未来人が未開惑星に行ったら無敵だった件

藤岡 フジオ

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バートラでの戦い

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 ロロムがイービルアイを通して見たバートラの街では、黒髪の怪しい女達が跳梁していた。

 血に染まった編みレースの服を着ており、胸と陰部は透けて見えるか見えないかという際どさである。が、血に染めて牙を見せるその美しい顔に欲情する者など誰もいない。

 馬車の中で街の悲惨な現状を見てロロムは嘆く。

「なんてことだ。早く、早く街に着いてくれ! ムロはどこだ! 私の可愛い息子は!」

 幼い彼を連れて公園で遊んだ記憶や、ちょっとした絡繰りの玩具を一緒に作った思い出が、ロロムの心をより不安にさせる。

「落ち着きたまえ。ロロム殿。焦っては上手くいくものも上手くいかなくなる。今は気分を落ち着けて敵を倒すイメージトレーニングでもしたほうがいいのではないかな?」

 例えムロが死んでいてもヒジリは生き返らせる気でいるので落ち着いている。

 ヒジリの囁くような声でそう言われたロロムは、不思議と心が静かになっていった。続けて使い魔の目を通して、街の様子を窺う。

「なんてことだ。大勢の人が死んでいく・・・。なんだ? あの化物は。見たことがないぞ」

「どんな怪物ですかな?」

 マサヨシが不安そうに聞いた。

「オーガのようにも見えますが、目は血走っていて、長い牙があり、血を吸う化物です。マナを吸う吸魔鬼なら知っていますが、血を吸う化物は見たことがありません。おぞましい!」

「吸血鬼ですな。血を吸った相手を気まぐれに眷属にしたりしますから、どんどん仲間が増える可能性がありますぞ?」

「今のところ、化物は三人しかいません」

「バートラまで九時間もかけてやって来たと思ったら、いきなり吸血鬼だなんてついてないですなぁ」

 マサヨシは意気消沈して窓に寄りかかった。

 ヒジリは馬車の窓から外を見ながら化物の正体を考える。

「見たことがない、ということは霧の魔物か」

 この星の住人の話題に時々登る霧の魔物。

 自然発生する、異世界への不安定な扉が、必ずしも異形を連れてくるわけではないが、霧の向こう側からやって来て暴れる魔物はどれも強力な個体であることが多い。

「はい。この辺りの霧の魔物は丘陵地帯に多く出現しますが、現れても何もせずに霧の向こう側に帰ってしまうことが多いのです。街を襲おうとする化物は本能で動く魔獣等ですな。知性のある魔物が襲ってきたという話はあまり聞きません」

「まぁ知性があれば、異世界への扉を見たら、好奇心でこっちの世界にやって来るかもしれないが、よく判らない世界に長く留まりはしないだろうさ。召喚された可能性もある」

 そう言ってヒジリは本で得た召喚獣の知識を頭に巡らせて、暫く夢想しだした。

 ロロムはイービルアイを元の世界に戻し遠視を止めようとした。これ以上、血を吸われる同族達を見ていても仕方がないからだ。しかし、何かを発見して眉根を寄せる。

「なんだ? あの鉄傀儡は・・・?」





 ヒジリ達の乗るスレイプニル車が、あと少しでバートラに到着しようかという頃、ムロの乗る鉄傀儡は街に降り立っていた。

「酷い! 皆が猫に弄ばれる鼠のように殺されている! あっ! あれはウラフ! 助けないと!」

 吸血鬼はムロが言ったように、ふざけて猫のような仕草をして、幼馴染みのウラフを追いかけていた。

「いやだ、私死にたくない。誰か! 助けて!」

 恐怖で脚に力が入らず、ヨタヨタと逃げるゴブリンの少女は、吸血鬼の爪で寝間着を引き裂かれてボロボロになっており、体中の引っかき傷から血を滲ませている。

「あぁ~! 楽しいぃ! 私達のいた世界じゃ、勇者がいて好き勝手出来なかったけど、この世界はいいねぇ。強いのがいないじゃないか」

 笑いながら長い爪で少女の肩を貫く。

「イッ! 誰か・・・! 誰か・・・!」

 当たり前だが、誰も彼女を助ける力などない。皆、誰かが犠牲になっている間に逃げるので必死なのだ。

 バートラの殆どの者が暗殺者としての素質がある。ここのゴブリン達は他の地域と違って暗殺ギルドに所属していない素人でも腕っ節の強い者が多い。

 その腕自慢が、何人も化物に殺されている現実を見れば、逃げて当然だ。

「そろそろ飽きたかねぇ。次の獲物を狩るか」

 ウラフを捕まえると片手で持ち上げ、牙を彼女の肩に突き立てようとしたその時。

 背後から自分の頭を掴んで持ち上げる冷たい手があった。

「その子を放せ!」

 少しリバーブを効かせた、気弱そうな若者の声が鉄傀儡から聞こえてくる。

 吸血鬼はウラフを放すと、掴まれた頭をそのままにして体をねじり、爪で鉄傀儡を切り裂こうとした。

 キンと音がして火花は散ったが、斬撃耐性があるのか、鉄傀儡の装甲には傷が一切付いていなかった。

「馬鹿な! 私の爪は、鋼さえ切り裂くんだよ! ええい! 放せ!」

 吸血鬼はやたらめったら暴れて攻撃をしだした。

「ウラフ! そこを離れて!」

「その声はムロ?」

 痛みを堪えて立ち上がると、ウラフは時々振り返りつつも走り出した。

「武器は何があるんだ! ビコノカミ!」

「腕にガトリングガンがあります。攻撃しますか?」

「ああ、なんだかわからないけど頼む!」

 ジャキっと音がしてビコノカミの腕からガトリングガンが飛び出す。暴れる吸血鬼に向かって、ガトリングガンをゼロ距離で撃ち込んだ。

 連続して打ち込まれる弾丸が、吸血鬼の妖艶な体を肉塊にしていった。

 なるべく周辺に被害が出ないように、吸血鬼を高く持ち上げて撃ち込んだつもりだったが、それでも高い建物の壁や屋根を破壊してしまったのだ。

 吸血鬼は悲鳴を上げる間も無く、頭だけになり息絶える。

「なんて威力だ・・・。僕の銃なんて比べ物にならないぞ」

 背後に別の吸血鬼が音もなく立ったのを、ムロはモニターで確認する。

「接近戦用の武器で、振り向きざまに攻撃だ!」

「畏まりました」

 腰のポッドから短い棒が射出されると、ビコノカミは直ぐにそれを掴み取り、主の命令通り背後の吸血鬼を攻撃する。

 ただの短いロッドに見えたそれは、瞬時にピンク色に光る刃が生えて吸血鬼の首を刎ねた。

「これは、ノームの武器!」

 滅多に国外に出ないノームの中には、旅の護身用に光の武器を持つ者がいる。

 彼らは犯罪に疎いので、それらの武器を騙されたり盗まれたりして奪われてしまう事がある。ロムはそういった盗品が店に並んだのを一度だけ見た事があるのだ。

 強力な武器ではあるが、店に並ぶ頃には散々使われた後で、使用回数が一度か二度程度になっている事が多い。残りの使用回数が柄に表示されるので誰にでもそれを知ることができる。

「この光の剣はあと何回使えるんだ?」

「あと二十九回です」

「マナを使っていない武器なんだな」

「はい。使い終われば格納庫に戻ってエネルギーをチャージするしかありません。エネルギーパックをどこかで見つけ出す事が出来れば、使用回数は最大六十回になります」

「じゃあさっき連射していた銃弾も無限じゃないんだ?」

「はい。腕の装甲の下に弾があります。大した弾数は入りませんので基本的に牽制程度にしか使えません。改良の余地があるかと思います。提案としましては亜空間ポケットに弾を収納し・・・・」

「って、そんな事聞いている場合じゃなかった。最後の一匹はどこだ?」

「ここだよ」

 赤い霧が人型に凝縮していく。

「あらら、分身たちを殺しちゃったのかい? やるねぇ・・・」

 吸魔鬼は手をこちらに向けて呪文を唱えると、重力の球が発生しビコノカミを包み込む。
 
 重力で押しつぶされた地面がべコリと凹んだが、鉄傀儡は何事もなかったように立っていた。

「おや? 魔法が効かないのかい? こりゃ厄介だよぉ」

 しかし、中のムロには重力の魔法は効いており、彼は操縦席で前のめりになって気絶していた。

「申し訳ありません、マスター。想定外の攻撃でマスターをお守りする事が出来ませんでした」

 ビコノカミが跪いて動きを停止したので、吸血鬼は自分に屈したのかと思い、高らかに笑いだした。

「なんだい? 急にどうしたね? 怖くなったのかい? あはは!」

 さてどうしたものかと吸血鬼が顎を撫でて鉄傀儡を見ていると、胸が開いてゴブリンが転がり落ちてきた。

 機体のプログラム上、気絶した操縦者は自動的に外に出されるようになっている。

「ん? このゴブリンが操縦していたのぉ? あはは! 面白い!」
 
 気絶したゴブリンの首を掴んで持ち上げると、まじまじと顔を見つめた。

「おや? どこかで見た顔だねぇ。あんた、ペンダントを大事そうに持っていたゴブリンの子供だね?」

 意識を取り戻しつつあるムロは吸血鬼の話し声が頭に流れ込んできた。

「あなた! どうかムロとチキをお守りください、とか何とか言って泣いてたわ、貴方のお母さん。安い物語のワンシーンみたいで私は泣けなかったけどね。だからそのムロを殺すように命令してやったのよ、血を吸って眷属にしてね。あはっ!」

 ムロは薄っすらと開いた目から涙を流した。

「お前の仕業だったんだ? くそ! くそ! お前を殺してやる・・・」

「そのヘンテコなガラクタに乗ってないと、どんなに脅そうが説得力がないわねぇ。暫く私と踊りましょうか。ねぇ?」

 吸血鬼はまだ体に力の入らないムロを抱きかかえると強引に踊りだした。

「素敵な舞踏会だわ。だってあちこちから血の匂いがするもの。うふふふ!」

 血走った目を見開いたままムロを見つめ笑う。

「僕には妹がいるんだ。今ここで死ぬわけにはいかない。助けてビコノカミ。助けて星のオーガ様!」

 ムロは動かなくなったビコノカミに助けを求めたが、最初に会った時のように自動では動いてくれなかった。ビコノカミがある程度自由に動けるのは格納庫の中だけなのだが、ムロはそれを知らない。

「祈っても無駄よ。どうもこの世界の住人は弱そうだし、私には勝てる者なんていないんじゃないかしら? 殺し放題よ、きっと」

 残忍さと傲慢さを顔に滲ませ、慢心する吸血鬼の上で突然キーンと音がした。

 何の音かと動きを止めて吸血鬼は空を見た。

「稲妻キック!」

 闇の中をバチバチと光りながらオーガが空から降ってくる。

 カミソリのように鋭い蹴りは吸血鬼だけを狙って攻撃をした。

 オーガの蹴りは吸血鬼の背を掠るようにして、彼女の背中を削ぎ落とす。

「ぎゃああ!!」

 吸血鬼はムロを投げ捨てると、仰け反るようにして痛がった。

「少しやりすぎたか・・・」

 ヒジリは痛みで苦しむ吸血鬼を見て気の毒そうな顔をする。

「な~んてね」

 両手を開いてバァと腹立たしい顔をすると、舌を出して吸血鬼はおどけた。

 その顔に問答無用の拳が打ち込まれる。

「おぶっ!」

 綺麗な顔を凹ませて吹き飛ぶ吸血鬼にヒジリは拳を鳴らしながら言った。

「その顔は少々私を苛つかせるな。止めたまえ」

 目に装着した暗視ゴーグルの位置を直して吸血鬼を見る。

 吹き飛んで豪邸の塀に激突した吸血鬼は、自分を恐れない人間を腹立たしく思い、石塀をドンと殴った。

「生意気な人間だね。勇者と同じで、その余裕な態度がムカつくんだよ」

 吸血鬼が指を鳴らすと、血を吸われて倒れていたゴブリン達が起き上がる。

「やっておしまい! 我が眷属たち!」

「アァァァ!」

 押し寄せるゴブリンの大群を目にしてムロは急いでビコノカミに乗った。

「誰かは知りませんが、僕も一緒に戦います!」

「ほう。では雑魚を頼む。私は吸血鬼を倒そう」

 正直、イービルアイを従えるオーガメイジ如きに、吸血鬼が倒せるとは思えなかったムロだが、オーガが自信満々な態度なので何か勝機があるのだと信じ返事をした。

「はい!お願いします!」
 
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