史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます

白い彗星

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第十三章 黒髪少女の軌跡編

995話 変態

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「うぅっ、くさぁい……」

 私の身体はかじゅうまみれ……そのせいか、身体は変なにおいがしていた。
 かじゅうはいいにおいなんだけど、さすがにあんなにぶっかけられたら変なにおいになってしまう。

 ようやく手に入ったのも木の実一つだしなぁ。はぁ、身体洗いたい。

「ん?」

 そんなことを思っていると、せいれいさんがゆらゆらと揺れ、ある方向にいどうしていく。

 ……もしかして、私についてこいって言ってるのかな。
 私は、せいれいさんについていくことに。

 しばらく歩いて、開けた場所に出る。そこには……

「わぁ」

 大きなみずうみがあった。それに、とってもきれいだ。
 近づいて見てみる。のぞきこんだ自分の顔がうつっちゃうくらいに、とうめいだぁ!

 せいれいさん、まさかここにつれてきてくれたの?

「ありがとうね!」

 これだけきれいなみずうみなら……水浴びしちゃっても、いいよね!

 私はきていた服をほうり、まっ裸になってからみずうみの中へととび込む……

「……っ、あ、だめ?」

 その直前に、私の前にとびだしてきたせいれいさんがふりふりと身体を揺らす。
 それはまるで、首を振っているかのよう。

 とびこみはだめだって、とめてくれたみたいだ。

「わ、わかったよぉ、おこんないでぇ。とめてくれてありがとぅ」

 とびこみはきけんだからと止めてくれたせいれいさんに笑いかけてから、今度こそ私はみずうみの中へ入る。
 まずは、足をひたして……うーん、冷たい!

 それからゆっくりと、身体を下ろしていって。ひんやりするけど、それがなんだか気持ちいいー!

「ふぁー」

 そういえば、さくやはししょーの家であったかい水出るところで身体を洗ったっけなぁ。
 今にして思えば、あれもまほうなんだろうか。

 ……まほう、せいぎょか。一時間くらいおんなじことやってたのに、せいこうしたのは一回だけなんだもんなぁ。
 いめーじの力はなんとなくつかめたけど、それとせいぎょできるかはまた別の話か。

 ばしゃばしゃ、と手を水面にたたきつける。今はとりあえず、汚れてしまった身体をきれいにしないとね。

「でも、においまで取れるかなぁ?」


 ガサゴソ


「ん?」

 腕や腰、おしりなんかをぺたぺた触って、すんすんと身体のにおいをかいで……そんなときだ。
 近くの草むらから、音がした。風?

 ……いや、違う。誰かいる。

「だ、だれっ?」

 少し、距離をとる。きっとにらみつけてみるけど、草むらは動かない。
 でも、かくじつにだれかいるんだ。そこに。

 も、もしかして……モンスター、ってやつかな?

「ししょーが言ってたっけ……野生のモンスターがうろついていることがあるから、ちゅういしろって」

 もし、モンスターなら……こっちがじっとしていれば、襲われないはずだけど。多分。

 ……また、がさがさって聞こえた。やっぱり、モンスターかな?
 そもそも、近くには人のいる場所はない。昨日行った国だって、しばらく歩いていかなきゃいけないし。

 もしモンスターなら、ひょっとして仲良くなれるかも……

「ふふ……はぁ、はぁ……」

「!?」

 だけど、次に聞こえたのは……人の、息づかい!?
 少なくとも、モンスターのなき声とかじゃ、ない。

「わっ」

 おどろいてしまったせいか、私はなにかに足を取られてうしろに倒れてしまう。
 水の中なので、あんまり痛みはなかった。だけど……

「あ、あぁ……転んじゃうなんて、大変じゃないか」

 草むらから、大柄の男が姿をあらわした。

「!」

「へ、へへ……いけないなあ、こんなところで、小さな女の子がひ、ひとりでなんて」

 呼吸荒く、男は私を見ていた。
 身体は大きく……なのに、手足はみょうに細い。顔も、なんだか痩せこけているように見える。

 だけど、目は血走って……はぁはぁと言いながら、私に近づいてくる。

「い、いやっ……来ないで!」

「へ、へへ……ち、小さな女の子……それに、め、珍しい髪の色だね……あぁ、いいなぁそれ。その柔らかそうな柔肌も、サラサラの黒い髪も……全部剥いで、ボクのコレクションにしてあげるよ」

「ひっ!?」

 正直、男がなにを言っているのか半分もりかいできなかった。
 でも、この男が危ないやつだっていうのは……ほんのうが、りかいした。

 男はみずうみに入ってくる。やばい、やばい!

「そ、そうだ……」

 今の私は、まる裸……おまけに水の中で、じゆうにも動けない。だけど!

 こういうとき、まほうならきっと、対処できるはず!
 なにか、男を追い返すようななにか……いめーじを……

「っ、あ、れ……?」

 手を前にかざす……だけど、とつぜん身体がふらふらして、倒れそうになる。
 水の中で、あんまり動かない足に力を入れてなんとかふんばるけど……ち、力が入らない……?

 なんで……

「そう、いえば……」

 ししょー、言ってたっけ……まりょくを使いすぎると、つかれて倒れることもあるって。
 さっき、木の実を取るのに……まほう、いっぱい使ったせいかな。

「ぐへへへ……」

 やば……これ、やば……

「さあお嬢ちゃん、おじちゃんと一緒にいいところへ……ぐほっ!?」

 私に手を伸ばした男が、いやらしい笑みを浮かべながらそっと私の髪にふれた……そのしゅんかんだ。
 男が、変な声をあげてふっとんだのは。大柄の身体とは思えないほどに思い切りとんで……みずうみの外に、投げ出された。

 い、今のって……

「はぁ、はっ……せいれい、さん……?」

『エラン!』

 今のって、せいれいさんの……? そう思っていると、どこからかししょーの声が聞こえた。
 私の前に、ばたばたととぶ大きな鳥さんが来て……その鳥さんから、ししょーの声が聞こえた。
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