは次元の壁を超えて届く何者かの視線を感じてそちらを見ると、ニヤニヤしてお尻を振ってからバガー兄弟を追いかけた。
「嫌!男は近寄らないで!」
「母さん、俺だ!タカヒロだ!」
庭の片隅に有る小さな小屋の中で只ならぬ声が聞こえてくる。
母親のエミが食器棚から投げてくる皿を躱しタカヒロは彼女に近づこうとしたが、ヤイバがそれを止める。
「待って、タカヒロさん。貴方のお母さんは貴方を覚えていないようだ。それに男性をとても怖がっている。あまり言いたくはないが、彼女は男から酷い暴行を受けたのだと思う・・・。フランさんとワロティニスは彼女を落ち着かせて話が出来るよう説得を頼む」
女性二人は頷くと、エミを落ち着かせるために近づいた。
なんとかエミを抱きしめて耳元で大丈夫だから、話をするだけだからとフランが説得をするが、エミは落ち着かない。
「モシューさんが会うなと言っていたのはこの事だったんだ・・・」
「我々は一旦外に出よう。ここにいては彼女はずっとあのままでしょうから」
「うん・・・。母さん・・・」
タカヒロは母親を心配そうに見つめてから小屋を出た。そして直ぐに周囲を警戒する。
「しっ!止まれヤイバ!」
「ええ、解っていますよ。二人・・・いや三人潜んでいますね」
庭の暗闇からビュッ!ビュビュ!とダガーが飛んできた。
ヤイバの暗視眼鏡は二人のオークがダガーを投げてくる姿を映している。二人の攻撃を難なく躱すとダガーは小屋にカカカッ!と突き刺さった。
小屋の中でフランとワロティニスは外で何かがあったと感じ取り、エミを守るように立った。
「このダガーはバガ兄弟だな。ヤイバ、ここは俺にやらせてくれ。これは俺のケジメでもあるんだ。・・・俺の所属する暗殺組織”神罰“の決まりでは追手を返り討ちにすることが出来れば、組織を抜ける事が出来る」
「それは構わないのですが、大丈夫ですか?」
「幸い、彼らは二人で俺一人分の戦闘力だ」
「幾ら格下でも対峙する人数が増えれば勝率はグンと下がりますよ?それにもう一人、後方で此方の様子を窺っている者がいます。気をつけて下さい」
ヤイバの【魔法探知】が茂みに潜むマサヨシのマジックアイテムに反応している。
「わかった」
タカヒロはダガーを両手に構えるとフンと気合を体に込める。黒いボロ布のようなシャツの下で細い筋肉が盛り上がり、戦闘態勢に入った。
オークの兄弟は特に掛け声も合図もなく静かに動きだす。ハチドリのように素早く動いて接近すると、回避して時々ダガーで往なして防御するタカヒロの体を少しずつ斬りつけていく。
致命傷を紙一重で避けるタカヒロだったが、小さな傷は少しずつ血を流させて体力を奪っているように見えた。
「兄者、トンゴは防御ばかりで攻撃をしてこない」
「油断するな、弟者。奴は自分を弱そうに見せているだけだ。あのオーガは身を切らせて虚を突くのが上手い」
兄弟は接近戦を止め、ナイフを投げて相手の出方を探った。タカヒロは簡単にナイフを弾く。
「見ろ、弟者。奴の目は死んでいない」
「確かに、兄者」
ダガーを持つ手を顔の前でクロスさせ、こちら窺うオーガの目には暗殺者としての冷たい刃物のような光が宿っていた。ダメージで気力を失っているどころか、寧ろ生き生きと輝いているように見える。
「どうした?恐れているのか?俺はスキルも魔法も使えないぞ。神から与えられし能力もない。何を怖がるのだ?バガー兄弟」
「我らは油断しない。お前が無能な暗殺者ならば、もう既に勝負は決まっているはずだからな」
「ぐあっ!」
「どうした?弟者」
会話の途中で弟は膝をついた。
「毒だ・・・兄者。どうやら接近戦の際に含み針を受けていたようだ・・・」
「暗殺者のお手本通りの攻撃だな。基本を練りに練った暗殺者はスキルや魔法が無くても強い。弟者は解毒剤を飲んで少し休め。俺はあれをやる」
「あれをやるのか・・・兄者。確かに何とかトンゴを殺れたとしても後ろの眼鏡のオーガは厄介だからな・・」
長年暗殺業をしていると身のこなしだけでヤイバの強さが解ってしまう。
今頃になってトンゴが一人の時を狙うべきだったと弟は後悔した。
兄は構えを解いて、タカヒロとヤイバの前に立った。
「我らの負けだ。お前の暗殺を諦める」
「ほう?だが、そんな事をすればお前たち兄弟の命も無いぞ?」
「我らも死ぬ気は無い。そこでだ。交渉をしたい」
「回りくどいのは無しだ。さっさと条件を言え」
「トンゴ。貴様をこの世界から元の世界に帰す。この世界から消えればそれは死んだも同じだからな」
「お前にそんな事が出来るのか?」
「ああ、俺は能力持ちだ。異世界の魔物や人を帰還させる事が出来る。本来は厄介な悪魔や異界の異形に使っていた能力。しかしお前もまた召喚されし異世界の者。問題なく帰る事が出来るだろう。さらばだ」
「待て!」
唐突に能力を発動したオークに驚き、タカヒロがそれを止めようとしたが、ギュウウン!と音がしてタカヒロから小屋までの広範囲を黒い玉が包み込む。
そして次の瞬間音もなく玉は消え、後には削れて抉れた地面が残るだけだった。
(え?ちょ!何でヤイバ達も消えてんの?異世界出身者だけが帰るんじゃないの?)
茂みで戦いを見つめていたマサヨシは驚いて思わず茂みを揺らしてしまった。
オークの兄弟は此方を見つめている。
「にゃ、にゃ~!」
「何だ犬か・・・。行くぞ弟者」
「了解した、兄者」
(今の可愛い鳴き声はどう聞いても猫だろうが!何で犬の鳴き声に聞こえるんだよ、耳腐ってるのかあの馬鹿兄弟は!)
バガー兄弟はシュッと跳躍すると屋根を伝って夜の闇に消えていった。
マサヨシはガサッ!と茂みから飛び出し四つん這いになって息を荒げている。
「はわわわ!エラいこっちゃ!エラいこっちゃでーー!ヤイバとワロちゃんとフランさんとその他諸々が消えてもうたでーーー!」
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